【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【ナッケー観光ツアー】

2011年04月03日 | オムコイ便り


 客人を案内して、久しぶりに村のあちこちを走り回った。

 とりあえずは、わが村観光コースの目玉(?)であるナームトック(滝)である。



 乾季に入り水量が激減して迫力はないが、気の早い青年たちが崖の上からの飛び込みを楽しんでいる。

 泳ぐにはまだ厳しい水温なれど、これからソンクラーン(伝統正月)にかけてもっと暑くなれば、この滝には村人たちがどっと押し寄せるのである。

    *

 次に、オムコイの町と村と棚田が一望できるわが“ナッケー牧場”におもむく。

 目印は、草原の中にぽつんと立つマンゴーの樹である。



 ここからの眺めは村一番だと自負しているのであるが、購入前の売り込み話とは違って牛用の草があまり生えない。

 従って、いまは放置状態にあり、実に「ナッケー(困ったもんだ)」な牧場なのである。

 マンゴーの樹陰に腰をおろし、「小さなマンゴーの樹の下で~♪」と勝手な替え歌を歌いながら、その活用法に思いを巡らす。



「うーん、電気もない、水もない、なんにもない究極の不便生活を体験する“ナッケー・リゾート”なんてどうかなあ」

 でも、こんなとこ、誰も来るわきゃあないか。

     *

 下の棚田では、従兄ベッの女房が幼い息子を連れてトマト栽培の準備を始めている。



「お~い、亭主はどうしたんだあ?」

「あいつなら、家で焼酎を飲んでるよお~」

 “ナッケー牧場”にふさわしい、ナッケーな挿話であった。

     *

 あれ、「あちこち」と言いながら、たったの2箇所かあ?

 われながら、わが村の観光資源の豊かさに感動を覚えた。

 そうだよお、あとは川での魚獲りか牛追いを兼ねた棚田散策くらいが関の山だい。

 どうだ、まいったか?

     *

 それでも、客人はスケッチ用の写真を撮りまくって、この“何もなさ”を楽しんでいる様子である。

 だが、ガイドとしてはどうにも心もとないので、締めくくりに近所の機織り場に案内した。

 ちょうど、赤色を主体にした巻きスカートと未婚用の白いワンピースを織っているところだったので、客人は大喜びである。

 だが、そのそばではふたりの男衆が昼間から焼酎を飲んでくだを巻いている。

「おお、クンター、いいところに来てくれた。焼酎代が足りないんで、少々都合してはくれまいか?なに、持ち合わせがない?そんなら、そこの遠来の客人に頼んでくれろお」

 むろん、酔っぱらいに貸した金など戻ってくるわけがない。

 ナッケー!

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2 コメント

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オラ、また考えた (しんちゃん)
2011-04-03 23:08:09
問題はアクセスだな。オムコイリゾートとチェンマイ間で定期送迎車だな。後は会社作ってオムコイ観光1日コースとか牛飼い1週間コースとかやるぞ。バンコクの旅行代理店と組んでやると集客が楽かも。村人が少しでも儲かる仕組みを作れたら好いな。山と川と滝、あとは知恵と銭だな。
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ナッケー! (クンター)
2011-04-04 13:03:17
しんちゃん

 その智恵と銭が足りないから、困るんだな。ナッケー!
 
返信する

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