お久しぶりのブログです。最後に書いたのが風林火山千秋楽だから、約半年ぶりですか(苦笑)
久々に筆をとり…じゃなくキーボードを叩いてみたのは、昨日観てきた平成中村座の仮名手本忠臣蔵Dプログラムが素晴らしかったからでございます。
現在浅草特設劇場で上演中の忠臣蔵は、4つのプログラムで構成されていまして、その中の若手メインのDプログラムを観てきたのですが、初めて訪れた平成中村座の江戸時代にタイムスリップしたかのような芝居小屋の雰囲気の良さ、そして坐った席が前から2列目という、手を伸ばせば届きそうなぐらいの距離で勘太郎君と七之助君の熱い濃い勢いのある芝居を観れたせいもあるのかもしれませんが、本当に本当に素晴らしかった!
Dプロで上演されたのは5段目から7段目という、いわゆる忠臣蔵からは少し離れた世界観にある勘平とおかる夫婦の物語なのですが、本当にこの二人+家族の悲劇というのは、現代人が観てもとてもわかりやすく、入り込みやすい物語なんですね。勘太郎演じる勘平は、主君の塩治判官(浅野内匠頭)がかの松の廊下で高師直(吉良上野介)に斬りかかってる時、恋人のおかると逢瀬を楽しんでいたことから、勘平は責任を感じ死のうとするのを、おかるが止めて自分の実家へと勘平を連れて逃げる。そしてこの5段目から、元は武士でありながら今は田舎で猟師となった勘平と、その妻になったおかるが描かれています。勘平とおかるは仲むつまじい夫婦なのですが、おかるは自分が勘平を連れてきてしまったことに責任を感じ、勘平を元の武士に戻そうと自分の身を売り、遊廓へ連れていかれるところへ、猟に出かけていた勘平がただならぬ様子で帰ってきます。なんと勘平は猪と間違って銃で人を殺めてしまい、そしてその死人の懐から大金の入った財布を持ちだしてきてしまっていたのです。なぜなら勘平自身もその金で武士に戻り、亡き主君の仇討ちに加わりたいと思っていたから。しかし、その金こそがおかるの身売りの前金であり、殺めたのはおかるの父だったということが後にわかり、勘平を苦しめることに。実は勘平が殺したのは義父を殺めた盗人であり、勘平は義父が持って帰るはずだった大金を取り戻したということだったんですが、その勘違いに気付いた時すでに遅し、勘平は切腹してしまいます。
夫婦の別れ、夫を殺された義母の悲しみ、自分の罪の苦しみから狂乱しかけていく勘平と、とにかく何度も泣きそうになる場面の連続だったのですが、なんとか涙をこらえて迎えた切腹の場面。2列目で観ていたせいか、ほんの僅かな囁き台詞すらよく聞こえ、死の間際に勘平が「かる…かる…」と呼び続けていたところでついに涙腺決壊。すぐ休憩時間となり、今回4時間も上演時間があるにもかかわらず、一度しか休憩タイムがないので、泣きながらもトイレに並ばなきゃいけない現実に戻りながらも、イイもん観たという満足感でいっぱいでした。若さゆえにその時の勢いで悲劇を生んだことがリアルに伝わってきて、本当にこんな等身大な勘平を初めて観ました。
そして、7段目では、遊廓のおかると、敵討ちを目論んでいることを悟られぬように遊びふけっている大星由良之助(大石内蔵助)、そして47人目の志士となるおかるの兄平右衛門の話になります。
5~6段目で息も詰まるような苦悩と悲しみの芝居に終始していた勘太郎君は7段目では一転、平右衛門として登場。真面目な勘平とは違い、豪快で軽い平右衛門への変わり身の早さが凄かった。正直、勘平と平右衛門を続けてやるのって観てるほうも、演じるほうも辛いんじゃないかと思ってましたが、勘太郎君が辛かったかどうかはいざ知らず、観てるほうとしては、さっきまでおかるの夫だった人が今度は兄になり、なんか混乱するかと思いきや、勘太郎君の演じ分けが素晴らしく、またリアル兄弟である二人が兄妹を演じてるおかげで、もう違和感なく兄妹のやりとりが観られるんですよね。この息の合い方、仲の良さぶりがストレートに伝わってきて、7段目は楽しかったです。また七之助おかるが色気もあり、兄の前では可愛くもあり、とても眼福でした。そして最後に平右衛門が47人目の志士として認められるところでは、同じ役者がやってるせいか勘平と平右衛門の一体感を感じてしまって、討ち入りに参加できる平右衛門の喜びと同時に勘平も報われたような気がして、感動してしまいました。勘平と平右衛門を続けてやるとこんな効果もあるのですね。
今回のDプロは若手枠ですが、ただただ若手が一生懸命役をこなしているから素晴らしいというだけではなく、若いからこその、熟練された芝居とはまた違うリアルな感情が伝わって、本当にストレートに感動できる舞台でした。
今月はあとAと千秋楽のBプロを観に行くんですけど、Dももう1回観たい! しかし懐事情が厳しいなぁ…(苦笑)
この先、勘太郎&七之助で勘平とおかる、そして平右衛門の物語は何十回、何百回と演じられていくだろうし、今よりさらに良くなっていく課程を私も観続けていくんだろうけど、この平成中村座で観た感動は絶対忘れないと思います。
久々に筆をとり…じゃなくキーボードを叩いてみたのは、昨日観てきた平成中村座の仮名手本忠臣蔵Dプログラムが素晴らしかったからでございます。
現在浅草特設劇場で上演中の忠臣蔵は、4つのプログラムで構成されていまして、その中の若手メインのDプログラムを観てきたのですが、初めて訪れた平成中村座の江戸時代にタイムスリップしたかのような芝居小屋の雰囲気の良さ、そして坐った席が前から2列目という、手を伸ばせば届きそうなぐらいの距離で勘太郎君と七之助君の熱い濃い勢いのある芝居を観れたせいもあるのかもしれませんが、本当に本当に素晴らしかった!
Dプロで上演されたのは5段目から7段目という、いわゆる忠臣蔵からは少し離れた世界観にある勘平とおかる夫婦の物語なのですが、本当にこの二人+家族の悲劇というのは、現代人が観てもとてもわかりやすく、入り込みやすい物語なんですね。勘太郎演じる勘平は、主君の塩治判官(浅野内匠頭)がかの松の廊下で高師直(吉良上野介)に斬りかかってる時、恋人のおかると逢瀬を楽しんでいたことから、勘平は責任を感じ死のうとするのを、おかるが止めて自分の実家へと勘平を連れて逃げる。そしてこの5段目から、元は武士でありながら今は田舎で猟師となった勘平と、その妻になったおかるが描かれています。勘平とおかるは仲むつまじい夫婦なのですが、おかるは自分が勘平を連れてきてしまったことに責任を感じ、勘平を元の武士に戻そうと自分の身を売り、遊廓へ連れていかれるところへ、猟に出かけていた勘平がただならぬ様子で帰ってきます。なんと勘平は猪と間違って銃で人を殺めてしまい、そしてその死人の懐から大金の入った財布を持ちだしてきてしまっていたのです。なぜなら勘平自身もその金で武士に戻り、亡き主君の仇討ちに加わりたいと思っていたから。しかし、その金こそがおかるの身売りの前金であり、殺めたのはおかるの父だったということが後にわかり、勘平を苦しめることに。実は勘平が殺したのは義父を殺めた盗人であり、勘平は義父が持って帰るはずだった大金を取り戻したということだったんですが、その勘違いに気付いた時すでに遅し、勘平は切腹してしまいます。
夫婦の別れ、夫を殺された義母の悲しみ、自分の罪の苦しみから狂乱しかけていく勘平と、とにかく何度も泣きそうになる場面の連続だったのですが、なんとか涙をこらえて迎えた切腹の場面。2列目で観ていたせいか、ほんの僅かな囁き台詞すらよく聞こえ、死の間際に勘平が「かる…かる…」と呼び続けていたところでついに涙腺決壊。すぐ休憩時間となり、今回4時間も上演時間があるにもかかわらず、一度しか休憩タイムがないので、泣きながらもトイレに並ばなきゃいけない現実に戻りながらも、イイもん観たという満足感でいっぱいでした。若さゆえにその時の勢いで悲劇を生んだことがリアルに伝わってきて、本当にこんな等身大な勘平を初めて観ました。
そして、7段目では、遊廓のおかると、敵討ちを目論んでいることを悟られぬように遊びふけっている大星由良之助(大石内蔵助)、そして47人目の志士となるおかるの兄平右衛門の話になります。
5~6段目で息も詰まるような苦悩と悲しみの芝居に終始していた勘太郎君は7段目では一転、平右衛門として登場。真面目な勘平とは違い、豪快で軽い平右衛門への変わり身の早さが凄かった。正直、勘平と平右衛門を続けてやるのって観てるほうも、演じるほうも辛いんじゃないかと思ってましたが、勘太郎君が辛かったかどうかはいざ知らず、観てるほうとしては、さっきまでおかるの夫だった人が今度は兄になり、なんか混乱するかと思いきや、勘太郎君の演じ分けが素晴らしく、またリアル兄弟である二人が兄妹を演じてるおかげで、もう違和感なく兄妹のやりとりが観られるんですよね。この息の合い方、仲の良さぶりがストレートに伝わってきて、7段目は楽しかったです。また七之助おかるが色気もあり、兄の前では可愛くもあり、とても眼福でした。そして最後に平右衛門が47人目の志士として認められるところでは、同じ役者がやってるせいか勘平と平右衛門の一体感を感じてしまって、討ち入りに参加できる平右衛門の喜びと同時に勘平も報われたような気がして、感動してしまいました。勘平と平右衛門を続けてやるとこんな効果もあるのですね。
今回のDプロは若手枠ですが、ただただ若手が一生懸命役をこなしているから素晴らしいというだけではなく、若いからこその、熟練された芝居とはまた違うリアルな感情が伝わって、本当にストレートに感動できる舞台でした。
今月はあとAと千秋楽のBプロを観に行くんですけど、Dももう1回観たい! しかし懐事情が厳しいなぁ…(苦笑)
この先、勘太郎&七之助で勘平とおかる、そして平右衛門の物語は何十回、何百回と演じられていくだろうし、今よりさらに良くなっていく課程を私も観続けていくんだろうけど、この平成中村座で観た感動は絶対忘れないと思います。
平成中村座、やっぱりすばらしかったんですね!
私も無理してでもチケットをとるかどうか、かなり迷ったのですが、懐具合から泣く泣くあきらめたんですよね。ですけど・・・感想を読ませて戴いて、やっぱりなんとかして行くべきだったと、激しく後悔中です(涙)
他のプログラムのご感想も、お待ちしています。
お久しぶりのコメントありがとうございます!ずっとチェックして頂いてたんですね(^O^)
仮設とはいえ雰囲気たっぷりの小屋で観る忠臣蔵は本当に最高でした。忠臣蔵に予定外に奮発しまくってしまったので、来月の法界坊はまた次の機会に持ち越します(^_^;)