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じょじょりん文庫

読書好きで雑読。ゴルフ好きでへたくそ。
気の向くままに本ネタとゴルフネタを書かせて頂いています。

裁判官の爆笑お言葉集 長嶺超輝

2008-09-22 | 雑本
裁判官の爆笑お言葉集 (幻冬舎新書 な 3-1)
長嶺 超輝
幻冬舎

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刑事裁判の裁判官が法廷での説諭などで述べた言葉を集めた本です。
題名に「爆笑」とついていますが、ぜんぜん爆笑というべき本ではないと思います。爆笑とつければ売れると考えた人(作者か出版社か)の思惑なのだと思います。

裁判官は、大学時代に勉強に明け暮れ、試験に受かっても勉強に明け暮れ、優秀な成績で研修所を卒業して、その後は裁判所一筋……って人が多いので、いわゆる世間ずれしていない、世の中を知らない人も多いのではないかという批判があったりします。
だけど、この本を読むと、そんな感じはしません。

お言葉を述べている裁判官が、特例判事補などではなくて、裁判長としてある程度経験をした40代後半くらいから60代までの人の言葉が多く載っているからかも知れませんが、しごくごもっともです。

たとえば……
娘を虐待死させた妻の公判に証人として出廷した夫が「仕事が忙しく妻の様子を見ることが出来なかった」と述べたことに対し、裁判長が
仕事が忙しいのは当たりまえ。そんな言い訳が通ると思っているのか。
と言ったそうですが、本当にその通りです。
たいがい、仕事が忙しい忙しいと言っている人に限って、要領が悪いから一層忙しいように見受けられる人が多いように思います。裁判官はめちゃめちゃ忙しいそうですので、重みがあります。
何事においても、仕事が忙しいということを言い訳にしない方がよい、ということですね。

また、痴漢に間違われて一審で有罪になった男性に、二審で逆転無罪判決を言い渡したときに、裁判長が
電車の中では女性と離れて立つのがマナーです。
と言ったそうですが、なんという紳士的なお言葉でしょう。
男性の中にも女性の中にも怪しい人が多い昨今ですので、男性も疑われたくなければ注意をすべきと思います。
痴漢と誤解されて「おまえのようなブスに痴漢なんかしねえよ」なんて言葉を言う男性がいると聞きますが、よしんばその通りとしても、こういうことを言う男性はあまり格好の良いモノではないです。少なくとも、私の家族にはこういう人はいてほしくない。
ということで、私は夫に、「満員電車で回りに女性がいるときは、荷物は肩からかけて、片手はつり革に、もう片手は鞄のストラップを持つようにして、絶対に手をおろしていないように」と言っています。
ちょっとした注意であらぬ疑いをかけられないですむなら、その方が賢いように思います。

このほか、いろいろ載っていますが、問題発言もあったりして、爆笑はしないですけど面白いと思います。
お暇があったらぜひ。

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裁判長!ここは懲役4年でどうすか 北尾トロ

2008-09-18 | 雑本
裁判長!ここは懲役4年でどうすか (文春文庫)
北尾 トロ
文藝春秋

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この本、レビュー多そうですね。
裁判の傍聴を趣味にされている人は多そうで、そうした方の傍聴記のひとつでしょうか。

面白い(と読者が思うだろうと作者が思った)事件を選択して本書では取り上げられています。
強制わいせつ、無銭飲食、殺人、詐欺などなど。
それはそれで面白いのでしょうが、どうしても色んな事件を取り上げたいのか、一つ一つの事件のアウトラインを紹介するにとどまっているように思います。

私の好みとしては、紹介する事件の数を減らしてでも、起こった事件の紹介にとどまらず、どうしてこんな事件が起こったのか、被告人や被害者はどういった人生を送ってきたのか、といったことまで掘り下げて傍聴して頂くモノの方が好きです。そうでなければ、量刑を判断することも出来ないわけですから……
もちろんそれには継続的にずっと傍聴する必要がありますけどね。
私がたまに見る傍聴のサイトがあるのですが、こちらはなかなか真面目に傍聴されているなぁと思います(「霞っ子クラブ」)。残念なことに9月で休止されてしまいましたが。

私の誤解かもしれませんが、本を読む限り、この作者は余り真摯に傍聴していないような感じを受けてしまいます。どうしてかな。
所詮は人ごとですが、法廷は幾多の人の人生に関わる場所でもありますので、真面目な気持ちで傍聴して頂くほうが好感が持てます。

蛇足ですが、私は司法に関係する場所で仕事をしていますので、東京でも簡裁、地裁、高裁、最高裁と全ての裁判所に出入りしましたが、最高裁はスゴイです。
絨毯がふっかふかで毛足が長く、底が革張りの靴なんか履いていったらひっくり返りそうですよ。
あまり期日は開かれていませんが、もし機会が有れば、建物を見るだけでも、最高裁の法廷の傍聴は経験する価値があると思います。

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犯意 その罪の読みとり方 乃南アサ

2008-09-17 | 雑本
犯意―その罪の読み取り方
乃南 アサ
新潮社

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来年から実施される裁判員制度を想定した本です。
推理小説家乃南アサ執筆の事件の事例が12話あって、それぞれ何の罪になるか、どのくらいの刑になるのかの解説が専門家によって施されています。
色々なジャンルの事例が挙げられていますが、結構限界事例っぽいものや、ストーカーなど読者の気を惹く事例が目立っています。

たぶん、判定が難しい微妙な事例や、子供の虐待など情状的に過度に厳罰になってしまいそうな事件は、裁判員制度割り当て事件にならないような気もするのですが、裁判員に興味のある方やなってみたいと思われる方は、自分の法的な感覚と解説とを比較してみると、面白いのではないかと思います。

中にDVの話があるのですが、暴力夫に耐えかねて、母は父親にお願い事があるという娘を夫婦の寝室に行って父親の帰りを待つように提案し、娘は母親のベッドで寝入ってしまいます。帰ってきた夫は、暴力をふるおうと妻の後を追うのですが、妻はつい娘の部屋に入ってしまいます。結果夫は寝室で寝ていた娘を妻と間違えて暴力のあげく殺してしまったという事例です。
父に傷害致死罪が成立するのは間違いのないところです(客体の錯誤という問題はあるのですが)。
母は何罪になるかというのが難しいと思います。
解説では、娘に危険が迫っているのを知りながら、それを放置したわけですから、傷害致死罪の共同正犯か幇助犯になるのではないかとした上で、自分の代わりに娘を犠牲にしたことについて緊急避難が成立するかが問題だとしています。緊急避難が成立すれば無罪になります。
この緊急避難(カルネアデスの舟板の話が有名)や正当防衛は、よくありがちですが成立が難しいと思います。

裁判員になれば、傍聴本のように「なんとなく何年!」という訳にはいきません。
まず犯罪の要件に該当するかどうかを検討し、その後それが違法であるか(正当防衛や緊急避難などが成立しないこと)どうか検討し、最後に責任能力があること(少年でないこと、ちゃんと犯罪だと認識できる状態であることなど)を検討して、やっと犯罪成立になります。
その後、法律で定められた刑から、刑の加重事由(再犯など)があるか、減刑事由(情状酌量など)があるか、を考えて刑を決めることになるわけです。
難しいですがやりがいはあるのではないかと思います。

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私の嫌いな10の人びと 中島義道

2008-09-03 | 雑本
私の嫌いな10の人びと
中島 義道
新潮社

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何気なく買ってみたのですが、けっこう面白かったです。
著者は電気通信大学の哲学の先生、らしい。

内容的には、世間一般で「常識」とか「かくあるべし」と思われていることが、どんなにマイノリティを迫害しているか、ということに重きが置かれている感じです。

例えば、出版社から頂くが自分にとっては不要な記念品を、喜んだふりしてもらって捨ててしまうよりも、「いらない」と言う方がゴミも出ないし、くれる側にとっとも損失が少ないので、実際にいらないと手紙を出した。担当者は傷ついただろう、と著者は書いています。
確かに「いらない」とはっきり言った方が、経済的な損失は少ないと、私も良く思っていることで、内心はまったく賛同しています。
だけど、私は実際に口に出しては言えません。
出版社の担当者は上司に言われて記念品を配るわけですから、いらない、と言われたと上司に報告すれば「何か粗相があったのでは」とか、いらぬ混乱を招いてしまうのではと思いますし。担当者が個人的に傷つくと言うことより、社内的にまずいことになったりしたら申し訳ないかも…と私は思います。
そんなの関係ない、と言えるほど、まだ超越できません。
自分が変に思われるのがイヤなだけだろう、と言われればその通りです。

大学に限らないでしょうが、「学校の先生」というのは、一般企業に勤務する人に比べると、やはり世間ずれしていないと言うか、自分の思想にあまりに忠実で妥協しないところがある方も多いように感じますが、この著者もそんな感じです。
で、自分の思想に忠実に徹底して行っているところ、行える環境に自分をおけるところは、スゴくもありラッキーでもあると思います。

面白かったのは、著者は他者からの精神的・物理的干渉を極度に嫌っているのですが、他者に対してはけっこう干渉してしまいそうなことを思っている点です。
著者がロマンスカーで箱根に行く折り、希望したわけではないのに、たまたま展望車の切符になってしまいます。通路はさんで隣には、眺望を楽しむでもなく居眠りしている中年女性。
著者は後ろの席の子供数人に席を替わってあげるのですが(ここまでは心優しい立派な先生だと思います)、隣の中年女性に「寝ているなら席を替わってやれ」と言いそうになった(実際には言わなかった)、というのです。
これは、この著者の思想から言うと、NGではないかな、なんて思います。
隣の人は、展望車で居眠りするのが好きな人なのかも知れない。しかも自分のお金で席を買っているのですし。それを他者である著者が自分の考えで邪魔する権利はないように思ったりします。
自己矛盾という悩みにならないためにも、実際に言わないで良かったなぁと思います。

言っていることと思うことの間に差があるのは良いと思うのですが(たとえそれが偽善でも)、言っていることとしていることの間に差があるのは避けるよう努力していきたいものです。

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負け犬の遠吠え 酒井順子

2008-08-08 | 雑本
負け犬の遠吠え (講談社文庫)
酒井 順子
講談社

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一世を風靡しましたよね。この本。
最近、若い人の間で「勝ち」とか「負け」なんて言葉が言われるようになったのも、この本が出てからでしょうか。

この本では、結婚していて子供がいる人が勝ち犬で、未婚子なし30歳以上が負け犬、って枠組みがされています。
作者自身が負け犬だから、こんな本出してすいません、って感じになっています。
私は子供がいませんので、準負け犬といったところでしょうか。

この本が契機になったかどうかわかりませんが、最近は生き方の選択肢が多様化された感じがします。
結婚してもしなくても、子供がいてもいなくても、学校に行っても行かなくても、勉強が出来てもできなくても、それなりに受け容れられていることが多いように思えます。
秋葉原事件の容疑者の親のような、ある種異常な感じの親は特殊でしょうし。
なのに、昨今の若い人のストレスが昔よりも高いと聞いて、奇異な感じを受けるのは私だけでしょうか。

少なくとも、学校に行って勉強することは、人生の選択肢が多くなる点で、した方がよいと思いますが(たとえそれが思った結果につながらなくても)、結婚や子供を持つことはどうでも良いように思えます。
好きな人がいて、その人のために一生働くことや、一生家事をすることを厭わない気持ちがあれば結婚すればよいし、疑問を持つならしない方がよい、それだけの話のように思えます。
子供も、成人するまで自分の時間を犠牲にしてでも育てようと思えば持てばよいし、疑問を持つなら持たなければ良いだけでしょうし。

そう言うことを考えすぎてしまうと、負け犬になってしまうのでしょうか。
まあ、どっちでも良いことでしょうね。アハハ

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元アイドル 吉田豪

2008-08-01 | 雑本
元アイドル! (新潮文庫 よ 31-1)
吉田 豪
新潮社

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アイドルだった(といっては失礼な年齢の人もいますが)女性達のインタビュー集です。
けっこう内容は上品なものではないのですが、私が昔見たドラマの主役級の人たちが当時こんなこと考えていたんだ~、と感慨深く読みました。

特に、ヤヌスの鏡で主役をした杉浦幸さんが、芸能界の構成員がイヤで「散弾銃でぶっ殺してやろうと思っていた」なんて発言は、「しごくまとも」な感じがしました。
遊びたい盛りの若い子が、あんな自由のない生活して、「これでOK」なんて思っているとしたら、その方がおかしい。

昔かわいかった岩井小百合ちゃんが、ディズニーランドでデート中に彼が急死しちゃったなんてことも初めて知りました。

人生色々ですね。

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学べる変換ミス3 日本漢字能力検定協会

2008-07-17 | 雑本
漢検学べる変換ミス 3―変漢ミスコンテスト (3)

日本漢字能力検定協会

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本屋さんで、ふと目にとまり、手にとって、即購入しました。

誤変換のコンテストの中からの抜粋のようですが、すごく面白かったです。
正しい文の次のページで誤変換の文が載っているのですが、単純に面白いのもあるし、ページをめくる前に自分でどんな誤変換か推理してみたり……

私が面白いと思ったものの抜粋
1(正)何かと胡散臭い時がある
 →(誤)何か父さん臭い時がある 爆笑しました!!
2(正)了解金曜にお願い
 →(誤)漁解禁よウニお願い 燃料高の折り、いいですねぇ~ 
3(正)置いてかれた感じだ
 →(誤)老いて枯れた感じだ 悲しい 
4(正)今は買い時だと思う
 →(誤)居間破壊時だと思う 恐いですねえ~やってみたい気もするけど。

このシリーズの1と2もアマゾンで頼んじゃいました。

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