【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【女将と一緒に菜食作り】

2016年08月30日 | オムコイ便り

 さて、文希さんがベジタリアンと聞いた女将のラーは、夕方になって姉の畑に野菜を採りに出かけていった。

 採れたての新鮮野菜を味わってもらおうと思ったようだが、残念ながら適当な野菜がない。

 持ち帰ったのは、ちと熟れ過ぎたでかいカボチャだけだった。

 そこで、冷蔵庫の白菜、キュウリなどをたっぷりと使い、しかも味はまったく辛味のないトムジュッを作ることになった。

      *

 この北タイの野菜スープは豚肉を叩いて作ったそぼろなどをベースにするのだが、文希さんのために豆腐を使うのだという。

 台所に文希さんを呼び入れ、番頭さんは冷たく追い出されて女ふたりでの料理作りが始まった。

 まあ、この料理はさほど手の込んだものではないのだが、チェンマイに戻ってから料理教室に通う予定だという文希さん、メモ帳を片手に身を乗り出すようにしている。

 おっと、その写真を撮るのを忘れてしまったわい。

 さて、出来上がったトムジュッを丼に盛ってカントーク(タイ式卓袱台)の上にどんと置くと、文希さんは小皿が欲しいという。

 そこで小さな丼に盛ると、それでも多いから小皿に取って食べたいという。

 その上、ご飯も要らないというではないか。

「だって、朝は果物、昼はパンだけだったんでしょ?」

 驚いて訊けば、普段もほとんど量は食べないらしい。

 その代わりに、ビールがどんと2本控えている。

 まあ、ビールも麦からできているのだからして、これも菜食(?)の一種なのかなあ。

     *

「ああ、おいしい。これ、ほんまに日本の味に近いですねえ」

 すでに味見も済ませたというトムジュッは好評だったが、丼のスープと皿に盛った大盛りご飯をまたたく間に食べ終わった番頭さんは、彼女の小食ぶりになんとなく落ち着かない。

 そこで女将が辛い辛いナンプリックに浸けて食べていた竹の子を醤油に浸けて食べるように勧めたら、これまた好評だった。

 まあ、ビールを味わいながらゆっくりと食べてもらうことにしよう。

      *

 グアテマラで目覚めたパン作りの話、旅の話、将来の夢の話、音楽の話。

 音楽については、彼女大学時代にバンドをやっていたそうで、古いフォーク歌手やロック歌手、ソウル歌手などの名前がどんどん飛び出してくる。

 なにせ、番頭さんが若い頃に馴染んだ世界なのだから、話が弾まないわけはない。

 それに、グアテマラは亡き妻が若い頃に旅した土地で、お土産に持ち帰った民族衣装を普段着として着ていたといういきさつもある。

 懐かしい想いにとらわれたことは、言うまでもないだろう。

      *

 翌朝になって朝食を勧めたのだが、やはり彼女は果物やジュースだけで済ませたらしい。

「いかに菜食主義とは言うても、もっと食べんとあきまへんがな」

 番頭さん、ついつい下手な関西弁でおせっかいを焼きたくなってしまった。

 さて、日程の関係でどうしても一泊しかできないというので、出発の前に「勝手に世界遺産候補」の竹橋に案内することにした。

「ブログに顔を出すのは恥ずかしい」ということで、昨日に続いて後ろ姿の写真になったわけだが、こんなポーズを撮ってくれたのだから、きっと楽しかったのだろうなあ。



 渡る前にはそうとうに怖々だったのだが、「渡ってみると、やったあって感じですね」

 素敵な笑顔が紹介できないのは、返す返す残念である。

 戻りには水牛の姿も眺めることができたのだが、写真ではちょっと見えにくいなあ。



      *

 さて、土産物屋でカレン服を見てみたいということになり、早めに町まで送った。

 別れ際に「昼食は食べなくても平気です」という言葉を聞いた番頭さん、

「もっと食べた方がいいですね」

 とうとう、おせっかいを口にしてしまった。

「はい」と素直に頷いてくれた文希さんだったが、まるで可愛いわが娘を旅に出すような想いにとらわれた番頭さんだった。

 しっかり食べな、あきまへんえ。

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