エウアンゲリオン

新約聖書研究は四福音書と使徒言行録が完了しました。
新たに、ショート・メッセージで信仰を育み励ましを具えます。

「いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28:20)

2010-12-30 | マタイによる福音書
 ついに最後の言葉になりました。イエスは満を持して告げます。「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28:20)
 ここでいう「世の終わり」がまた、マタイの真髄を示しているかと思います。それは単に終わりなのではなくて、「完成」です。律法の成就なのです。たしかに文の頭には「そして見よ、私は共に」と始まっているのですが、福音書の最後の最後のフレーズが「世の終わりまで」なのです。この言葉が余韻を残して、読者の胸に、この福音書が何を伝えようとしたのかを響かせようとしているのは間違いありません。
 オリーブ山に座るイエスの姿がかつて描かれていました。「その日、主は御足をもって エルサレムの東にある オリーブ山の上に立たれる」(ゼカリヤ14:4)とあるように、再臨の救い主が立つ場所として相応しい場所です。もちろん、「山」がマタイにとり特殊な意味で用いられていることも周知のことです。そのとき「あなたが来られて世の終わるときには、どんな徴があるのですか」(マタイ24:3)と弟子たちが尋ねていました。この問いに対する答えは、そのときには目に見える現象が並べられていただけのように聞こえたかもしれませんが、その締めくくりにこうイエスが、「御国のこの福音はあらゆる民への証しとして、全世界に宣べ伝えられる。それから、終わりが来る」(マタイ24:14)と告げていました。まさにこれが、今結論として置かれたようなものです。この時を目指して、イエスの弟子は、ひとつの組織に連なりつつ、地上でこの命令に従った旅を送るのです。多分に、律法の完成を以てすべての終わりと見なして。
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