日本古靴資料館

日本の靴の歴史についてのデータベースですが、まだ未完成ですので気長にお待ちください。

アメリカ屋靴店の歴史 その5

2018-05-18 04:42:00 | アメリカ屋靴店
伊助の悲願であった伊勢丹前店は順調に業績を伸ばし、戦後の景気上昇の波に乗って1953(昭和28)年7月1日に東京駅名店街(現在の東京駅一番街)に出店しました。

周囲は「東京駅に出店しても旅客が靴を買うはずがない」と噂をしていましたが、伊助は当時資本金200万円の時代に1000万円の資金をつぎ込みました。

オープン間もなく月1回名物のバーゲンセールが始まり、名店街店は半月後には顧客で大いに賑わいました。

この成功により翌昭和29年10月1日に渋谷道玄坂下に渋谷地下店を出店し、1956(昭和31)年には新宿伊勢丹前店、東京駅名店街店、渋谷地下店の3店舗で売上3億円を達成しました。

1957(昭和32)年に数寄屋橋に銀座店を開店し、ライバルのワシントン靴店の本拠地である銀座に進出し、9月1日に新宿駅前に賃貸形式を取らないアメリカ屋靴店初の独立店舗をオープンしました。

当初新宿駅前にはライバルのワシントン靴店が進出する話があり、そこで伊助は駅前の福屋という蕎麦屋を買収し、アメリカ屋靴店の不動産部門として株式会社福屋を設立しました。

以降は
1960(昭和35)年10月1日 新宿三越前店
1962(昭和37)年8月1日 渋谷東宝隣店
同年11月1日 横浜ステーションビル店
1963(昭和38)年4月28日 千葉店
1964(昭和39)年5月1日 新宿駅ビル店
と次々に出店し、昭和39年10月9日に群馬県高崎市の藤五デパートに高崎店を開店し、アメリカ屋初のデパート出店を果たしました。