「自閉っ子」こんな風に生きてます

元気溌剌!「自閉症おねえさん」の生活記録

歌謡コンサート

2007-10-31 18:36:17 | 日記

 珍しく6時前に帰宅。「ただ今」の挨拶もそこそこにテーブルのバナナに手を伸ばす。母「もう直ぐご飯でしょ」に手を引っ込めたが、何としても納まらない。今度は冷蔵庫からお小遣いで買ったアイスクリームを取りだす。これにもダメをだすとパニックになりそうなので黙認。但し、父「半分だけにしよう」の声には素直に従い、残りを冷蔵庫へ。

 母「そろそろお風呂を入れて」にさっと立って浴室へ行き、15分ほどで沸くと直ぐに入浴。いやに手回しがいいなと思ったのもそこまで。入ったきり出てくる気配がない。イライラする姉を待たせ、母が食事の後片付けを終ったころ、ようやく美佳「出ましたあ」の声。
 冷えたおかずと味噌汁を温め、海苔・ヤクルト・ゼリーの3点セットを用意して、程なく始まった
NHKの歌謡コンサートを見ながら夕食スタート。そこでやっと「そうか、今日はこういう予定だったんだ」と気がつく父の間抜けぶり。こんな生活してるから太るんだよとは言っても、どう指導すべきかはアイディアなし。


ボーリング/続き

2007-10-29 18:57:07 | 日記

 美佳の部屋で探し物をしていた父が、机の上に見慣れない物を発見した。よく見たらドラえもんの貯金箱。“こんなもの、どこで貰ったんだろう”と思ったが、あとで美佳の小遣い帳をみていたら、コメント欄に「SS会のボーリングは一生懸命頑張って1位でした」、「ボーリング1位の賞品はドラえもんの貯金入れでした」と書いてあるのを発見した。

 そう言われると、先日優勝賞品と勘違いしたお菓子は優勝にしては少々チャチかった。これが優勝賞品だったのなら納得できる。それにしても、本人はひと言も触れなかった。まさかそんな物があると思ってもいなかったので、誰も訊かなかったことも事実だけど。
 普通なら「優勝して貰ったよ!」といって、得意になって報告してもいい筈なのに全くその気配がない。自分からは何も発信しようとしない、その感覚が自閉症の自閉症たる所以でもあるのだが。だけど、小遣い帳のコメント欄に書いたということは、本人なりに”ヤッター!”と思ったんでしょうね。


ボーリング

2007-10-27 20:21:41 | 日記

 昼食は自分で鮭を焼いて食べ、台風で雨が降りしきる中SS会のボーリングに出かけた。6時ごろびしょ濡れになって帰宅。すぐに風呂に入って夕食の席へ。

 母「今日のボーリングどうだった?」に、美佳「1位だった」。20人近く参加しているのに、そんな筈はない。母「チームで1位だったの、よかったねえ」に、美佳「・・・・」。そのまま美佳は食べ始めた。
 しばらくして、先に食べ終わった父が再度訊く。父「ところで美佳、何点だったの?」。美佳「217点」。父「えっ、嘘でしょう」といったが、スコアシートを確認すると間違いない。ストライクはなかったが、スペアを7つも取って昨年の156点からは長足の進歩。

 父「チームじゃなくて個人で1位だったの?」。美佳「個人選で1位でした」。確かに、食卓に賞品のチョコレートが置かれていた。父「ふぅ~ん、えらいねえ」と褒めたら、美佳「ところで、お母さんはどう?」。まあ、そう言うなって!お母さんは運動音痴なんだから。


ファスナーが壊れた

2007-10-25 20:07:07 | 日記

 美佳が「お父さん、ファスナーが壊れました」と報告に来た。見ると、ジーパンのファスナーが閉まらなくなっていた。以前、ジャンパーのファスナーが壊れた時に直してやったのを憶えていたらしい。調べてみたら、強く引っ張られた所為でツメが2ヶ所ほど脱落していて修理不能。新しいファスナーに付け替えるしかないが、今どきそんな面倒なことはしたくない。

 父「これはもう駄目だから、捨てて新しいのを買ったら」と提案したが、美佳は頑として納得しない。ジーパンは2週間ほど前に美佳が1,000円で買ってきたものだが、手触りもいいし可愛い花柄の刺繍もついていてお気に入りだった。ただ少し小さめでお腹の圧力に耐えられるかしら、と危惧していたのが現実になった。
 納得できない美佳は「駄目です。洗います」と洗濯機へポイ。洗ったってどうなる訳でもあるまいに。翌日取り込まれたジーパンのツメをみせて再度修理不能を説明し、美佳が新しいジーパンを自分で買いに行くことで廃棄に同意。時間があいたことで冷静になれた?


母の誕生日

2007-10-23 21:08:13 | 日記

 父の誕生日はケーキ抜きだったので、美佳は少々おかんむり。あまり禁止ばかりでも・・というのでケーキを復活することにした。いつもの不二家がお休みで、作業所の帰りにわざわざ駅ビルまで行き、ケーキの紙袋を大事そうに提げて帰ってきた。

 帰宅後直ぐの会話の中で、小遣いの使い方を母から注意され、ムッとした顔で電話の前まで行ったが、祖母への電話を思い止まり、荷物を持って自室へ。少しパニクっているのかな?と思ったが、夕食の準備ができたので呼ぶと直ぐに下りてきた。
 何事もなく”ハッピーバースデーお母さん”を歌ってお茶とビールで乾杯し、食後にケーキを賞味して誕生日のセレモニーは無事終了。目的があったので我慢できたのか?母には逆らえなかったのか?ともあれ少し成長した美佳でした。


上から読んでも山本山

2007-10-21 17:43:59 | 日記

 夕飯のおかずは餃子。餃子を肴にビールを飲みながらふと見ると、前に座っている美佳が「山本山」の海苔を美味しそうに食べていた。思わず、「海苔一枚ちょうだい」とおねだり。美佳が「はい」と渡してくれたので、そのまま口に入れようとしたら、美佳「ご飯に巻いて食べる」と鋭い指摘。余りのタイミングのよさに父はグッと詰まって反論できず。

 何せ幼稚園の頃から、海苔といえば山本山。小学校2年生で東京に転校してきて、初めて出かけたのが日本橋の山本山本店。以来、月に一回は通う常連客に。自分の海苔は家族の食べるものとは別容器に保管していて、家族はアンタッチャブル。それだけ思い入れのある「山本山」の海苔をそのまま食べてしまうのは、許せない?
 美佳がジッと見ているので、仕方なく指示通りに。「山本山」に思い入れがあるのは解るけど、だからって何もそこまで干渉することはないだろうに、と父は釈然としないのだが・・・。


整理整頓

2007-10-20 21:09:19 | 日記

 今日は机と本棚の大掃除。部屋中に散らかった広告パンフ、余暇活動の資料と写真、あちこちで貰ってきたバッジ・ストラップ・ペンシル等の雑貨etcを含めて片付けることにした。

 これまでは要る、要らないで選択させたが、"要る"の連発でなかなか整理が進まない。今回は一計を案じ、まず部屋のレイアウトを変えて収納サイズを先に決めた。その上で、一番必要なものから順番に収納することに。
 お気に入りの人形たちに続いて、①時刻表、TVガイド他の定期購入本、②CD・ビデオ類、③NHK今日の料理・おしゃれ工房、④渡る世間は鬼ばかりetcがめでたく収納。雑誌類は1/3近くカットできた。雑貨類も同様に半分に。3時間余り、よく頑張って終了。
 見違えるようにスッキリした部屋を見て、美佳が得意げにひと言。「お姉ちゃんの部屋はどう?」。父「何言ってんだい!今朝までのお前の部屋と一緒だよ」とこれは胸の中。


ミュージック、スタート

2007-10-19 22:53:36 | 日記

 夕食が済んでゆっくりお風呂で遊び寝る前のひと時、美佳の楽しみのひとつはCDを聞くこと。先日も隣の部屋で本を読んでいると、聞くともなく聞こえてきた美佳の張り切った声。
 
「次はA-5、水原弘さんの遠くへ行きたいです。前奏から行きます。それでは、ミュージック、スタート!」。きっと、カラオケボックスではボラさんがこうやって場を盛り上げているんだろうな、と思わずニヤリ。

 翌日帰宅した美佳に訊いた。父「昨日は何のCD聞いてたの?」。美佳「水原弘全曲集」。父「お母さんが買ったの?」。美佳「私が買いました」。父「水原弘さんの曲で一番好きなのはなに?」。美佳「黒い花びら」。予想外の答に、思わず「渋いねえ、君は・・」と呟いた父でした。


旅行には行きません

2007-10-16 20:33:31 | 日記

 作業所、仲間との旅行は殆ど皆勤状態で、断ることなど滅多になかった。旅行のお知らせがきたので申し込んだら、「お宅はもう入っているから・・」と言われたことも。温泉に入って美味しいものを食べて、カラオケを熱唱してお土産を買って、旅行と聞けば何はさておいても参加!というのが美佳の主義だった。

 ところが、昨年はじめて”作業所の一泊旅行に行かない“と言いだした。いろいろ訊いてみたが理由がよく分からない。しかし、嫌なものを強制しても仕方ないのでOKした。今年はどうするのかな?と思っていたら、”行きます”と言って自分で”参加”の申し込みをした。ところが直前になって”行きません”という。何でやねん!
 
今年、余暇活動の一泊旅行は全て参加しているし、作業所の日帰り旅行も参加している。作業所の一泊旅行だけ何故行かないの?問い質した結果、最もそれらしい答は「いろいろ煩い人がいて眠れないから」というもの。確かにお喋りな女の子が多いが、ホントかね??何かがトラウマになっているのかも知れないが、釈然としないまま不参加となった。


捨てられない病

2007-10-14 20:49:53 | 日記

 帰ってきて珍しく弁当箱を自分で洗いながら、美佳「お母さん、このお弁当箱古くなったねえ」。見れば、昼食の野菜と果物を入れるオカズ入れの蓋に描かれた絵が殆ど消えかかっている。父「ホントだ。ここには何が描いてあったんだっけ?」。美佳「ミッキーマウス!」。コカコーラの販促品でもらったプラスチック製の安物だが、気に入ったらしく随分長いこと使わせてもらっている。父「大分痛んできたから、そろそろ替え時だね。美佳が好きなものを買ってきたら」。美佳「はい!」と元気よく返事はしたものの、それっきり。

 気に入ったものは壊れない限り捨てられない。先日も愛用の赤いジーパンを、擦り切れて大きな穴が開くまで穿いてやっと廃棄したばかり。他方、一回着ただけで見向きもしない衣類がタンスの肥やしになっている。着ないけど捨てるのもイヤ。衣替えの度に押し問答になるが、美佳の「使います」宣言は不変で、当面打つ手なし。