goo blog サービス終了のお知らせ 

主夫の徒然なるままに

毎日の夕食作りに奮闘する主夫の独り言

マイナ運転免許証にしてみた!

2025年06月10日 | 日本の現代社会
 今年(令和7年)3月からモバイル運転免許が始まった。どんなものなのか、ちょっと不安があるけれども、マイナ保険証もある意味便利なので、思い切ってマイナ運転免許に挑戦してみることにした。

 韓国、米国、EUなど 各国のモバイル運転免許が確実に広がりを見せいるそうだ。基本的にカード型の運転免許証などの身分証明書は偽装が簡単なのに対して、モバイル型は、2段階認証などセキュリティが強く、不正な利用を防ぎつつ多くの資格や証明が便利にまとめられる利点があるとのこと。そのためをあり、次世代的にも、世界的にも、普及が進みつつある。
 
日本の場合、マイナ運転免許の利点を次のように広報している。

 免許証(物理カード)が不要になる
 オンライン講習にてを免許更新ができる。
 住所地以外での免許更ができる。
 免許証の住所変更などの手続きが不要になる
 更新手数料が割安になる。
など
 
デメリットもある。
 マイナンバーカードの更新を怠るとマイナ免許証も失効する。
 紛失時2重の手間暇がかかる。
など

 さて、マイナ免許証に挑戦すれば、どれほど便利になるだろうかと想像してみた。携帯だけ持っていれば、今の免許証もなくて気楽に移動できると思っていた。スマホがあれば現金もほとんど持ちあることもなく、身軽に生活できるので便利だろうと期待した。

 ところが、マイナ免許証のみにしてみると、マイナンバーカードには、表面上なにも書かれていない。カードに何か印刷されればデジタルの意味がなくなることは、わかるが、警察官に免許証を見せろと言われたとき、マイナンバーカードを見せれば済むのかちょっと不安になった。なにか方法があって、免許更新時に聞き漏らしたかと思い、不安になった。ネットで調べてみると、「マイナ免許証読み取りアプリ」というのがあり、警視庁が作成提供している。これを使うことが推奨されてい、アプリを入れて免許証を表示できるようになった。これでOK。かとおもったら、このアプリだけ(スマホだけ)では有効な免許としては認められず必ずマイナンバーカードを持っていなければならないとあった。「なんていうこと、それじゃ意味ないじゃん!」と個人的には大いに落胆してしまった。


 さらに、高齢者講習を受けなければならない年齢では、デジタル講習では、済まされないし、この年で住所変更などもほとんどない。他県からの免許更新することもまずないだろう。「まあ、安いからいいか」と思ったが、高齢者講習に7千円程度かかり、さらにマイナ自動車免許に2100円必要だった。従来の免許証だと2850円程度、両方に登録する2950円程度が必要だが、たいした差ではない、費用が安くなったと大きな声で言うほどでもない。個人的にあまり得した気にはなれなかった。


 「これじゃ、今までの免許証のままのほうが便利だったかも」が正直な感想であった。ただし、その他の資格や車検証の控えなどもどんどんデジタル化すれば格段に便利になるだろう(と信じる)。その潮流に乗り遅れるということは、デジタルデバイド(情報格差)を引き寄せ、デジタル難民になる可能性もある。だらだらと不平不満を言うよりも、とにかく、前に進むしかないだろう。

 ちなみに高齢者になると自動車の任意保険料もぐっと上がることに気が付いた。若者と同じく危険なドライバーとみなされる。一度も事故の加害者になっていないのに〜。

(画像はお借りしています)



ちょっとカートに挑戦しました。

みなさんめちゃ早い。ガンガンに追い越される!


臓器売買の闇

2024年10月23日 | 日本の現代社会
ルポ 海外「臓器売買」の闇 - 読売新聞社会部取材班(20224/04/20)を読んだ。

 読んでいて、とても暗い気持ちになった。 
  「臓器を売れ」などはやくざ映画や韓国B級映画などによく出てくるフレーズと思っていた。現実に臓器売買が行われていることを初めて知った。心臓移植などは、小さな子供がアメリカで手術、数億円の費用がかかるために広く募金を行うニュースなどは見聞きした経験があるが、肝臓や腎臓などをブローカーを通じて実際に売買されていることを知ったのはこの本が初めてである。

 へ渡った50代の女性の話から始まる。


 インターネットで検索したNPO法人の仲介で、キルギスで腎臓移植を受けることになる。NPO法人が国からの認証を受けていることから信じられると考え、臓器移植を決断する。移植費用は、1850万円。実際に移植するドナーであるウクライナの女性が手にする額は1万5千ドル。200万円程度。ウクライナでは年収の平均が60万程度。大病院とは言えないような病院で手術をうけ、目が覚めるとホテルの一室においやられる。手術の詳細やドナーに関する情報がまるで不透明なまま、日本に帰国。
 この事件の発覚により読売新聞社会部の取材が始まる。臓器売買の実態を暴く大規模な調査の開始である。


 流れとして、臓器移植を必要とする人々をターゲットにした悪質なビジネスの存在を浮き彫りにし、臓器移植は、命を救う尊い行為である一方で、金銭が絡むことで歪んだ形で利用される危険性があり、悪質な組織に利用される人々がいることを明らかにしている。なかには、8千万円を払った人、帰国後すぐに亡くなった人などの例も明らかにしている。

 ただし、悪徳斡旋者の暴露だけでなく、日本での臓器移植の問題点や救える命の解決策に、ジャーナリズムとしてどう向き合うのかについて詳しく考察されている。社会の問題を深く掘り下げ、隠された真実を暴くジャーナリズムの重要性を改めて認識させらる。

 まるでミステリー小説のように始まり、読者の好奇心と不安感をあおる構成で、いっきに最後まで読んでしまうルポである。新聞記者のすばらしさと大変さを改めて感じた。

 1850万円と自分の余命、比較は無理だが、こういう状況の時、自分は、どう考えるだろうか。1年の余命であれば、有意義な一年にそのお金を使いたいと思うのは、当事者の苦しみを知らない他人事だからなんだろうか。












特殊詐欺でつぶされる若者 

2024年09月22日 | 日本の現代社会
「ルポ特殊詐欺」(田崎 基)2022を読んだ。


 オレオレ詐欺や還付金詐欺などは、主に60代以上の高齢者が狙われている。一日あたりの被害額が7700万円にもなるそうである。その騙しのテクニックは、巧妙で、「私は騙されない」と胸を張っても、登場人物が、警察官、裁判所職員、弁護士など多彩で、さらに巧妙に登場するために、息つく暇もないなく現金などが消えていく。


 騙され方、騙された高齢者の話などは、TVでもよく見る光景であるが、この本は、「騙す側」からの視点で焦点を当てている。誰が、どのような手順を踏んでいくのか。

 「特殊詐欺」とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、口座へ振り込ませたり、現金を騙す犯罪。
「オレオレ詐欺」「預貯金詐欺」「架空料金請求詐欺」「還付金詐欺」「融資保証金詐欺」「金融商品詐欺」「ギャンブル詐欺」「交際あっせん詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」などがある。

 騙す側の末端、「かけ子」電話をかける、「受け子」現金やキャッシュカードを受け取る、「出し子」ATMなどから現金を引き出す。その上位に主導役がいる。多くの末端は、主導役との面識がなくデータの残らないテレグラムなどを通じて詐欺を実行する。


 多くの末端は、10代20代で、「手っ取り早く稼ぎたい」「闇バイトしませんか」「一日3万円、10万円稼げるバイト」に惹かれて、手を出す。最初は、コインロッカーにスマホを入れるだけでバイト代がもらえる。簡単なバイトが続く中、今までのバイトは、詐欺だから、こちらのマニュアル通りに動くように命じられる。断れば、「ネットにさらす」「実家にばらす」「妻子の安全は保障できない」、「やめるなら保証金1000万円を払え」などで追い込まれいく。最悪、強盗に走る。

 つまり、「手っ取り早く稼ぎたい」という思いで犯罪に手を染めると、上からだんだんと追い詰められ、凶悪犯へと仕立てあげられていく。入るも地獄、出るも地獄、抜けるも地獄というのが、特殊詐欺の犯行グループの真実である、とこの本で断言している。

 さらにこの本では、具体的な犯行の様子や追い詰められる末端の若者たちの例が様々に記載されている。騙されないようにという高齢者向けの方法や解説が豊富に流されているが、若者たちの安易な特殊詐欺への一歩が、どれほどの取り返しのつかない結果になるかをもっと幅広く知らしめる必要を幾度となく説いている。

 貧しくなった日本、特に貧しい若者たちが、富める高齢者を収奪する。そして、貧しい若者たちが、さらに暗闇に消えていく日本。虚しい日本の未来が透けて見える。












続「非正規公務員のリアル」

2024年01月16日 | 日本の現代社会
 北九州市の市民センター(公民館の一種)の館長として1年務めた。小中学校の校長経験者が受験して館長になるケースが多く、60歳で退職する校長の天下り先と考えてもおかしくない場所である。給与はそう高くはないが、年収400万程度はあるので、一般の非正規公務員に比べれば高給である。

 そこに働く事務職員や夜間職員などは、最低賃金である。時間880~990円程度で働く。月収にして7万円~11万円程度である。これは、いわゆる「年収の壁」を超えないための働き方に適応した被扶養者(第3号被保険者) 、つまり、多くの専業主婦にちょうど良い仕事となっている。旦那のもとで生きていく女性としてはフィットした仕事かもしれないが、経済的に自立した女性の仕事としては賃金が安すぎる。もちろんこれは、非正規公務員の多くに当てはまる現実だが、公務員のなかで非正規公務員が1/3以上、場合により過半数が非正規公務員で、その3/4が女性であると言う事実は、じょうずに低賃金で女性を使っているだけではないかと疑ってしまう。さらに市民センターでの職員は、原則として3~4年程度で一度退職となる。永遠に低賃金が続く。

 この本によれば、公務員の数を減らし続けた日本と対照的に、北欧の歴史についての記述がある。以下、「非正規公務員のリアル」上林陽治著からの抜粋、

/_/_/_/_/_/_/_

『例えば、スウェーデンの場合には労働力不足が深刻化した戦後の高度成長期に労働組合が移民労働者の受け入れを拒絶した結果、民間部門における女性の雇用が拡大し、1980年代初頭にかけて公共 部門の拡大と一層の女性の社会進出がもたらされた。このメカニズムを通じて、元来は女性の社会的地位が特に高くなかったスウェーデンは、現在では世界で最も男女が平等な社会として知られるようにな った」。 また、スウェーデンの経済学者スヴェン・スタインモも、次のように記す。「スウェーデンの女性は、同性の平等という観点と、外国からの移民労働者受け入れの代替としての、国内既存の労働力という観点から、労働市場参加を奨励された。しかし、1950年代や60年代には、スウェーデンが世界最大 の福祉国家を構築することになるとは誰も予測していなかった。だが現実にはそうなったのであり、そこで必要になった職の多くを女性が占めるようになった。1990年代の初頭、政府部門は他のど の産業よりも多くの労働力を雇用している。この事実がもたらす政治的現実として、「政府の縮小」は 女性とその家族に深刻な影響を与える・・」 だから、女性の活躍の場を奪うことにつながる「小さな政府」路線などは取りようもないのである。

これに対し日本は、公務員数を減らし、公共サービスの供給を女性非正規公務員による提供にシフト してきた結果、保育や介護などの公的ケアサービスの供給が不足し、これが女性を家庭に縛りつける原因となって、女性の労働参加を妨げ、社会進出の阻害要因となるという悪循環を繰り返してきた。』

非正規公務員問題を通じて見えてくるものは、この国の姿なのである。

/_/_/_/_/_/_/_









<海辺のレストランにて>
ちょっとお高い海鮮丼食べました。
おいしかった。久しぶりの贅沢でした。














「非正規公務員のリアル」

2023年12月19日 | 日本の現代社会
「非正規公務員のリアル」上林陽治著を読んだ

 出来ちゃった結婚で結婚し、すぐさま離婚。看護師で働きながら子育ての両立は時間的に厳しく、持っていた保健師の資格を武器に公務員保健師としての仕事場を探す。公務員削減の時代的流れの中で採用人数は多くて2~3名、1名のみも多い。福岡市や北九州市などの都市では、九大などの一流大学卒が獲得する。町役場、村役場の選考では明らかに地縁または縁故(コネ)で決まることがほとんど。結局、非正規公務員の窓口から保健師のキャリアを作るために働く選択をする。育休正職員の代理として始まり、それから、会計年度任用職員と言う非正規公務員として働くことになる。以降、コロナの影響で、日本中の保健師不足がニュースであふれると、一挙に窓口が広がり、政令指定都市の公務員保健師に就職と言う運を掴む。以降、この政令指定都市の保健師募集は、会計年度任用職員のみの募集が続いている。

 介護施設で働く40代の男性は、2年ほど前までハローワークで働いていた。私も退職した後、ハローワークにお世話になるが、あなたの年齢を考えると、介護資格を取るために学校に通うのが一番の「お得」な方法だと聞かされる。教えるのが仕事であったので、学ぶ側に立ち、勉強するのが楽しみとなり、指示に従った。その介護士の男性に「就職」のことを尋ねるとプロの示唆や提案が次々と示され、なぜ、ハローワークを辞めたのだろうかと思った。基本的にハローワークで働いている職員の7割程度が非正規公務員であるという。ハローワークで親身に働く優しい人々がほとんどパートタイマー的な職種であることに驚く。

「非正規公務員のリアル」の第一章は、
 < ハローワークで求職するハローワーク職員 = 笑えないブラックジョークに支配される現場 >から始まる。あの時の疑問の答えがそこにあった。

 さらに< 誰かが雇止めにあうという修羅場 >の中で働く。安定の職種と人のためになる仕事として選んだ職場が、辞めさせるためのトラップだらけだとは。

 第3章では< 就学援助を受けて教壇に立つ臨時教員 = 教室を覆う格差と貧困 > 第2章の図書館員の非正規雇用にも危機感を持たなければならないけれども、「そうなんだ」と他人事感が強い。しかし、学校の先生が、非正規であり、担任であり、小学校低学年であれば、「そんなばかな」と思う人が多いのではないだろうか。非正規の先生が能力がないというのではない。非正規であるという不安定かつ低収入である先生に我が子を1年間2年間預けたいと思うかどうかだ。非正規の問題は身近である。

 第2部として、地方自治体の問題を浮き彫りにしている。例えば、相談窓口に働く公務員。親身になって相談に乗ってくれることを市民は望むが、その相談は、人生相談ではない。DVに苦しむ女性、子供の虐待、過労死の問題、認知症老人を食い物にする悪徳リフォームの詐欺的商法、宗教法人の名を借りた詐欺、生活保護相談。ある意味生きるか死ぬかの相談である。相談員がほとんど非正規の職員であることに違和感はないのだろうか。また、正規職員であっても3年ごとに配置転換される正規公務員が専門職として相談に乗ってくれるのだろうか。

 第10章 進化する官製ワーキングプア = 止まらない非正規化、拡大する格差
 「同一労働、同一賃金」安倍首相が政府方針として掲げた。

 全国の非正規公務員は、公務員の3分の1を占めるようになった。その非正規公務員の4分の3が女性である。給与水準は、正規公務員の年平均所得550万程度に比べて、非正規では、200万前後、場合により最低賃金、年120万程度にしばられている場合も多い。つまり、正規の3分の1から4分の1の賃金水準であり、さらに安定した長期雇用が保証されていない。安く雇えるから便利なのであろう。正規職員の給与が非正規によって守られているようにも見える。非正規の低所得と不安定の雇用に、子供の虐待やDV問題をまかせられるのか。

 最終章 第18章では、<女性を正規公務員で雇わない国の末路>という章でまとめている。

 保育や介護、生活相談など公的ケア部門から正規公務員としての女性を排除し、それゆえに女性を家庭に縛り付ける悪循環におちいることで、さらに男女格差と経済格差を助長するこの国の末路は..........


 この本を読んで、いままでいくつか不思議に思っていたことがいくつか理解できるようになった。誰がこの国をこのような状態におとしめたのか。今から働こうとする若者に読んでもらいたい一冊である。

 ちなみに北九州市の今月の市政だより12月15日号の「働く人募集」欄によると
『 地籍調査員(会計年度任用職員)定員1名、土木技術補助員(会計年度任用職員)定員1名、子ども・家庭相談員と母子生活指導員(会計年度任用職員)定員若干名、看護師(会計年度任用職員)定員18名、看護師(会計年度任用職員・別勤務地)定員5名、調理員(正規職員)定員1名、特別支援教育専門相談員(会計年度任用職員)定員1名、保健師・助産師・看護師(会計年度任用職員・別勤務地)定員若干名、家庭ごみ収集。運搬の業務員(嘱託員)定員若干名、ひびき灘開発の事務員など(嘱託員)定員若干名、保育士(嘱託員)定員15名、北九州市福祉事業団の職員(正規職員)言語聴覚士・理学療法士・心理士 定員各1名、北九州市福祉協議会の職員(嘱託員)一般事務員・社会福祉士 定員各1名。  ※すべての職種で採用試験アリ 』












 
 多くの雇止めに苦しむ人が増え、官製ワーキングプアが増えるのだろうか。