ただの映画好き日記

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護られなかった者たちへ / 中山七里

2022-05-06 | 本 男性作家
護られなかった者たちへ / 中山七里

宝島文庫(2021.7)


誰もが口を揃えて「人格者」だと言う、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、身体を拘束された餓死死体で発見された。怨恨が理由とは考えにくく、物盗りによる犯行の可能性も低く、捜査は暗礁に乗り上げる。しかし事件の数日前に、一人の模範囚が出所しており、男は過去に起きたある出来事の関係者を追っているらしい。そして第二の被害者が発見され…。社会福祉と人々の正義が交差したときに、あなたの脳裏に浮かぶ人物は誰か。




犯人と思われる人物が早々に判明し、事件の動機も呆気なく明らかになり、それでも先が気になって一気に読んでしまいました。
途中で犯人は思っていたのと違うと気付きますが、その時点でも、犯人に気持ちが寄ってしまいます。

とは言っても、犯人と思っていた人物や真犯人よりも、頭の中は、生活保護を受けられず餓死してしまった女性と、不正受給している奴らでいっぱいでした。
最も憎むべき、最も正されるべきは、殺された福祉保健事務所の職員たちよりも、不正受給だと思います。

不正受給があるからこそ、予算を削られ、本当に必要な人に届かない現実を本当にどうにかしてほしいです。
やっぱり、現金支給が違うような気がします。
そしてせめて、水道を止める前に様子を確認しに行って欲しいです。
餓死なんてあり得ない…。
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