「自閉っ子」こんな風に生きてます

元気溌剌!「自閉症おねえさん」の生活記録

美佳のメール

2015-10-30 14:35:51 | 日記

 母の誕生日。昼食時に美佳は得意のほうとう鍋作り。そして午後になって母へのメール。 「こんにちは 今日はほうとうなべと赤飯を作りました。美味しかったですね。母の誕生日おめでとうございます。NHKの朝の連続テレビ小説あさが来たが始まります。M校の水泳(教室)は欠席しました」。
 母にとって、この中で新たな情報は「誕生日おめでとう‥」だけ。それ以外はすべて既知の情報。「あさが来た‥」に至っては同じ文章を5回以上受け取っている。
 メール(会話)する意味合い::相手の知らないことを伝える<->情報交換::をどう教えるのか? 父の心は???の境地。

 その翌週、SD会のミニ運動会から帰ってきてからのメール。「こんばんは 今日はSD会の秋の運動会で一生懸命競技を鍛えました。大玉送りと玉入れとパン喰い競走と障害物競走とリレーをやりました。お疲れさまでした」。
 「競技を鍛えました」という表現は??だが、報告メールとしては何とか意味が通じている。が、父としては直接面と向かって言って欲しいのだけど‥。


運動会を休む?

2015-10-27 10:05:23 | 日記

 冷蔵庫のドアに貼られたお知らせを見ながら、母「明日(土曜日)は開所日だけど、作業所はお休みね。SD会でミニ運動会をやるそうだから…」。推測通り、翌朝美佳を起こしに行った母が戻ってきて、「やっぱり休むって。作業所へは昨日断ってきたと言ってたけど‥」。
 念のため作業所に連絡を入れると、「昨日美佳さんから聞いています」と言われた母。「美佳を信じて連絡しないと、作業所から“今日はどうしましたか?”と問い合わせがくるし、念のためと思って連絡すると“もう聞いています”だし‥、どうすりゃいいのよ」とブチ切れ気味。

 しばらくして食事に現れた美佳も、支度が遅れ母に小言を言われて機嫌が悪い。食事をしながら、「風邪をひいたのでSD会を休みます。xx耳鼻科に行きます」とブツブツ。
 「運動会好きのお前が休む訳ないじゃない。何で“気分が悪い=風邪をひく”になるの?」とイラッとした父、「じゃあ休めよ」とけしかけたが美佳はノーコメント。食事を終わるとさっさと出かけて行った。全く自己チューなんだから‥。


会話のすれ違い

2015-10-24 09:59:13 | 日記

 「今日(土曜日)はいつもだとSD会だけど、(月初めにもらった)お知らせには何も書いてないから、きっと作業所へ行くわね」と勝手に解釈して、いつも通り朝食の準備をした母。
 が、美佳が一向に起きてくる気配がないので父が訊きに行くと、美佳「今日は休みます」->父「昨日休むって言ってきた?」->美佳「言いました」。
 で、そのまま放っておいたら9時半ごろ作業所から電話。「休むと言って、まだ寝てます。…。えっ?そちらには何も言ってなかったんですか?申し訳ありません」と母は平謝り。「また適当なことを言って」と父もイラッ!

 昼になって母が食事の支度をしていると美佳がやってきて、「私も食べます」->母「どこか行くところがあるの?」->美佳「SD会へ行きます」->母「お知らせには書いてないわよ」->美佳「SD会、やります」で譲らない。
 「そこまで言うなら‥」と急いで食べさせて送り出した母だが、夜になってよく訊いてみると、前回のSD会の日にお知らせの訂正があったという。美佳「ボラさんが書き忘れました」と言っていたので、多分そうなのだろう。だったら、「早く言ってよ~!」ということなのだが・・。


ハンドルが壊れた

2015-10-21 10:34:23 | 日記

 父が車で帰ってくると、バス通りの自転車屋さんの店先で美佳の姿を発見。が、交通量が多く車を止めるわけにもいかず、「何をしているのだろう?」と不審に思いつつ帰宅。
 「自転車屋さんのところに美佳がいたよ」と告げると、母「美佳はNS会に行ったのだけど、無断で私の自転車に乗って行ってしまったの。お蔭で買い物は大変だったのよ」とブツブツ。

 しばらくして美佳が帰宅したので、父「自転車屋さんで何をしていたの?」と訊くと、美佳「ハンドルが壊れた」。父「ハンドルが?」->美佳「ハンドルの‥あれ‥」で意味不明なので、父「とにかく教えて‥」と自転車置き場へ行くと、美佳「ここ」と指さしたのは後輪ブレーキのワイヤー。
 金具が新しくなっていたので、「成程、これが緩んでブレーキが利かなくなったのか」と父も納得。父「いつ気がついたの?」->美佳「公民館へ行くとき」。それで帰りに自転車屋さんで直してもらったのだという。
 父「幾らかかったの?」->美佳「800」。手書きの領収書も貰っていて、そういうところは手抜かりがない。が、「今はいいけど、あのお店も後継ぎがいないようだし‥」と母の心配の種は変わらず‥。


美佳との会話2/2

2015-10-18 14:56:25 | 日記

 3連休の最終日、美佳は朝から部屋でガサゴソ。そして9時過ぎに降りてくるなり、「夏物と冬物を入れ替えました->「そうか衣替えしたんだ。ご苦労さん」と父。とは言っても完全に終わった訳ではなく、朝食後も部屋に籠って作業を続行。

 昼になって、母はコンビニでおにぎり弁当を二人分買ってきたが、冷蔵庫に肉まんを見つけた父、「俺はこっちにする。弁当は美佳にあげよう」。で、美佳のところへ行って「おにぎり弁当、よかったら食べて‥」と訊いたが、美佳はノーコメント。それを母に言うと、母「さっき訊いたら素麺を作るって言ってたけど‥」。
 そこへ美佳が降りてきたので、父「お弁当、どうするの?」と訊くと、美佳「素麺を作ります。おにぎり弁当はいらない」とつれない返事。そのまま、薬味に使う大根と生姜を出して準備を始めた。
 そこまでハッキリ言われたら仕方がない。で、父「これは俺が夜に食べるよ」と前言を撤回すると、しばらく考えた美佳が「私が夜食べる」と妥協案。「君もなかなか大人になったじゃない」と父はニヤリ。


美佳との会話1/2

2015-10-15 09:47:11 | 日記

 美佳の遅い夕食がやっと終わったので、イラついた母が「後片付けは私がやるから‥」と早く風呂に入るよう促すと、美佳「昨日は私が片付けました」と口答え。これには、「どこまで負けず嫌いなのかしら‥」と母も唖然。

 別の日、自分たちの分だけ後片付けを済ませた母はさっさと風呂へ。しばらくして、やっと食べ終わった美佳を横目に、父が「美佳が片付けなければ、俺がやるしかないか?それとも美佳にやらせるか?」と考えていると、美佳「私が片付けます」。「成程、空気は読めなくても状況は読めるんだ」と父はニヤリ。

 テレビを観ていると美佳がやってきて、「11円、誰のですか?」。事情がよく呑み込めないので、父「どうしたの?」と訊くと、美佳「洗濯機で見つけた」。が、父も母も心当たりがないので、父「美佳が拾ったんだから、貰っておいたら‥」と勧めたが、何故か迷っている様子ではっきりしない。で、父「要らないの?」と訊くと、やっと「要る」で一件落着。最近、少しずつこういう短い会話が成立するようになった。


忘れ物

2015-10-12 14:10:33 | 日記

 美佳が出かけたあと、玄関にビニルの買い物袋が放り出してあった。
 片付けようとした母だが、中身は昼食のおかず入れとインスタント味噌汁。美佳がお茶の空ボトルと間違えて置いて行ったらしい。「自業自得だから‥」と放置しようとしたが、作業所でパニくられても困るので、結局父が届けることに。
 
 美佳は作業中なので、指導員さんに渡してくれるよう依頼すると、「矢張りそうでしたか。どうも朝から様子がおかしかった」とのこと。

 昼過ぎ母と昼食を摂っていると、美佳から電話。母が出て、「…あら、そう?良かったわね」で父に代われと言う。代わって出ると、「美佳です。お父さん、ありがとう。お弁当を持ってきてくれて‥」。
 が、今までこんな風に電話でお礼を言われたことなど一度もない。父が単純に喜んでいると、母「きっと指導員さんに“電話しなさい”って言われたのね」。
 確かにそうかも知れない。だが、こういう機会をとらえて“どう行動すべきか”を教えて下さった指導員さんには、ただ感謝!


余暇こそ生きがい?

2015-10-09 09:45:12 | 日記

 母「土日はどうするの?」->美佳「土曜日は(午前中)作業所と(午後)SD会。日曜日は水泳教室->母「2日間とも出ていたら、また来週作業所を休むことになるわよ」と猛反対。
 結局、美佳「土曜日は作業所を休みます」で決着したが、当日になると、「午前もSD会へ行きます」。SD会の午前はスポーツ、午後はお菓子作りだとか。結局1時間強朝寝の時間が伸びただけで、休養とは程遠い結果に。

 ところが、午後1時半過ぎに美佳から「頭が痛いので迎えにきて欲しい」と電話。しかし最近、何かあるとすぐに家に電話してSOSを乱発する美佳に批判的な母は「自転車で帰っていらっしゃい」と一蹴。
 が、待てど暮らせど美佳は帰ってこない。そして3時前にメールがきた。「こんにちは 今日は体を鍛えて運動を一生懸命やります スポーツ大会のバレーボールを一生懸命勝ちました」。折り返し母からの返信。「頭痛は治りましたか?頑張って下さい」。
結局、帰ってきたのは夕食直前。あのSOSは一体何だったのだろうか?

 そして寝る前になって、再び美佳からメール。「ありがとうございました 小さい女の子の赤ちゃんに会いました 頭痛はすっかり治りました」。「“すっかり治りました“なんて洒落た表現を知っているじゃないか」と父は苦笑い。


始まりと終わり

2015-10-07 11:24:27 | 日記

 美佳は毎朝NHKの朝ドラを見ているが、その内容がメールになることは殆どない。しかし、ドラマの切り替え時期になると必ずメールで知らせてくる。
 今回も、朝ドラの最終日に母へのメール。「まれの最終回】 こんにちは 今日でNHKの朝の連続テレビ放送まれの最終回ですね。まれと圭太とあゆみと匠の結婚式でした。まれも無事終わりました。お疲れさまでした」。
 母から「そうだね、終わりましたね!良かったね!来週からは何かな?また面白いといいね。お買い物よろしくお願いします」と返すと、「ありがとうございました 来週からNHKの朝の連続テレビ小説あさが来たが始まります」。
 そしてその翌日の夜になって、「【あさが来たが始まります】こんばんは 明日からNHKの朝の連続テレビ小説あさが来たが始まります。今日は秋の十五夜、お月様が見えました。今週の土曜日はM四中の水泳をやります」。
 カレンダーに関連した事象“何かの始まりと終わり”が美佳にとってどれほどの関心事なのか、自閉の世界は難しい!


墓参り

2015-10-03 10:17:03 | 日記

 歳をとると親戚でも直接顔を合わせる機会が減ってくるが、美佳のお蔭で母方の墓参りの会も続いているような…。当日は母の親戚4家族、10名ほどが集まって墓参りのあと、ニュートーキョーが満席だったので別の中華料理店に入ったという。
 母によれば、テーブルを囲んでのコース料理だったが、大皿で出てきて各自取り分けるものと、初めから各自に分けられて配膳されるものが混在していて、初めての美佳はちょっと混乱したようだ。
 美佳も「ニュートーキョーは満員でした」と言っていたから、好きな料理を各自注文するスタイルに慣れている美佳はちょっとビックリしたのかも。が、これも一つの貴重な経験。

 その夜のメール。「こんにちは 今日は秋のお彼岸のお墓参りに行きました。一生懸命拝みました。水とお茶をあげました。お疲れさまでした」。母「お疲れ様。みんなと会えて良かったね!お祖母ちゃんも喜んでいるでしょう!お茶美味しかったって言ってるよ!雲の上から」と返信したが、美佳からはノーレスポンス。