三菱ジープ互助会

全国の三菱ジーパーとの連携の輪を拡大しよう。
≪設立の趣旨≫
①修理情報の共有
②J3等車両研究
③部品調達他

連休明け最終日は、実は例の初期型ジープ情報集J4研究Ⅰ~Ⅶを読み返しています。その⑦

2019-05-19 21:56:36 | 日記
APA(US Army Procurement Agency,Japan)とアバディーンでの車両テストについて色々と疑問が湧いてきました。もともと、このAPAというのはアメリカと東南アジア諸国が結んだ相互防衛援助協約に基づいて1956年(昭和31年)後半から開始された施策で、老朽化した米国製の車両を日本製新車に切り替えるための調達制度。1956年後半からということで、先般引用しました新三菱重工業の社史の記述に誤りがあることが判明しました。もう一点、J4研究の最終号で石川先生が解説されているくだりの中で、このAPA(在日米軍域外調達庁)のことと、米軍に採用されるべく実施したアバディーンでの車両テストについてもさらっと触れられています。これが実に分かりやすいんです。石川先生の説明はこのようになっています。
『2台の試作車がメリ―ランド州アバディーンの米軍の実験場に送られた以外は一度も日本から出なかったが、書類上は輸出されたこととなっている。この米軍供与のジープは1957年から1959年にかけて4140台が製造された。そして全量が防衛庁に供与された』つまりCJ3B-J4の試作車が作られたということです。例の三菱ジープのあゆみという書籍には、このアバディーンに関する記述が殆ど掲載されていません。
一方、手元にある新三菱重工業京都製作所の資料によると、アバディーンでの試験結果に基づきキャブレター等を改良され、イグナイターをディストリビューターとコイルに分離したJH4-1A2(12V電装)という形式のJH4エンジンをAPA向け車両用に1957年9月から1959年2月までに4364台を生産したという記録が残っています。これが防衛庁納入の第一次APA向け特需となります。第一次APA向けにはオプションとして2570台が存在したようです。第二次APA向けは257台で1959年3月から7月までの間に僅か257台のJH4-1A3(12V電装)が納入され、第二次分のオプションは7275台であったようです。そして第三次APA向けとしてJH4-1Cという形式のJH4(24V電装、バキュームポンプなし)4656台が納入されたようです。第三次のオプションはなかったと考えられます。ここまでに記載した台数を合計すると(第二次の257台を除くと)18865台で三菱ジープのあゆみP146に記載されているAPA向けJ4C型の合計台数18868台と非常に近い数字となります。何か繋がったような気がします。

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