Absolute ZERO

オールウェイズ低空飛行(墜落寸前)な精神状態で綴る雑多オタク(主に舞台。あとラノベとアニメと漫画とゲーム)な雑記ブログ。

「男たちの大和 YAMATO」

2005-12-24 16:37:42 | 映画
昨日に引き続き連チャンで何してんだって感じですがまたまた映画に行ってきました。
『男たちの大和 YAMATO』

大作です。
キャスティングも、ほんの幾つかの場面にしか出ない脇役に至るまで大物ばかり。
見てる最中はそんなところまで頭回していられませんでしたが、後からパンフレット見ながら豪華な顔ぶれに唸りました。
再現して組み上げた大型セットや交戦中のVFXの迫力、実際に大和に乗艦し生き残った方に指導を受けたという役者達の演技。どれも素晴らしく、「感動した」、この一言に尽きます。
エンディングロールで、映画に映らなかったシーンが幾つもありました。
撮ったけれど使わなかったシーンなのだろうかと思い、そういう映画に映らないしっかりとした背景がある事が、この映画により厚みと深みを与えているのかもしれないとも感じました。

この映画は、戦後60周年を迎えた現代から戦艦大和航行当時を回想する形で綴られますが、現代の場面を見ている最中、『ALWAYS 三丁目の夕日』のセリフであった「もはや戦後ではない」という言葉を思い出しました。
戦後13年目にして既に、「もはや戦後ではない」とも言われた。
それは驚異的な経済復興を表したものであったけれどもその意味とは異なって、戦後60年目の今でも、やはり戦後なのだと思わざるをえません。
「過去を忘れた人間の未来は暗いよ。なぜって同じ過ちを繰り返すからね。」とは井上ひさし『闇に咲く花』の台詞ですが、この映画でも同じような事を言っています。人は過去を切り捨てられないし、切り捨てようとしてもいけない。
戦争映画を撮り、そこで戦って散って行った人々、戦後を生き抜いた人々の想いを描き出そうとする事は、美化ではないと思います。
守りたいものがあって、あるいは“お国のために”死ねと命じられる状況で、彼らが自らが死ぬ事にどんな意義を見出そうとしたのか。生き残った方達がどんな思いで生きてきたのか。それは実際に生き残った方達しか語りえないものなのかもしれないけれど、少しでも知ろうと思う事は無駄ではないと思う。過去を過去として葬り去る事の方が、よほど悪い事のようにも思うのです。
映画の最後で、戦艦大和とそこにいた人々の話を聞いた15歳の少年、出兵して大和に乗艦していたのと同じ歳の少年が、漁船の舵を取りました。
それは未来の象徴であり、若者へのひとつのメッセージでしょうか。
私も、私の父母も戦争を知らず、それでも、「関係ない」と言うのは何か違う気がする。
長渕剛の『CLOSE YOUR EYES』の歌声が心深くに響き、見終えた人達それぞれの心に何かを残したと思う、いい映画でした。
いつか呉の大和ミュージアムに行きたいですね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。