雄太が自力で立ち上がってから、ほぼ1週間。
回復ぶりは順調だ。
移動するとき、小走りするようになった。
障害物があれば、小さくぴょんと跳ねる。
昨夜などは、膝丈ほどの高さの母屋のテラスに階段を使わずに飛び上がった。
もっとも、まだ後脚を完全に引き寄せることができず、危うくずっこけそうになったのではあるが。
飛び降りるときも、一瞬腰が崩れかけた。
だが、なんとか踏ん張って元気に走り出した。
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食欲も出てきた。
餌時になると、以前のように裏のベランダの下まで自分で走ってくるようになった。
量は以前の半分ほどだが、食べ残すこともない。
雄太がぐったりしていた時、心配の余りか同様にほとんど餌を食べなかった元気の食欲も戻ったようだ。
ふたり、もとい2匹揃って元気に餌を平らげる様子を眺めていると、どんな時でもまったく食欲の落ちることのない父ちゃんの胃袋は、ますます活発に活動するのであった。
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素人判断によると、その回復ぶりは50パーセント程度というところだろうか。
なぜなら、まだ全力疾走ができないからである。
以前は、よそで犬の吠え声がすると、元気と一緒に物凄いスピードで外に飛び出して行ったものだが、今はまだそれがない。
ゆっくりと立ち上がって、様子を見るようにトコトコと走り出すのである。
散歩などにも着いてこない。
少し動いたあとは日陰に寝そべって、いざという時のために力を蓄えているといった趣だ。
まあ、10日ほど前のあの腰の抜けたような状態から見れば、大躍進である。
元気と共に猛ダッシュで外に飛び出して行く日を楽しみに、のんびりと待つことにしよう。
なにせあの時、父ちゃんの脳裡には「安楽死」とか「後脚用車椅子」とかいった切ない言葉がよぎっていったのだからなあ。
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