Suさんの学球日誌

理科&日本語教師のSuさん(旧名SunQ)が、
国内・国外様々な学校を渡り歩き、
いろいろなチャレンジを試みます。

夢のしっぽ

2008年06月15日 | 卓球
 インハイ予選が終わった。千葉県男子の場合予選を含めた「参加数分の代表数」は,団体-約150分の1,ダブルス約800分の3,シングルス約1800分の6・・・あらためて眺めてみるとやっぱり厳しい数字だ。

 団体とダブルスを終えた時点で代表権を獲得している学校はわずか2校。sunQと教え子たちもシングルスに最後の望みをかけ最終日を迎えた。ベスト32の残れた選手はわずかに2人,関東予選で3位になったエース君に期待がかかる。もう一人残った選手は3年生で,団体戦ではいつもチームの「要」として働いてくれた。

 二人の対戦相手はいずれも公立校の選手,春の公立大会では優勝・準優勝の強敵だ。しかも練習試合等過去の対戦では大きく負け越している。 ドキドキしつつも平静を装い「普段通り楽しくやろうよ」と選手に声をかける。いよいよ試合が始まった。

 監督の心配をよそに二人の選手は伸び伸び動いている。攻めと守りのバランスが良い,1セット先取!そして次も!なんとストレートで勝利してしまった。

 8決定は私立強豪校の1・2年生,エース君の相手は緊張しているのか凡ミスが目立ち簡単に2ゲーム奪取,いけるぞ!一方「要」君の相手は緩急のあるドライブを使い分け卓球をやらせてくれない,こちらは無理か?「角度さえあえば大丈夫だから,最後まであきらめるなよ」と声をかける。

 ここからの展開は対照的だった。腹をくくったエース君の相手は落ち着いてボールをよく引きつけて処理し始めた。バックハンドのミスが無くなり,強烈なファアハンドが入り始める。エース君劣勢だ。かたや「要」君の方は徐々に相手のドライブに角度が合い始め,ブロックやハーフボレーで相手を大きく動かすという有利な形になってきた。

 選手によく言うことがある。「1・2セットを落としたらチャンスだと思え。簡単に2-0になると,相手の心に必ずスキができる。そこを突けば一気に挽回することができるんだ」と。皮肉にもエース君はその真逆をやられ,要君は見事にそれを実践した。フルセットの勝負の末にエース君は敗れ,8人で争われる代表決定リーグには要君が勝ち上がった。

 関東予選のベスト8以上の試合は,代表が決定しているので極楽のようにとても気持ちよく試合ができる。これに対してインハイ予選は2人を代表から蹴落とす地獄のリーグ戦だ。これまで県大会で上位に残った経験の無い要君だがよく頑張り1勝をあげた,あと1勝できれば代表だ!

 しかしここからが苦しかった。1セットを先取するのだが,2セット以降相手のペースになってしまう。結局8人中7位,インターハイの夢はあと一歩のところで費えた。

 高校卓球に関わる限り,選手にとっても監督にとってもインターハイ出場は一つの夢だ。1800人の中で6人だけがつかむことができる夢・・・・今回はその夢に手がかかったかな?と思ったのだけれど,するりと逃げられてしまった。

 ああ,あの時こんな練習をさせておけば良かった。あそこでもっと良いアドバイスが出来たのではないか?悔いはつきない。手の中には夢のしっぽをつかんだ感覚がまだ残っている。ホントに悔しい!

コメント (1)
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