西の山の端に淡い夕焼けが広がっている。
どういうわけか、最近はかつてのような山火事と見紛うほどの凄絶な空の饗宴はなかなか見られなくなってきた。
さて、珍しく早めの夕食を済ますと、すでにあたりは薄暗い。
「さて、7時のニュースでも見ようか」
時計を見ると、なんとまだ6時10数分過ぎである。
あれれえ。
まだそんな時間かあ。
随分と日暮れが早くなったものだ。
*
つい先頃まで、日没は6時半過ぎだった。
その頃に晩飯を食べ始めると、完全に日が暮れて7時頃になる。
その感覚がすっかり狂って、番頭さん、なんだか落ち着かない。
なに、これが当たり前なのだが、また冬が来るのかと思うとなんとなく気持ちが急いてしまうのは、やはり年齢のせいなのだろうか。
*
なにはともあれ、夜が長くなったのは確かな話だ。
読書には大変よろしい。
そこで、久しぶりに池波正太郎の『剣客商売』のページをめくる。
初登場時には確か59歳だった秋山小兵衛が、いつの間にか63歳になっている。
敵に立ち向かうときには相変わらずのスーパーマン振りなのだが、折々の感慨に「老い」が垣間見えるのだった。
やれやれ、身につまされるなあ。
*
ちなみに、番頭さんは還暦プラス・ツー。
悪いことに、老いを吹き飛ばすような剣の腕はない。
あ~あ。
日暮れの早さに戸惑う心を慰めようとした読書が、憂いにさらに拍車をかけた。
思わず本を閉じて、冷え込んで来た夜の闇に飛び出す。
エイ!
日に日に凄みを増してゆく満天の星の下、高箒を手にとってにわか素振りを始めてはみたものの。
イテテ。
精一杯にすっくと伸ばしたつもりの背筋と腰がグキキときしんだ。
ナッケー!(カレン語で困ったもんだ)
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ただ,其れも今月までで,また徐々に昼が延びていきますね.
全く,月日は百代の過客にして,行かふ年もまた旅人也とは,よく言ったものですね…
時に抗らうことはできないですが,時と寄り添ってその時その時できる事をしていきたいと思いますねぇ.
年寄りみたいなことを言ってはいけません(笑)。
でも、おっしゃる通りですねえ。ところで一昨日、白色レグホン食べてみました。味は本日のブログにて。
この二つの言葉の違いを習った。
この写真からはどちらが正しいのかふと迷った。
冒頭写真は「山際(空)」、文中写真は「山の端(稜線)」という感じでしょうか? わが村の夕焼けは稜線が燃えるように見えるので、山の端を使っていますが。