新古今和歌集の部屋

鴨長明方丈記之抄 余算山の端3 閑寂に着するも

着するも障なるべし。いかゞ用なき楽

しみをのべてむなしくあたら時を過

さん。しづかなるあかつき此ことはりをお

もひつゞけて、みづからこゝろにとひ

ていはく世をのがれて山林にまじはる

は、心をおさめて道ををこなはん為也。

しかるを汝が姿は聖に似て心はにごり

にしめり。住家は則浄名居士の跡

をけがせりといへどもたもつところは

わづかに、周梨槃特が行にだにも

及ばずもし是貧賤の報のみづから

 
※下裂れ、欠損など一部不鮮明な点は、国立国会図書館蔵により補った。
 
着するも障なるべし。如何要なき楽しみを述べて、空く、
惜ら時を過さん。静かなる暁、このことはりを思ひ続け
て、自ら心に問ひて曰く、世をのがれて、山林に交じは
るは、心を修めて、道を行はん為なり。しかるを、汝が
姿は聖に似て、心は濁りにしめり。住家は、則ち浄名居士
の跡を汚せりといへども、保つところは、僅かに、周梨
槃特が行にだにも及ばず。もしこれ、貧賤の報の自ら

(参考)前田家本
着するも、障りなるべし。如何要なき楽しみを述べて、
惜ら時を過ぐさむ。静かなる暁、この理を思ひ続け
て、心に問ひていはく世を逃れて山林に交は
るは、心を鎮め、道を行はんが為なり。しかあるを、何ぞ
姿は聖人にて、心は濁りに染めり。住み家は即ち、浄名居士
の跡を汚せりと言へども、保つところは僅かに周利
槃特が行ひにだに及ばず。もし是、貧賎の報の自ら

(参考)大福光寺本
着スルモサハカリナルヘシ。イカゝ要ナキタノシミヲノヘテ
アタラ時ヲスクサム。シツカナルアカ月コノ事ハリヲヲモヒツゝケ
テミツカラ心ニトヒテイハクヨヲノカレテ山林ニマシハ
ルハ心ヲゝサメテ道ヲゝコナハムナリ。シカルヲ
スカタハ聖人ニテ心ハニコリニシメリ。スミカハスナハチ浄名居士
ノアトヲケカセリトイヘトモタモツトコロハワツカニ周利
槃特カ行ニタニオヨハス。若コレ貧賎ノ報ノミツカラ
 
 
 人名衆生相對境取
 捨分別名壽者相是
 謂凡夫四相修行人
 亦有四相心有能所
 輕慢衆生名我相特
 持戒輕破戒◯名人
 相厭三途苦願生諸
 天是衆生相也。心愛長
 年勤修福業諸◯不
 忘是壽者相也。有四
 相則衆生無四相即
 是佛也。又曰無復我
 相人相衆生壽者相
 無法相亦無非法相
 何以故是諸衆生若
 心取相則着我◯衆
 
 
新古今和歌集断簡 鴨長明 秋歌上
 
松嶋やしほくむあまの秋の袖月は物おもふならひのみかは
 
 
ながむれば千々に物思ふ月に又我身ひとつの嶺の松かぜ
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