【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【エビと胎盤の恨み】

2010年09月05日 | オムコイ便り
 
 昨日、牛の赤ん坊が生まれた。

 またまた、雌である。

 息子や甥っ子だらけのわが家に較べて、牛の方は雌だらけだ。

      *

 ところで、牛の胎盤は村では大変なご馳走である。

 ラーが入念に洗って、ウコンや薬草と一緒に煮込みを作り始めると、すぐに近隣の衆が集まってきた。

 だが、いくら煮込んでも独特の臭みはとれない。

 以前、一度だけトライしたことがあるのだが、口に含んだ途端吐き気に襲われた。

「クンター、とってもおいしいから。ひとくちだけでも、食べてみて」

 ラーや親戚連中がしきりに勧めるのだが、やはり生臭い匂いに恐れをなしてベランダに避難した。

     *

「エビはどうしたんだ?エビは?」

 朝から川に出かけていた息子たちに訊くと、

「全然獲れませんでした!」

 アチャーッ。

 掻き揚げの夢は、虚しく消え去った。

 仕方がないので、庭の瓜棚から瓜をもいだ。

 薄く刻んで醤油と一緒にビニール袋に入れ、ぐちゃぐちゃ揉むと、即席の浅漬けのできあがりだ。

 これが実にさっぱりして、焼酎のつまみにきわめてよろしいのである。

     *

 これ、普通のキューリのつもりで種を蒔いたのであるが、育つにつれて葉っぱが巨大になってきた。

 成り出した実も、初めは普通のキュウリのように見えたのだが、色が段々黄緑に変わり、しまいには直径5センチほどの表面がつるつるした瓜状になってくるではないか。

 しかし、中にはキューリそのままの緑色でイガイガをつけたまま大きくなっているものもあって、なんだかよく分からない。

 しかし、瓜状になった方はエグミもなくて、いろんな料理に使えるのである。

 私の気に入りは、豚肉を網焼きしてこれを薄く切り、瓜と一緒にレモン汁であえる“豚瓜”。

 瓜を薄く薄く切って、各種のハーブと唐辛子を混ぜ込む“おひたし”も飯が進む。

 洋風スープや、カレーにもよろしい。

 というわけで、昨夜は瓜の即席浅漬けをつまみに焼酎をぐいぐい飲んで、エビと胎盤の恨みを晴らしたという次第。

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2 コメント

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Unknown (ishi)
2010-09-08 00:23:13
牛の胎盤から,羊膜と尿膜を取り除いたら,それほど生臭くならないような気がしますが.レバーみたいなものではないのですか?
まぁ,あえて食べなくてもいい気もしますが,他に動物性タンパク質が少なかったら,普通に食べるのでしょうねぇ.
機会があれば,食べてみたい...
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胎盤料理 (クンター)
2010-09-08 19:10:20
ishiさん

 処理するところを見逃したので何とも言えませんが、たぶん大雑把にやっているので臭みが残るのではないかと。見た目はモツ煮に似ていますが、とにかく口のそばに持ってくると、臭みがモワッときて「ウッ」となります。そのあとで食べたモツ煮の味とは、雲泥の差でした(笑)。機会があったら、ぜひお試しください。
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