![]() | 裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書 な 3-1)長嶺 超輝幻冬舎このアイテムの詳細を見る |
刑事裁判の裁判官が法廷での説諭などで述べた言葉を集めた本です。
題名に「爆笑」とついていますが、ぜんぜん爆笑というべき本ではないと思います。爆笑とつければ売れると考えた人(作者か出版社か)の思惑なのだと思います。
裁判官は、大学時代に勉強に明け暮れ、試験に受かっても勉強に明け暮れ、優秀な成績で研修所を卒業して、その後は裁判所一筋……って人が多いので、いわゆる世間ずれしていない、世の中を知らない人も多いのではないかという批判があったりします。
だけど、この本を読むと、そんな感じはしません。
お言葉を述べている裁判官が、特例判事補などではなくて、裁判長としてある程度経験をした40代後半くらいから60代までの人の言葉が多く載っているからかも知れませんが、しごくごもっともです。
たとえば……
娘を虐待死させた妻の公判に証人として出廷した夫が「仕事が忙しく妻の様子を見ることが出来なかった」と述べたことに対し、裁判長が
仕事が忙しいのは当たりまえ。そんな言い訳が通ると思っているのか。
と言ったそうですが、本当にその通りです。
たいがい、仕事が忙しい忙しいと言っている人に限って、要領が悪いから一層忙しいように見受けられる人が多いように思います。裁判官はめちゃめちゃ忙しいそうですので、重みがあります。
何事においても、仕事が忙しいということを言い訳にしない方がよい、ということですね。
また、痴漢に間違われて一審で有罪になった男性に、二審で逆転無罪判決を言い渡したときに、裁判長が
電車の中では女性と離れて立つのがマナーです。
と言ったそうですが、なんという紳士的なお言葉でしょう。
男性の中にも女性の中にも怪しい人が多い昨今ですので、男性も疑われたくなければ注意をすべきと思います。
痴漢と誤解されて「おまえのようなブスに痴漢なんかしねえよ」なんて言葉を言う男性がいると聞きますが、よしんばその通りとしても、こういうことを言う男性はあまり格好の良いモノではないです。少なくとも、私の家族にはこういう人はいてほしくない。
ということで、私は夫に、「満員電車で回りに女性がいるときは、荷物は肩からかけて、片手はつり革に、もう片手は鞄のストラップを持つようにして、絶対に手をおろしていないように」と言っています。
ちょっとした注意であらぬ疑いをかけられないですむなら、その方が賢いように思います。
このほか、いろいろ載っていますが、問題発言もあったりして、爆笑はしないですけど面白いと思います。
お暇があったらぜひ。
