昨夜9時頃、突然下腹部が熱っぽくなり、痛いような痺れるような妙な感じに襲われた。
いわゆる、“身が絞られる”ような感覚である。
膀胱のあたりが膨らんでいるように感じてトイレに立ってみたのだが、なんと尿が出ない。
あれえ、どうしたんだろう。
これはもしかして、膀胱結石とか尿道結石といった類の症状ではあるまいか。
やばいなあ。
かつて、知り合いが同じような症状を訴えたところ、医者に「ビールをどんどん飲んで洗い流せ」と言われたという話を思い出した。
しかし、ビールを買おうにも、すでに店は閉まっている時間だ。
仕方がないので、水をがぶがぶ飲んで様子を見ることにした。
その妙な感覚は1時間ほど続き、次第に薄れていった。
明け方には普通に尿が出て、痛みも痺れもなくなった。
いったい、何だったのだろう。
今度チェンマイに出たとき、ちゃんと検査をした方がいいかもしれないなあ。
ああ、嫌だ、嫌だ。
*
少しホッとしてコーヒーを飲んでいると、次男のイエッとラーが言い合いを始めた。
「どうしたんだ?」
「教科書が見つからないのは、この間家の大掃除をしたときに、あたしが勝手に片付けたからだって怒ってるんだよ」
「で、見つからないのか?」
「見つかったけど、それでもなんだかんだ文句を言ってるの。まったく、自分がだらしないくせに、毎日文句ばっかりで頭が痛いよ」
かつては私もその当事者だったのであるけれど、親の目からすれば、反抗期というのはどうにも始末が悪い。(おっ母さん、ごめんなさい!)
「イエッ、ちょっとここに来なさい」
仕方がないので、私が間に入る形でふたりを座らせた。
叱られるとでも思ったのか、イエッはすでにしゅんとしている。
「キミはメー(母ちゃん)に文句ばかり言ってるけど、どうしてなんだ?キミがこの間病気で入院したとき、メーは3日も病院に泊まり込んで世話をしてくれたじゃないか。転校のときだって、何回も一緒に学校に行ってくれたよな。それに、毎日ご飯も作ってくれる。そんなことしてくれるのは、メーだけなんだぞ。それなのに、なんでメーを哀しませるんだ?」
カレン語に通訳しながら、ラーが泣き出した。
イエッも、泣きそうだ。
まだまだ、可愛いのである。
「ポー(父ちゃん)が早く亡くなったから、メーはひとりで頑張ってキミたちを育ててくれたんだぞ。メーがキミたちを助けてくれた分、今度はキミたちがメーを助けないでどうする?もしも俺が死んだら、メーを助けるのはキミたちしかいなんだよ。言ってること、分かるよな?」
「・・・分かります」
ホッとした。
ここで何かを言い返すようなら、アプローチを変えなければならない。
「よし、じゃあ学校に行ってきなさい。そんな泣きそうな顔してると、女の子にもてないぞ」
*
「クンターは反抗期だから仕方がないって言うけど、長男のヌンのときはこんなことなかったんだよ」
涙を拭きながら、ラーが言い出した。
「だから、それがいけないんだよ。お前さんは、すぐにヌンやポーと比較するだろう。子供は、それが一番嫌なんだよ。それに、口答えしたからといって、子供と同じようにムキになって叱るから、ますます反抗したくなるんだ。今度あいつが口答えしたら、ガバッと抱きしめて頬っぺにキスでもしてやったらどうだ?」
「そんなことしたら、ますます怒るに決まってるよ」
「そうかなあ、あいつときどき、お前さんが料理してるときに、後ろから抱きついたりしてるじゃないか。本当は、甘えん坊なんだよ。だから、あんまりきつく言わずに、適当に甘やかしてやれよ」
「甘やかしたら、ますますつけあがるよ。それに、あたしはそんなにきつく叱っていない」
「きつい、きつい。カレン語は分からなくても、はたで聞いててハラハラするくらいなんだから」
「クンターが怒ったときは、もっときついよ。あたしなんか、心臓が止まりそうになるんだから」
「お前さん、もしかして反抗期か?ちっとは、人の言うことを聞けよ」
「クンターだって、あたしの言うことをちっとも聞いてくれないじゃない」
「このー、イエッと違ってお前さんはちっとも可愛くないなあ」
「クンターだって、ちっとも可愛くないよ」
「俺はお前さんより、ずっと年上だっつーの!なにが可愛くないだ、40過ぎの反抗期の小娘のくせして・・・。小娘でもないか(笑)。ところで、なんで俺たち言い合いなんかしてんだ?」
「分かんない。じゃあ、ご飯食べようか」
「ああ、飯だ、飯だ」
親なんていうものは、さほど大したことは考えていないのである。
息子たちよ、どうせ反抗するなら、もっと強大な敵を見つけなさい。
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いわゆる、“身が絞られる”ような感覚である。
膀胱のあたりが膨らんでいるように感じてトイレに立ってみたのだが、なんと尿が出ない。
あれえ、どうしたんだろう。
これはもしかして、膀胱結石とか尿道結石といった類の症状ではあるまいか。
やばいなあ。
かつて、知り合いが同じような症状を訴えたところ、医者に「ビールをどんどん飲んで洗い流せ」と言われたという話を思い出した。
しかし、ビールを買おうにも、すでに店は閉まっている時間だ。
仕方がないので、水をがぶがぶ飲んで様子を見ることにした。
その妙な感覚は1時間ほど続き、次第に薄れていった。
明け方には普通に尿が出て、痛みも痺れもなくなった。
いったい、何だったのだろう。
今度チェンマイに出たとき、ちゃんと検査をした方がいいかもしれないなあ。
ああ、嫌だ、嫌だ。
*
少しホッとしてコーヒーを飲んでいると、次男のイエッとラーが言い合いを始めた。
「どうしたんだ?」
「教科書が見つからないのは、この間家の大掃除をしたときに、あたしが勝手に片付けたからだって怒ってるんだよ」
「で、見つからないのか?」
「見つかったけど、それでもなんだかんだ文句を言ってるの。まったく、自分がだらしないくせに、毎日文句ばっかりで頭が痛いよ」
かつては私もその当事者だったのであるけれど、親の目からすれば、反抗期というのはどうにも始末が悪い。(おっ母さん、ごめんなさい!)
「イエッ、ちょっとここに来なさい」
仕方がないので、私が間に入る形でふたりを座らせた。
叱られるとでも思ったのか、イエッはすでにしゅんとしている。
「キミはメー(母ちゃん)に文句ばかり言ってるけど、どうしてなんだ?キミがこの間病気で入院したとき、メーは3日も病院に泊まり込んで世話をしてくれたじゃないか。転校のときだって、何回も一緒に学校に行ってくれたよな。それに、毎日ご飯も作ってくれる。そんなことしてくれるのは、メーだけなんだぞ。それなのに、なんでメーを哀しませるんだ?」
カレン語に通訳しながら、ラーが泣き出した。
イエッも、泣きそうだ。
まだまだ、可愛いのである。
「ポー(父ちゃん)が早く亡くなったから、メーはひとりで頑張ってキミたちを育ててくれたんだぞ。メーがキミたちを助けてくれた分、今度はキミたちがメーを助けないでどうする?もしも俺が死んだら、メーを助けるのはキミたちしかいなんだよ。言ってること、分かるよな?」
「・・・分かります」
ホッとした。
ここで何かを言い返すようなら、アプローチを変えなければならない。
「よし、じゃあ学校に行ってきなさい。そんな泣きそうな顔してると、女の子にもてないぞ」
*
「クンターは反抗期だから仕方がないって言うけど、長男のヌンのときはこんなことなかったんだよ」
涙を拭きながら、ラーが言い出した。
「だから、それがいけないんだよ。お前さんは、すぐにヌンやポーと比較するだろう。子供は、それが一番嫌なんだよ。それに、口答えしたからといって、子供と同じようにムキになって叱るから、ますます反抗したくなるんだ。今度あいつが口答えしたら、ガバッと抱きしめて頬っぺにキスでもしてやったらどうだ?」
「そんなことしたら、ますます怒るに決まってるよ」
「そうかなあ、あいつときどき、お前さんが料理してるときに、後ろから抱きついたりしてるじゃないか。本当は、甘えん坊なんだよ。だから、あんまりきつく言わずに、適当に甘やかしてやれよ」
「甘やかしたら、ますますつけあがるよ。それに、あたしはそんなにきつく叱っていない」
「きつい、きつい。カレン語は分からなくても、はたで聞いててハラハラするくらいなんだから」
「クンターが怒ったときは、もっときついよ。あたしなんか、心臓が止まりそうになるんだから」
「お前さん、もしかして反抗期か?ちっとは、人の言うことを聞けよ」
「クンターだって、あたしの言うことをちっとも聞いてくれないじゃない」
「このー、イエッと違ってお前さんはちっとも可愛くないなあ」
「クンターだって、ちっとも可愛くないよ」
「俺はお前さんより、ずっと年上だっつーの!なにが可愛くないだ、40過ぎの反抗期の小娘のくせして・・・。小娘でもないか(笑)。ところで、なんで俺たち言い合いなんかしてんだ?」
「分かんない。じゃあ、ご飯食べようか」
「ああ、飯だ、飯だ」
親なんていうものは、さほど大したことは考えていないのである。
息子たちよ、どうせ反抗するなら、もっと強大な敵を見つけなさい。
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