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最近はフィギュアスケートと歌舞伎鑑賞記録が主流でござります

マリと子犬の物語

2007年12月21日 | 映画・TV
3年前の新潟中越地震の際に起きた実話を元に作られた作品ですが、子供+犬+震災という泣かす気マンマンの設定で、一見、イヤらしく思えるかもしれませんが、観てみると不思議とそんな気が起きないとても暖かい作品です。すでに予告だけでも泣ける映画でしたが、案の定、本編もたっぷり泣ける作品でした。でもこれはハッピーエンドなんで、犬好きも安心して観られる映画です。というか犬が可愛すぎて犬好きにはたまらん映画でもありますね。健気な姿に泣け、可愛さに癒されます。特に3匹の子犬達が可愛いんです。画面の端っこで3匹でひっついて固まってたりするだけでもう本当に可愛いんですよ。子犬ってまだ訓練できないから、なかなか思い通りに動いてくれなくて撮影は本当に大変だったと、この映画のドッグトレーナーさんが語ってましたが、映画観てるとちゃんと意図通りに動いてるように見えました。流石ですね。
そして親犬のマリは本当に素晴らしい! ちゃんと表情も演技してます。よく動物映画ではナレーションなんかで犬の気持ちを語ったりするのもありますが、この映画では一切無いので、犬だけの場面では犬の表情で全てを語らなければならないのですが、下手にナレーションで片づけてしまわなくて良かったなと思えるほど、この犬の演技は凄く良かったです。
あと、子役の二人も素晴らしかったですね。妹のアヤを演じてる子は、以前実写化された「火垂るの墓」で節子を演じていて、凄い天才児がいるなあと思っていたんですが、この映画でも凄いなと思わされる場面が多々ありました。お兄ちゃん役の子も凄く良いんですよ。この二人の兄妹愛にもしっかりと泣かされます。

動物を飼っていれば、震災が起きた時、その動物達をどうするかというのは本当に一番の悩みどころですよね。もちろん、自分も動物も助かった場合の話ですが、うちも10月に亡くなった犬は大型犬だったので、この子を連れて体育館や公民館のような屋根のある避難所には入れないんだろうな…と思っていました。その場合はどこかに野宿するしか無いのか~なんて漠然と思っていたけれど、この山古志村のように道が寸断され、全村避難を余儀なくされ、動物は置いてきぼりにしなくてはならないなんて、本当に辛すぎていくら緊急の事態とはいえ、自分にはできるだろうか…と考えてしまいました。昔、雲仙普賢岳が噴火した時、あの時も置き去りにされた犬や猫達の姿がとても辛くて見ていられなかったことを覚えています。自然災害は本当にもう人間も無力にならざるを得ませんが、そんな中、自力で生き残った犬達がいるという話は本当に勇気づけられるというか、生きる力の凄さを感じられますね。
見終わった後、エンディングで実際のマリの写真が流れるとこも感動します。実際のマリも目がクリクリしててとても可愛い。
マリのような話は震災の中では本当に奇跡的な出来事でとても美談ですが、その影で命を落としてしまった動物達もたくさん居たんだろうと思います。そして実際のマリと飼い主の五十嵐さんも、マリが発見された後も離れて暮らしていて、3年経ってようやく一緒に暮らせる目処がついたというほど、本当に過酷な状況が今もまだ続いているんだということを忘れてはなりませんね。そして日本という地震大国に住んでいる限り、明日は我が身なんだなということも改めて痛感。ただ、動物と人間の関係は、人間が動物を守ってやってるのではなく、時に動物が人間を助けてくれる存在だということも、とても実感させてもらいました。持ちつ持たれつですよ。

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