じょじょりん文庫

読書好きで雑読。ゴルフ好きでへたくそ。
気の向くままに本ネタとゴルフネタを書かせて頂いています。

JAL崩壊 グループ2010

2010-03-18 | ノンフィクション
JAL崩壊 (文春新書 747)
日本航空・グループ2010
文藝春秋

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何気なく買ったのですが,久しぶりに面白い本に当たったという感じです。
JALのおかしな経営やおかしな社員の内部暴露本で,変なパイロットや変な客室乗務員の実態,ほとんど変質者のような客などの悪行が余すところなく述べられています。

私は常日頃JALを利用していたので,今回のJALの法的整理についても興味がないわけではなかったのですが,不思議だったのは,企業年金の減額にOBが最後まで同意しない人がけっこういたという点でした。
法的整理といっても,破産に始まり再生,会社更生など色々な形態があるのですが,企業年金減額に一定数の同意がなければ,再生・会社更生ではなく破産になると言われていましたよね。破産になると,会社は死んだことになりますので,終結(人間で言えば葬儀?)に向けて進むわけで,企業年金なんてゼロになるわけです。だとすればJALのOBは絶対減額に同意しなければ企業年金はゼロ!ということになりますよね(まあ,それでも厚生年金はもらえるわけですが)。
このくらいのことは,常識として自明の理だと思っていたので,なぜ同意しないのかがすごく不思議だったわけです。何か深遠なポリシーがあるのだろうかなんて思ったりして。

本書を読んで,少し分かるような気がしました。
JALのOBの一部の方には,スペシャリストであるが故に,世の中の仕組みについての常識というか知識に欠落した部分がある人がおられるのだろうと思います。

本書の中に,パイロットの人が,乗務のために移動するときはファーストクラスで移動するというくだりがあって,そのことについての批判なども述べられているのですが,私はそのことより(どうせ法的整理になればそういうことはできなくなるはずだ)「正規料金を払った客は自社の社員がファーストクラスで移動する事をどう思うのだろう(服装や態度で社員だとわかる)」と書いてあったことに,「まさしくその通り!」と手を打ってしまいました。

JAL便ではなかったのですが,一度見かけたんですよね~。
サンフランシスコからダブルブッキングでハワイ経由で帰ることになったとき(JALではなくアメリカの会社),席の関係でビジネスクラスになったんですが,ビジネスクラスの一番前の席にふんぞり返って座っている中年男性がいました(国内線だからファーストクラスはなかったんです。態度はでかかった)。
黒い革張りの小さいトランクくらいの大きさのパイロットバッグ(シールが付いていたのでJALの人とすぐわかる)を持っていたので,「ああ。異動の人だな」と思ったのですが,格好が,赤い短パンにゴム草履だったんですよね。
まあ,リゾート地に行くからなのかもしれませんが,まあ真夏の電車でも,若いあんちゃんでもない限り海の家に行くような格好では普通乗らないかなあなんて思ったりしました。ましてや飛行機には……。
私は不快に思うと言うことはなかったのですが,奇異な感じはしましたかね。
しかし,よその航空会社を利用するときでもビジネスとかファーストを利用するんですかねえ。お金かかりますね。ANAでは移動がファーストクラスなのか聞いてみたいですね。

マイレージのこともあって。私はずっとJALを利用していますので,まあ,再生支援機構(厳しいはずだ)の指導で頑張って頂いて,組合活動でしのぎを削る余裕もないくらいに仕事に邁進して頂いて,立て直しを図って頂ければと願ってやみません。

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