マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)塩野 七生新潮社このアイテムの詳細を見る |
マキアヴェッリの君主論は有名な本ですが,原文は1513年頃ロレンツォ・デ・メディチ(有名なロレンツォ・イル・マニフィコではなく,その孫で,フランス王妃カトリーヌ・ド・メディシスの父親であったウルビーノ公ロレンツォを指す)のために書かれたもので,当時の人間を例に挙げて書かれているので,注釈がとても多くて読みにくいです。
そうした事への配慮から,この本は例をほとんど省いて,エッセンスだけを述べているので,読みやすいのです。
何度も読んだ本ですが,昨今読み返してみると,現在の政権与党の総裁や,幹事長をしている方々に当てはまる記載が多く,驚きました。政治問題は普遍なのでしょうか。
抜粋
「君主にとっての最大の悪徳は,憎しみを買うことと軽蔑されることである。…(略)…一方,軽蔑は,君主の気が変わりやすく,軽薄で,女性的で,小心者で,決断力に欠ける場合に,国民の心中に芽生えやすくなる。……」
う~ん……お小遣いもらって脱税して,兄弟揃ってうにゃうにゃやっている感じを受けますねえ。
「君主が民集の憎しみを買うのは,どういう理由によるものであろうか。…(略)…理由の第二は,君主の尊大で横柄な態度にある。このまずいやり方は,特に抑圧された民よりも自由な民に対してなされる場合,非常にまずい結果をもたらさずにはおかない。」
手当ばらまいてやるからなと言って,票をお金で買った上,「オレ様の党を選んだんだから,どいつもこいつもオレ様の言うことを聞けよ」と言われているよう思えてなりません。まだたいした活動もしていない段階から偉そうだと思います(対立与党も同じようなものなんでしょうが)。前回の選挙は結果が見えているので行きませんでしたが,次回はちゃんと行こうと思います。少なくとも支持不支持はきっかり考えないといけないかなと。
国民にとっても耳の痛い記載
「自らの安全を自らの力によって守る意志を持たない場合,いかなる国家といえども,独立と平和を期待することは出来ない」
好むと好まないとにかかわらず,アメリカに守ってもらっている現状で,自衛隊は違憲だと言ったりアメリカの基地を絶対国外に移転させるという考えを持つ政党の人は,徴兵を含めた自国の防衛についてアメリカに頼らずやっていこうと腹をくくっているのだろうか。もしそうでないのだとしたら,それは私には良いところ取りだとしか思えない……
テレビに出てくるような人ではなく,沖縄の一般的な大多数の人が実際どう思っているのかを知りたいと思います。色々思惑がありそうなテレビなどのマスコミではその辺,公平な報道がなされないように思いますし。
基地が国外移転すれば,けっこう莫大だという噂の交付金ももらえなくなってしまうと思いますし,基地の人を相手にしたビジネスもあるかと思うのですが,その辺も踏まえて,それでも基地は無くなった方が良いのか,それとも必要悪のような形で残っても良いと考えるのか……。まあ,名護市の人はNOなのでしょうけどね。
マキアヴェッリからとんだ脱線をしてしまいました。