「自閉っ子」こんな風に生きてます

元気溌剌!「自閉症おねえさん」の生活記録

言ってはみたものの・・

2011-06-30 11:50:46 | 日記

 父が病気治療のため、10日ほど入院することになった。その予定を聞いた美佳「xx日(土曜日)はお父さんのお見舞いに行きます」と宣言。その日は余暇活動の予定があるが、その合間に来てくれるのかと父も了承。
 ところが入院前日になって、美佳「NS会の吉野さん(世話人さん)に電話をする?」と聞きにきた。よく訊いてみると、父の見舞いとかち合うので、NS会を休まなければいけないのか?という意味らしい。
 父「美佳はNS会に行きたいの?」->美佳「行きたい」->父「じゃあ、NS会に行ったら・・。それで、時間があったら見舞いに来て」->美佳「はい」で決着。

 背景を推察するに、母も姉も見舞いに行くというので、行きがかり上「私も・・」と言ってはみたものの、NS会は休みたくない。その心の葛藤が「吉野さんに電話を・・」というセリフになったのかも。
 その場しのぎで調子のいいことを言うとこういう破目に陥る、と反省してくれればいいのだが・・。当日は、勿論美佳は来なかった。どう考えても、病院へ父の顔を見にくるより仲間と遊んでいるほうが楽しいものね。


作業所の美佳

2011-06-28 14:09:55 | 日記

 年に一度の父兄面談で、母が作業所に行ってきた。指導員さんの話によれば、毎日の作業では正確さ・スピードともトップクラスとのこと。手先が器用で、運動神経も(相対的には)発達していることが役に立っているらしい。
 また、余暇活動の多さは群を抜いているとのこと。重度の子は親が意識して連れて行くが、中軽度の場合は本人任せになり勝ち。結果として、地域のサークルに参加する子は殆どいない。美佳は毎月の定例会だけで6つ。他にも、盆踊り、旅行etcの行事には欠かさず顔を出しており、これほど活動量が多い子は珍しいとか・・。

 更に、ときどき昼休みに眠っていることがあるという。夜遅くまで起きていて睡眠不足で不機嫌な美佳には手を焼かされるが、そんなところで補っていたのかと父はニヤリ。
 最近、S君が作業所で美佳に盛んにちょっかいを出すらしい。しかし、美佳はご機嫌斜め!自分の席から身を乗り出して顔を覗くS君に、「顔を見ないで下さい」と言い放ったとか・・。O君と違ってまとわりつくS君は苦手なようだ。


時間は有効に・・

2011-06-26 11:39:09 | 日記

 そろそろ美容院へ行く時期。で、予約する母が「いつ行くの?」->美佳「今度の土曜日」->母「時間はどうする?」->美佳「11時」というやり取りがあってスケジュール確定。
 さて、当日は9時過ぎに降りてきた美佳だが、相変らずノンビリゆっくりのマイペース。前回は遅刻した前科もあるので、父「車で送ってやろうか?」と提案したが、美佳「・・・」。父「どうするの?」と念を押すと、美佳「一人で行く」とキッパリ。

 時計を見るとまだ時間があるし、「じゃあ、勝手にしたら」と父が新聞を読んでいると、美佳「午後からSD会に行きます」。父「ふぅ~ん、今日は忙しいんだ」とトンチンカンな答をしたら、美佳「昼食代を下さい」。だったら最初からそう言えばいいのに・・・。
 以下は、母による美佳の思考回路?の解説。曰く、朝ゆっくり寝て、美容院で髪をセットしてもらい、帰りに駅前のファミレスでxx定食を食べ、そのまま1時半からのSD会に参加と無駄のないスケジュール。そのためにも、11時の美容院予約がベストだった!こういうところだけ妙に緻密なんだから・・・。


祖母への手紙

2011-06-22 16:35:28 | 日記

 美佳が可愛い絵葉書を貰ってきた。「お~!いいじゃない。折角だから誰かにお手紙書いたら・・」とけしかけた父だったが、それはその場限りの無責任発言。

 ところが、翌日外出先から帰ってくると、母「今日はねぇ、美佳が面白かったのよ」という。何でも、美佳は誰に手紙を書くか迷っていたようだが、母「真紀(母の姉)にしたら」という説得に耳を貸さず、「お祖母ちゃんの住所はどこ?」としつこく訊いてきたという。
 そんなことを言われても祖母はとっくに彼岸の人。現世に住所があるはずがない。で、母は苦し紛れに「日暮里・・谷中かなあ・・」と言うと、美佳が大変困った顔をしたという。それはそうでしょう。美佳も何回か墓地に行っているし、そこに誰も住んでいないことくらいは分かっている。
 それで、やっと納得して、伯母宛にハガキを書き始めたのだとか・・。帰宅した美佳に、祖母ではなく伯母にハガキを出した理由を訊くと、「天国に行って、いないから・・」。天国へは手紙を届けられないことが得心できたのでしょうか?


新しい傘

2011-06-13 09:27:29 | 日記

 夕刊を取りに出ようとした父が玄関で美佳と鉢合わせ。生憎の雨模様で美佳は小さな折り畳み傘をさして帰ってきたのだが、玄関に広げて干すか、畳んで隅に置くか迷っているように見えた。広げて干せば玄関の土間の半分ほどを占めてしまうので・・・。
 で、父「美佳、貸してごらん」と受け取って、土間に広げたまではよかったが、邪魔にならないように隅に置こうとして、狭い玄関で美佳と交錯し、よろけた美佳の足が傘の骨をグシャリ!
 美佳を上にあげてから直してもよかったのに!これは完全に父のミステーク。で、父「ごめん。新しいの買ってきて」->美佳「はい」で交渉成立。

 翌日、外出先から父が戻ると、程なく美佳も帰ってきた。父の顔を見るなり、美佳「新しい傘、買ってきた」。父「それで、幾らしたの?」と訊くと、美佳「799円。およそ800円」。「なるほど・・ねぇ。”およそ”なんて言葉も使えるようになったか」と父は苦笑い。
 傘はピンクの花柄でいかにも若い女性が好みそうなデザイン。少しずつオシャレ感覚が身についてきたような???


父の日

2011-06-12 10:44:59 | 日記

 今年も6月に入ると、美佳「お父さん、父の日のプレゼントどうする?」と訊かれた。父「今年も手紙でいいと思うけど・・」と答えたが、美佳は「・・・」。仕方ないのでパジャマを提案すると、美佳「いいよ」と快諾。母から代金を受け取り、美佳「行ってきま~す!」と元気よく出かけた。
 
父も飲み会で出かけ、帰ってきたのは10時半過ぎ。着替えて居間へ降りていったら、美佳が追いかけてきて「お父さん、これ!父の日のプレゼント」。デザインもまずまずで、父「君もなかなかセンスが好いねえ」と褒めたが、美佳は手渡したらあとは興味がない。スッと逃げ帰ってしまった。

 ところが翌朝、美佳「お母さん、スイカ代1000円」と請求。パジャマは、いつも行く3駅離れた衣料スーパーで買った。その電車賃も必要経費として払えということ。
 母「往復320円でしょう」と抵抗したが、スイカの入金は1000円単位。押し問答の挙句、1000円をゲット。入金してしまえば、あとは買い物に使おうがどうしようが美佳の勝手。交通費をスイカ代で請求する美佳の手口に母は完敗!


給料日

2011-06-10 18:45:59 | 日記

 朝食後、新聞を読んでいて気がつくと八時半。美佳が出かける時間をとっくに過ぎている。慌てて玄関へ行って見ると、そこはもぬけの殻。いつもなら、身支度しながら「行ってきます」と言い、母が見送るのが常なのだが・・。
 父「珍しいこともあるね」と言ったら、母「今日は給料日だから・・。さっきは朝ご飯の仕度をしながら鼻歌交じりで、ルンルン気分だったわよ」。「そうか。今日は待ちに待った給料日か」と父もニヤリ。

 先月は風邪と花粉症で欠勤が多く、工賃もガタ減り。お陰でこの一ヶ月、美佳は窮乏生活を強いられた。最後の日など買ったのはお茶だけ。母の買い物代行を事前申告して前金で払ってもらい、おつりを着服(?)して小遣いにあてるetcやりくりを重ねて、やっと辿りついた給料日。
 今月は遅刻はあっても欠勤はなし。で、期するのもがあったのでしょうか?帰宅した美佳に、父「どうだった?」と訊いたら、美佳「XXXX円(目標額)を越えた」とただ一言。
 先月は余程応えたのでしょうね。これで懲りてくれるといいのだけど・・。


プレゼントとは?

2011-06-08 10:22:10 | 日記

 美佳の誕生日の2日後。父が美佳の部屋で、赤い包装紙にリボンがかかった包が開けられているのを発見。中身はピンクのパジャマ。
 包装紙から察するに、近くのスーパーIで買って、わざわざサービスカウンターでプレゼント用に包装してもらったらしい。父「どうしたのよ?」と訊いても、美佳は迷惑そうな顔で「・・・」。

 誕生日プレゼントは、母が水着を買って手持ちの紙袋に入れ、メッセージまでつけて渡してある。そのときは手にとって、美佳「気に入った」と言っていたが、イマイチ満たされないものがあったのだろう。
 「お店の包装紙で包んでリボンをかけてないと、プレゼントという気がしないのかしら?」とは、珍しくメッセージまでつけた心遣いを無視(?)された母の嘆き節。
 美佳としては何となくプレゼントをもらった実感がわかない。で、自分用に改めてプレゼントを買ったものの、母に対しては後ろめたい気持がある。「わざわざ波風を立てるようなこと言わないでよ」というのが、美佳の偽らざる心境かも・・?


40歳の誕生日

2011-06-06 11:39:54 | 日記

 美佳も芽出度く(?)40歳。誕生日プレゼントは母と美佳が相談して水着に決定。で、母がお店で新型モデルの水着を買い求めてきたが、それを聞いた途端、美佳は「真紀(伯母)に電話します・・・」とミニパニック。どうやら、自分で買う積りだったらしい。
 やがて気を取り直した美佳は、「ケーキを予約します」と言って外出。近所のケーキ屋さんかと思っていたら、行き先は隣町の不二家。”よくやるよ”というか、そのバイタリティには感心するばかり。

 誕生日の当日、美佳は帰りに隣町まで行き、大切そうにケーキの箱を抱えて帰ってきた。中身は “みかさん おたんじょうびおめでとう”のプレートが乗ったイチゴのデコレーションケーキ。
 そこに年齢どおり、太い4本のローソクを立てて準備完了。食事の用意が整ったところでローソクに火を点し、母と3人で”ハッピーバースデー”を歌って無事儀式を終了。
 こうした行事は生活のアクセントにもなるし楽しみでもあるのだが、あと何年これが続けられるのか?ケーキを頬張りながら父の心は複雑。


耳鼻科通い

2011-06-04 10:29:57 | 日記

 例年になく早い梅雨入り。寒暖の差が激しく冷えた日が続くと、誰しも体調を崩し勝ち。衣更えを待ちきれずに半袖に変えてしまった美佳は、「もう一枚上に着たら?」という母の助言を無視して「寒くない」。
 寝る時も頑なに夏蒲団で頑張る。当然、体が冷えて熟睡できないので身体はだるいし、鼻はグシュグシュ、喉も痛いと訴える。父「だから毛布を一枚増やして・・」と示唆しても全く無視。代わりにクーラーをつけっ放しで寝るから、鼻と喉の症状が悪化する悪循環。

 とうとう朝食を摂りながら、「xx耳鼻科に行きます」と言い出した。「まあ、昼間身体を動かしたら治るんじゃないの?」と宥めて送り出したが、作業所が終るとまっすぐ帰宅して、美佳「xx耳鼻科に行く。耳鼻科代・・」。わざわざ病状を悪化させるような真似をして・・と父は憤懣やる方なし。
 自閉症児の場合、気温の変化に対して体温の調節が難しい・・という話は聞いているが、美佳もそうなのか?あるいは、初夏=半袖という拘りが災いしているのか?耳鼻科の先生は自閉症に理解があるので助かっているが。