自燈明・法燈明の考察

牧場怪談で思う事⑦

 竈猫氏の山の牧場の話は何かと奇妙なものですが、まだまだ続きます。
 この山の牧場について、竈猫氏は晩飯を食べる時などに父親に話をしていたそうですが何時もスルーされていました。しかしある時、やはり晩飯を食べてると父親から聞かれました。
「お前らが行ったお化け屋敷って、***の***か?」
 まあ確かにズバリその場所だったので「オヤジあそこ知っているの?」と聞くと、父親は「お前、あそこはなぁ。。」と語り始めました。



 竈猫氏の父親は長年、石油関係の仕事をしていたのですが、以前に山の牧場の近くで大きな公共工事が行われていて、そこで使用しているパワーショベルとかユンボといった重機の燃料を納入するのに、軽油をタンクローリーで運んでいたのです。父親の仕事は外回りでしかも田舎でしたので、結構サボる事が出来たそうです。だから昼飯はそこの飯場で食べてから、タンクローリーを山の牧場の廃屋の前に止めて良く昼寝をしていたそうです。
 ある時、飯場で昼飯を食べていると、同じ飯場にいた現場監督の人から「**さん(竈猫氏の父親)は何時も度胸があるなぁと誉めていたんだよ」と言われたそうです。「え、何で?」と父親が聞いたら「あんた何時もあの空き家の処で昼寝していたろう。みんな気味悪がってあそこはよう行かん場所や」との事でした。「何でですか?」と聞くと「あそこの廃墟の上には、何時も晴れていても雲がある。どんなに晴れていても雲があるので、みんな気味悪がって近づく奴はいないんや」と言われたそうです。そこから父親は軽油を配達する度に見ていたら、確かに廃屋の上には何時も雲があったそうです。

「お前な、本当に近寄ってはいけない場所というのは有るんだから、やめとけ」

 そんな事を言われたそうです。そしてこれが中学生までの話。

 その後「新耳袋」という本で中山氏の山の牧場の話を読み、「こんな事もあるんだな」と思い、またいたこ28号さんの怪談会に参加して話をした時、いたこさんから「是非もう一度行ってきてください」と言われたりもしたそうです。そこで中学生時代の体験を改めて思い返したりして、その中で思い出した事もあったそうです。それは牛舎で仕切られて理科室の様になっていたのですが、残りの部分も見ていた事で、そこには白い粉が山盛りに積んであった事です。これは中山氏の山の怪談との共通点の一つでした。

 またこの当時、いたこ28号さんから行ってこいと言われた後、実家に帰省した時に、偶々、中学生当時に山の牧場に一緒に行っていた友人と会ったそうです。そこでその友人に怪談会の模様などを話していると「お前、相変わらず好きだな」と言われ、その時に竈猫氏は「何故、あの時に牛舎の中に入らなかったんだっけ」と聞くと、その友人はきょとんとした顔をして「お前忘れたのか?あの牛舎なんて、入り口はどこにも無かったじゃないか」と言われたそうです。廃墟で人の出入りを禁じる為に、入り口を板うちで塞ぐというのは良くありますが、あの牛舎には確かに入り口が無かった事を思い出しました。「では、あの道具は一体、どうやって入れていたのか」と思ったそうです。また変な生き物にエアーガンの玉は当たらなかったのかというと、実は生き物の前には見えないガラスの様なものがあった様で、それに当たったとの事。だから生き物の手前の空中で玉が弾かれていた事も思い出しました。

 この帰省はお正月休みで帰省をしていたのですが、友人と会った日の夜中、自宅の玄関が「ドンドンドン」と叩かれたそうです。当時、家の中で起きていたのは竈猫氏しかおらず「誰だよ、こんな時間に」と玄関を開けると、高校時代の友人がばっちり迷彩服を決めて「竈君、遊びましょ」と立っていました。「何だこのバカは」と思いましたが、この時は正月三が日のまだ二日、「何あんたら?僕にはそんな知人は居ないよ」と言うと友人は「せっかく久しぶりにあった事だし、親睦を深める為に、サバゲ―でも行こうよ」と誘いに来たそうです。見ると知らない人達もそこには居ました。この騒ぎを聞きつけて母親も起きて来てしまい「なに?こんな時間に」と言われたので、事情を説明すると母親は、その異様な集団を見て「あなた、さっさと出かけてきなさい」と言い放ったそうです。「いやいや、俺、道具無いし」と言うと、友人は「大丈夫、道具は用意してあるからさ」と言われ、結果、竈猫氏はこの友人に付き合い、夜中にサバイバルゲームをする羽目になったそうです。

 外に出てみると車三台に分乗して来ていた様で、中には初めて会う本業の人(現役自〇隊の自衛官)も居て、総勢10名位いたそうです。とりあえず車に乗せられ道具や迷彩服も渡されました。「場所はどこでやるの?」と竈猫氏は友人に聞くと「お前面白そうな所知っているじゃん。聞いたよ話。あそこに決まっているじゃん」と山の牧場でやる事を聞かされ「俺はあそこには絶対に行かないよ」と言いましたが、同行した本業の人達も「何かあったら俺たちが守ってやるから」と半ば強引に、山の牧場まで連れていかれたのです。

(続く)

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