自然に囲まれた故郷の四季の移ろいは本当に素晴らしい。
春のやわらかい陽射しに土手の雪が溶け始め、ふきのとうが黄色い芽を出す。 福寿草も眩しくつややかな花びらを開く。
短い夏はいろいろな草花が一斉に咲き競う。 梅雨もなく爽やかである。 ポプラの葉がきらきらと陽に照らされ、風にざわつく様を思い出す。
秋の山野にはこくわの実、ヤマブドウ、自生の栗の実、そして霜降りの実に初雪が乗るころ、厳しい冬はもうすぐそこまで来ている。
このような自然に囲まれた北海道の季節感は人の心を季節ごとに研ぎ澄ますのに充分である。 詩心、歌心も自然に生まれてこよう。
苫小牧から支笏湖に向かう直線道路は夏は非常に気持ちが良い。 北大の演習林があり各種の樹木を見ることが出来る。 紅葉の頃も目の覚めるような美しさだ。
なかでも落葉松林は北国の象徴的風景といえよう。 落葉松の枝から雪煙を作りながら落ちる様も林の静けさによく似合う。