JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

Vリーグ男子ファイナル 見どころ パナソニック

2013-04-02 18:40:45 | 用語解説
連載を中断して、今年のVリーグ男子ファイナルの見どころを取り上げます。まずはパナソニックから。

・ジョンパウロ選手の起用法
本来は普通にサーブレシーブに入るレフトであるジョンパウロ選手ですが、少し前にも書いたとおり、清水邦広選手の不在を埋めるために、後衛ではスーパーエース的役割も担うようになりました。そのバックライト打ちが思いの外良かったためか、セミファイナルからは前衛でもスーパーエース的役割をするローテがありました。この意図はいかに?単発のブロックチェンジかも知れませんし、もしかするとファイナルで使ってくるのかも知れません。

・変則ローテでの組み立て
ファイナルが引退試合となるセッターの宇佐美大輔選手にも注目です。パナソニックは3人の本職レフトに順々にスーパーエース的役割をさせる変則ローテを使っています。こうなると、印象付けという面で、セッターはかなり頭を使う必要があります。変則ローテとは言え思想的には世界標準バレーを手本にしているパナソニックですから、サイドへの高速トスによる印象付けは非常に重要で、それができないと福澤達哉選手のパイプも決まりません。セッター宇佐美大輔選手のトスワークからも目が離せません。

・ペピチ選手を使わせないサーブ戦略
堺のポイントゲッターであるペピチ選手をいかに止めるか、それがこの試合では重要になります。まずは、どこにサーブを打てばペピチ選手にトスが上がりにくくなるかの分析が必須。強いサーブで崩すと、それだけペピチ選手に上がってしまい、ペピチ選手は乱れたトスでも決められます。そのため、「ここにサーブを落とせばセンターの確率が高い」などの分析をし、その場所にサーブを落とし、ギリギリまで我慢しつつコミットでセンターを止めに行く、このようなサーブ戦術の方が効果的になるはず。その流れで、アクセント的にフルパワーのサーブや石島雄介選手を狙ったフローター等も織り交ぜると完璧だと思います。

・山本隆弘選手の勇姿は?
山本隆弘選手は、本来なら清水邦広選手のポジションでスタメンでもおかしくありませんが、そうなっていないので状態が悪いのでしょう。しかし、ピンチサーブやワンポイントブロックでは、まだまだ出来ることがあるはず。山本隆弘選手も見納めが近付いています。是非山本隆弘選手の勇姿を目に焼き付けましょう。

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