今私は高齢の父を連れて県立がんセンターの待合室にいる。
抗がん剤治療をスタートしてついに副作用が現れ始め、手の皮がむけてドアノブも箸も持てないというから薬を少しストップしていた。
再開するかどうか、今日主治医の先生と相談しないといけない。
正直、私達姉妹も母も、ステージ4を宣告された父の余世はQOLを何より大事にしてあげたいと考えている。本人もそう言ってる。
しかし、先日の血液検査で、抗がん剤が奏功していて肝臓のガンが小さくなっていると聞くと…。。
昔私は抗がん剤を売るメーカーでOLをしていた。(お茶くみ的な)
主力商品だったから、MRは抗がん剤を売るために営業活動に励み、先生を接待して、営業成績優秀者御一行は本社のあるスイス旅行へご招待、という大盤振る舞いだった。バブルの終わりの時代。
抗がん剤が売れるということは、それを投与する患者さんが沢山いたということ。そしてその後ろには、家族達。
きっとMRの中には、あれから自分自身や家族が、あの抗がん剤のお世話になった人もいるんだろうな。
昔に比べたら、今の抗がん剤は、かなり副作用も少なくなっているらしい。
その影で、治験に賛同してくださった大勢の患者さん達がいたことを決して忘れてはいけないなあ、と思った。