【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【バンブーハウス最短滞在記録樹立!】

2014年12月03日 | オムコイ便り

 3年前のチェンマイへの旅は、ボランティアグループに混じってカレン族の学校に泊まり、子供たちと交流するというものだったそうだ。

 今回の旅でもそこを再訪するつもりだったのだが、窓口になった校長が異動していてついに連絡がとれず。

 そこで、あれこれネットで調べていたところ当ブログに辿り着いた。

 ところが、それは帰国3日前のこと。

 その時点で、ゆみえさんの旅に大きな誤算(?)が生じたのだった。

     *

 予約連絡は前日に電話であったのだが、「明日泊まりたい」と告げただけでぷつんと電話が切れた。

 はは~ん。

 番号を見るとやはり9桁で、公衆電話からである。

 むろん、折り返してもつながらない。

 これまでにも何度かあったことだが、コインを使うとアッという間に切れてほとんど会話ができないのだ。

 カードを買うか、宿の主人などに携帯を借りて小額のお礼をした方がずっと効率的かつ経済的なのではあるまいか。

     *

 しばらく待ったが、電話はかかってこない。

 思いついて町にネットを繋ぎにゆくと、やはり電話の直後に出されたメールが届いていた。

 そのやり取りで受け入れ準備を進めることができたのだったが、乗るのは明日午後2時のバスで予定は一泊だという。

 この時間だと、オムコイ到着は6時半過ぎだ。

 それで翌日戻りとなると、なかなか大変だろう。

 むろん、翌日の2時のバスに乗るのであれば、午前中はそれなりの案内ができるのではあるけれど。

      *

 晩飯は、夕方に絞めた鶏のココナッツミルク・スープ。

 甘みを極力抑えピリ辛味を背後に潜ませた北タイ料理である。

 実はこの殺戮犠牲者、もとい貴い食材となったのは放し飼いの地鶏ではなく産卵用の白色レグホンだ。

 20羽に近いうち、こいつだけがいつも囲いを破って逃亡する知能犯ぶりに常々頭を痛めていた番頭さん、ついに非情なる処刑を決めたのだった。

 村の前評判は「地鶏にくらべると味は落ちる」というものだったのだが、料理してみると肉に柔らかみがあって想像以上にうまい。

 ココナッツミルクの柔らかい風味とも相まって、なかなかの味わいである。

 なんどと書きつつ、食欲に屈して相変わらず写真を撮り忘れる番頭さんであった。

     *

 ゲストのゆみえさんも大いに気に入ってくれた様子なのだが、話を訊いているうちに番頭さん、旨味のせいではなく驚きの余りに顎が外れそうになった。

 なんと、明日はチェンマイ発午後6時半のフライトでバンコクに飛び、深夜便で日本に戻るのだという。

 午後2時発のバスがチェンマイ門そばに着くのが6時半過ぎなのだから、むろん飛行機には間に合わない。

 ということは、明朝8時のバスに乗るしかない!?

「スミマセン、行き当たりばったりで。午後2時のバスだとなんとかなると思ったんですけど」

 タイは2度目だというゆみえさん、すっかりタイ化した様子でほんわかとそうおっしゃるのだけれど、いくらタイでもそればっかりはどうにもなりませんよお。

      *

 ホート方面に向かうソンテオを乗り継ぐ、乗り換えるという方法もあるのだが、これが出発時間が不確定で客が集まらないと出ない場合も無きにしもあらず。

 あんまりお薦めはできないのだ。

「あんなに大きなバッグを持ってはるばる来てくれたのに、慌ただしいことになったねえ」

 ラーもしきりに気の毒がるのだが、ゆみえさん、

「でも、こうしてここに来られて、こうして一緒にご飯を食べられただけでもハッピーですよお。次の機会には、ゆっくりと来るという楽しみもできたことだし。それにしても星がきれいですねえ」

 悠然とおっしゃる。

 明け方はかなり冷え込んできたが、一夜明けて「ぐっすり眠れました」という言葉に、番頭さん、ホッと胸を撫で下ろした。

     *

 かくして、約12時間というバンブーハウス最短滞在記録を樹立したゆみえさん。

 相変わらず悠然かつ淡々とチェンマイ行きの超豪華オンボロバスに乗り込んだのだった。

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