「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのかー有料座席列車導入は鉄道活性化のカギ

こんにちは。大塚良治『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)で鉄道活性化策を提言しています。

小田急線平日朝下り方面特急の通勤利用

2014-02-21 17:23:54 | 日記
皆様、こんにちは。

2014年1月20日(木)、小田急小田原線新宿7時15分発特急さがみ57号(列車番号0357)9号車に乗車しました。30000形EXE30257編成6両(座席定員358人)+30057編成4両(座席定員230人)による運行です。



新宿出発時点では116人の乗車がありました。乗車率は19.7%です。大半が通勤利用と思われる旅客で占められていました。



「さがみ57号」の前後に、7時00分発特急「はこね1号」箱根湯本行き(列車番号0201)および7時28分発「はこね3号」箱根湯本行き(列車番号0203)があります。

「はこね1号」および「はこね3号」とも、小田原までの途中停車駅は、向ヶ丘遊園、町田、本厚木、新松田であるのに対して、「さがみ57号」は、新百合ヶ丘、相模大野、本厚木、秦野であり、棲み分けが図られています。

さがみ57号の乗車率が高くないにもかかわらず、「はこね1号」および「はこね3号」の間にわざわざ運行されている理由は、主に以下の2点に集約されるものと思われます。

(1)「はこね1号」および「はこね3号」はともに、箱根への観光輸送と通勤輸送を兼ねており、乗車率が比較的高く、別列車を運行することで混雑緩和を図る必要性があること

(2)「はこね1号」および「はこね3号」が停車しない、新百合ヶ丘、相模大野、秦野を利用するニーズに応える必要があること


「さがみ57号」運行の理由としては上記2点のほか、2012年3月17日ダイヤ改正まで平日の新宿7時15分発は「あさぎり1号」であったのを同日以降6時45分発に変更になったことに伴い、7時15分発のスジの有効活用策として、「さがみ57号」の運行を開始した、という側面もありそうです。

「さがみ57号」は新百合ヶ丘と相模大野で各号車数人ずつの乗車がある程度であまり大きな動きはなかったものの、本厚木で約100人前後の下車がありました。新宿および途中停車駅からの旅客の大半の目的地が本厚木であったということになります。

本厚木からも各号車5人前後ずつの乗車がありました。秦野や小田原へ向かう一定の需要があることを伺わせました。

「さがみ57号」に乗車していつも感じることは、「はこね1号」および「はこね3号」の補完列車的な役割を担っていることから乗車率が高くないことです。もう少し停車駅を増やして、乗車率を向上させる施策が必要と思われます。

例えば、海老名に停車することで、新宿や新百合ヶ丘から海老名へ向かう需要を掘り起こせるとともに、海老名から秦野や小田原へ向かう旅客も拾うことができるようになります。

小田急ロマンスカーの海老名停車は検討する価値が高いと考えられます。


※小田急ロマンスカーの海老名停車のメリットについて詳しくは、拙著『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)166~167ページをご参照ください。

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