イトー靴店は明治29(1896)年、伊東金之助が京橋に開業した靴店です。
創業者の伊東金之助の本名は鉄太郎で、明治5(1872)年の15歳のときに築地の伊勢勝造靴場へ入ります。
鉄太郎は特に婦人靴の製作が巧く、宮中の女官靴などを作っていましたが、28歳のときに女靴専務となり、名を「金之助」と改めます。
翌明治19(1886)年に師のレマルシャンが亡くなったのを機にサンフランシスコに渡り、帰国後の明治29(1896)年にイトー靴店を開業します。
その後金之助は昭和7(1932)年に70歳で亡くなりますが、長男の慎一郎が2代目金之助を襲名し、父と同じく靴の名人として有名になりました。