日本古靴資料館

日本の靴の歴史についてのデータベースですが、まだ未完成ですので気長にお待ちください。

リクソンシューズとメイジ・リクソン

2018-08-29 14:41:00 | スタンダード靴
1962(昭和37)年の秋にスタンダード靴はリクソンソール(メイジ・リクソン)を底材に使用した「リクソンシューズ」を発売しました。

リクソンソールとは明治製革がフランスのアンリー・ボッケ社と技術提携して開発した底革で、酸化ジルコニュームという金属製の鞣剤を使って鞣したものであり、従来の渋鞣しとクローム鞣しよりも柔軟性、耐水性にも優れた底材でした。

当時のリクソンシューズ


リクソンソール


リクソンシューズは9月11日から東京都内の三越各店(日本橋、銀座、新宿、池袋)で先行販売され、11月より全国販売が開始されました。

ユニオン製靴とニシキ製靴

2018-08-24 11:00:00 | ユニオン製靴
マレリーやユニオンインペリアル等で有名な世界長ユニオン(ユニオン製靴)の前身はニシキ製靴という会社でした。

ニシキ製靴は1941(昭和16)年に当時浅草製靴工業組合理事長だった沢村虎治郎が葛飾区小菅町に海軍靴の下請工場としてニシキ製靴株式会社を設立しました。

※当時海軍靴を製造していた業者は全て大塚商店の管理下でした。

ニシキ製靴創業者の沢村虎治郎


戦後日本製靴(現在のリーガルコーポレーション)を追放された数人がニシキ製靴に入ったことが原因で、人間関係管理の面でうまくいかずに、ついにニシキ製靴は倒産してしまいました。

ニシキ製靴の工場は国税庁の競売工場となりましたが、水口宝一(ユニオン製靴創業者)の手に渡ることになり、1952(昭和27)年1月に資本金200万円でユニオン製靴株式会社が設立されました。

創業時の従業員は40人で全て旧ニシキ製靴から引き継いだ人々でした。

最初は1日1足のノルマから始まり、旧ニシキ製靴時代の老朽化した機械を使っていましたが、徐々に作業を機械化していき、ユニオン製靴は日本製靴、大塚製靴等と並び日本の5大メーカーと呼ばれるまで発展しました。