お風呂でややこしや

お風呂ギライな子どもになんとかシャンプーをさせてもらうには、「ヘアスタイル遊び」で釣るしかない。シャンプーしてる最中にいろいろに髪型を変えて遊ぶ、あれです。これはやってる大人もけっこう楽しめる。たとえばタイプ1、NHK教育の「日本語であそぼ」で狂言師の野村萬斎氏がやる「ややこしや～」。3歳児が1～2歳のころこれをやると、いつも鏡で見ている自分とちがうと思うのか「ちがうーーー」と泣きそうな顔をしていたのだけれど、最近は大丈夫。タイプ2、くわがたむし。バージョン違いでかぶとむしもできるけれど、どちらもすぐへたりがちで難しい。でも子はよろこぶ。タイプ3、バクチク。これはハハしかわからない。でも子はよろこぶ。

今朝、3歳児を着替えさせようと向かい合うと、彼がニコニコしながら私のアタマに手を伸ばして「ややこしやー」「くわがたー。がちんがちん」。いつも自分がやってもらっているのを、ハハにもやってあげようと思ったらしい。子育てという「なんだか損してばっかり」に思える仕事の、わずかな至福の一滴は、無意味で無益でバカらしいこんな時間の中にしかないんだよなあ。