「自閉っ子」こんな風に生きてます

元気溌剌!「自閉症おねえさん」の生活記録

棚の整理

2012-08-31 14:57:03 | 日記

 洗面所の洗剤類を置く棚は、美佳が次々と買ってくる製品で溢れかえっている。洗濯用洗剤と洗髪用のシャンプーetcが3種類ずつ、エリ袖汚れ、靴洗い用、入浴剤、風呂釜クリーナーetc予備も含めると30個以上がギッシリ。
 詰め替え用のリンスが見つからずイライラした母は、「これじゃ何がどこにあるか分らないじゃない」と美佳を相手に整理を開始。母「これは?」->美佳「私じゃない」->母「じゃ、捨てるよ」->美佳「ハイ」、というやり取りが続き、次々とゴミ袋へ。その他にも、洗顔クリームのサンプル、使わなくなった化粧品etc棚の半分以上がゴミ袋に消えた。

 処分に迷った化粧用品は、母「これはお姉ちゃんのかな?美佳、聞いてきて」と言われ、居間へやってきて「これ、お姉ちゃんの?」->姉「そうだよ」->美佳「要るか要らないか、どっち?」と詰問する声はイキイキ。姉「要る」と言われ、戻って「要ります」。これには、母「チャンと言えてるじゃない」と苦笑い。最後に、母のリンスを詰め替え、「これ、詰め替えました」で終了。ご苦労さまでした。


鬼灯②

2012-08-29 09:53:46 | 日記

 因みに、鬼灯の読み方が”ほおずき”なのか”ほうづき”なのか気になったので、電子辞書で調べてみた。
 ”ほおずき”の漢字表記は、「酸漿」「鬼灯」であり、”ホホヅキ”という読みも併記されていた。どうやら“頬付き”が語源で、”ホホヅキ”という読み方がでてきたらしい。
 その後、”頬”が”ほお”に転化したので、”ほおづき”という読み方にも一理あると思う。美佳の”ほうづき”という標記も半分は合っていたということ?

 ところが数日後美佳と話しているときに、父「鬼灯ってひらがなでどう書くの?」と訊くと、美佳は近くにあったメモ用紙に「ほおずき」と書いてみせた。これには、父は目が点に・・・。そのときどきの気分で読み方が変わるの?
 おまけに、父「ほおずきって漢字でどう書くの?」と聞くと手が止まり、父のプロンプトを待つ態勢。仕方なく「”おに”という字と”ともしび”」と言うと、迷いなく「鬼灯」と書いた。その時どきで、即答出来たり出来なかったり・・・。その気まぐれに父は???


鬼灯①

2012-08-27 09:43:41 | 日記

 バスの中で”ほおずき市”の広告を見つけた美佳は、早速お出かけ。翌朝、玄関には母の手で鬼灯が飾られていた。そして、その日の小遣い帳には、「今日は○○寺でほうづき(ほおずき)を買いました。このあとは日本橋の山本山本店でのりとお茶をかいました。おつかれさまでした。」と書いてあった。

 それはそれでいいのだが、最近美佳の文章を読んでいると、漢字を知っている筈なのに”ひらがな”で書くケースが多い。例えば、「SD会の文化部でクレープをやいてやさいるいとフルーツをかざりました。」etc。単に漢字を思い出すのが面倒くさいだけなのか?それとも漢字を忘れかけているのか?ちょっと気になる現象。
 で、玄関に飾られた鬼灯が話題になったときに、父「美佳、ほおずきってどう書くの?」と訊いてみた。すると、美佳「”おに”という字に”ひ”」と言って宙に”鬼灯”と書いて見せた。
 「知っているならチャンと漢字で書けよ」と思うのだが、文章を組み立てながら漢字変換する処理は、思いのほか脳に負担がかかっているのかも・・・。


24時間テレビ

2012-08-25 11:03:45 | 日記

 テレビで「24時間テレビ」の番宣をやっていた。今年は母が熱をあげている嵐がメインキャスター。番組で着るTシャツの製作では、お気に入りの大野智君がキャラクターの目と背中に”未来”とデザインしている様子が放映されていた。で、母は一も二もなく「このTシャツを買う」。
 が、販売する場所は限られている。「汐留って地下鉄のどこで降りたらいいの?」という母の知識では覚束ない。で、父「美佳に頼んだら」と助け船。父「日テレって行ったことある?」->美佳「ある」->父「どこにあるの?」->美佳「汐留」->父「どこの駅で降りた?」->美佳「新橋」で、これならOK。

 数日後、余暇活動の予定が変更になった美佳が、「お母さん、24時間テレビのTシャツ。汐留の・・」と母からお金を受け取り、お出かけ。夕方には母に水色のMサイズ、自分に黄色のLサイズのシャツを買って帰ってきた。
 翌朝には24時間テレビのTシャツで現れ、「似合うじゃない」と褒められ得意そう。母は「勿体なくて・・。いつ着ようかな?」だが、美佳にはそんなことは関係ない?


携帯を買いました③

2012-08-23 11:23:15 | 日記

 終るとすぐに、美佳が自分の携帯を使って電話。相手はNS会の指導員さん。だが、「来月は出席します」etcは話しても、「携帯を買ってもらった」は出てこなかった。
 だが夜になって、美佳「携帯を作業所に持って行きますか(持って行っていいですか)?」と聞きにきたし、翌朝には「作業所の皆さんに”携帯買いました”って言います」と言い残して出かけたから、嬉しい気持はあるのだろう。

 自閉症者は感情に乏しいといわれる。美佳も”喜怒哀楽”の感情のうち、”怒”以外の感情を表出する場面は多くない。”喜”と”楽”の気持は内にあっても、自分から感情を爆発させるまでには到らない。聞かれれば「嬉しい」という程度。オリンピックの中継を見て「キャーッ、頑張れ!」etc場面に応じた表現は少しずつ増えてきたが・・。
 最も難しいのが、”哀”。今でも一緒にテレビを見ていて、涙を流しているシーンで、「この人、なんで泣いているの?」と不思議そうに聞いてくる。「場面に応じた感情表現」のレパートリーを増やしてことは、永遠の課題?


携帯を買いました②

2012-08-21 10:14:40 | 日記

 美佳は昔から多動で、帰宅が遅れても”今日はどこまで行ったやら・・”と案じて待つしかない。携帯を持たせるか否かは母と何度も議論したが、「失くしてしまったら・・」etc不安の種が尽きず踏み切れなかった。
 断片的な会話が多い美佳だが、メールを使いこなすことで新しい世界が拓けてくるかも・・。だから、思い切って持たせてみたら・・と再三勧められたこともある。美佳の友だちも何人かは持っている。失敗ばかり恐れていても進歩がない。

 で、思い切って「買ってあげる」と言ったが、美佳は「はい」と素っ気ない。もっと嬉しそうな顔をしろよ!が、本当は嬉しかったのでしょうね。「いつ買いに行きますか?」とせっつかれ、午後一緒にauのお店へ。
 契約書類は父が記入し、美佳は確認サインのみ。機種は母と同じかんたん携帯。父「どの色がいい?」->美佳「ピンク」で、”ピンクのかんたん携帯”をゲット。
 機能は「電話とメール(受信者指定)に限定」し、父がセットアップした。電話帳登録は美佳が担当して準備完了。


携帯を買いました①

2012-08-19 16:14:13 | 日記

 その翌日、美佳が電子辞書で遊んでいると、母の携帯にメールの着信音。気がついた美佳が母に報告。
 メールは利江叔母さんからで、美佳から書中見舞いで祖母の墓参りを誘われたが暑いのでまた秋にでも・・、美佳によろしく伝えてね、という内容。
 母は家事が忙しいので、美佳に練習を兼ねて返信メールの代行をさせることにし、父が面倒を見ることになった。最初は操作に戸惑うことが多かったが、次第に思い出したらしくスピードアップ。

 普段は親に教えられる(指示される)ことを嫌がる美佳が、分らなくなると素直に訊いてくる。普段は二言三言で終ってしまう会話が、これほど長く続いたのは記憶にない。
 メールを終ってホッとしていると、美佳がきて「携帯って幾らくらいするの?」に父はギョッ!父「そうだね、3万円くらいかな」に、しばし考え込む様子。
 父「他にも電話代が毎月2千円くらいかかるよ。その分小遣いが減るけどいいの?」には、美佳「小遣いは減りません」と抵抗。父「じゃあ、お母さんと相談してみたら・・」にはノーコメント。


メール始めました

2012-08-17 09:46:20 | 日記

 お盆休みで余暇活動もなく、朝から電子辞書で遊んでいた美佳が暇を持て余し退屈そう。で、父が母の携帯を借りてきて、「メールやってみる?」と訊くと、珍しく素直に「はい」。
 最初に練習問題として、姉に向けてメールを作成することに。件名は「メール始めました」。本文は「私、メールを始めました。これからも、よろしく 美佳」という簡単なもの。
 入力、候補からの選択、訂正のやり方はすぐに憶えた。更に、姉の携帯画面で着信を確認して、仕組みの講義終了。

 父「美佳は誰にメールしたいの?」->美佳「はるみ(叔母)ちゃん」。で、母のアドレス帳からあて先を選択し、件名・本文は美佳に任せることに。それから20分ほど、美佳は入力に専念。「はるみちゃん、お元気ですか。私は夏休みに東京スカイツリーに・・・」と、文章は手紙形式。
 集中している時の美佳は口元が引き締まり、何時になくいい顔になっていた。ときどき父が手助けして完成。叔母からはすぐに返信があり、「初めてにしては上手じゃない」と褒められ、美佳は上機嫌。


東京スカイツリー

2012-08-15 11:23:43 | 日記

 今日は春先に予約が取れてから、ずっと楽しみにしてきた東京スカイツリーの見学日。それなのに、美佳は朝から体調不良で機嫌が悪い。「そんなにイヤなら止めたら」と母に嫌味をいわれながら出かけていった。
 帰ってきてからも、ブツブツひとり言が続く。夕食の席でも「お腹が痛い。吐いたから・・」と言って、お粥とケンチン汁、野菜・果物を口にしただけ。魚のフライとキノコの炒め物は、「明日食べる」と言って残した。

 が、食べ終わる頃には顔色が少しよくなり、質問にも答えるようになった。父「お昼は何を食べたの?」->美佳「天ぷら定食」->父「だから、お腹が痛くなったんじゃないの?」、にはノーコメント。父「スカイツリーから何が見えたの?」->美佳「東京タワーと富士山と海」->父「他には?」->美佳「屋形船が見えた」。
 他にも「由紀ちゃんはきた。N君は来なかった」etcお友達の消息も。小遣い帳の感想は、「今日は社会見学で浅草の雷門をみてから仲見世をみました。それから東京スカイツリーに行っていろんなけしきをながめてみました。」。


お金を取られた③

2012-08-13 10:57:43 | 日記

 この騒動を振り返ると、自閉症者固有の発想に振り回されていることが分る。「自販機にお金を取られた」という言い分はともあれ、美佳が言っていることは断片的だが全て正しい。だが、自分が興味のある事実だけを伝えても、相手には状況が伝わらない。
 質問の仕方も悪かったのだが、「200円買うのに600円入れた」と聞くと、常識的には「何言ってるんだろう。本当?」となる。下手をすると、「またいい加減なことを言って・・」で終ってしまう。今回も、「何が起きたか」を一つひとつ解きほぐしていくのに結構時間がかかった。

 「自販機に取られた」というのも、美佳には自販機との1対1の関係しか見えず、次に買った目に見えない第三者の存在は見えていない。人間が相手なら、美佳が言うことは正しいのだが・・。
 また、自分の失敗でムシャクシャし、「頭が痛く」なったのは本当かも・・・。が、「頭が痛い」ではなく、「お釣を取り忘れて・・」とダイレクトに訴えるようになるのは、まだまだ長い道のり?