【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【カニ獲り&ナンプー作り】

2016年08月23日 | オムコイ便り

 春雨と竹の子とタマゴを一緒に炒めたパック・ムンセンの朝食が済むと。



 女将のラーは純子さん、祐子さんの二人のゲストを引き連れ、棚田でのカニ獲りに出かけて行った。

 祐子さんは午後2時のバスでチェンマイに向かう予定なのだが、さて、野外に出ると猪突猛進、すっかり時間を忘れてしまう女将のこと。
 
 果たして、時間までに戻って来れるかどうか。

 そんな懸念を口にしたものの、祐子さんはどうしても行きたいという。

「まあ、間に合わなければ延泊もやむなしですかねえ」

 番頭さん、そんないい加減な言葉で3人を送り出したのだった。

     *

 雨混じりの昼過ぎになって、祐子さんがひとりで戻って来た。

 訊けば、カニはかなりの大猟だったものの、高台の田んぼの奥にある姉の作業小屋に腰を落ち着けると、女将はなんとキュウリやトマトをもいで、のんびりと昼飯づくりを始めたのだという。

 そして、「家に戻るのは3時くらいになるよ」

 まだ、カニ獲りを続けるつもりらしい。

 焦った祐子さん、「この道を真っすぐ行けば家に戻れるけど」という言葉を信じて、辛うじて死地(?)を脱したのだった。

 やれやれ、ごめんなさいねえ。

     *

 祐子さんを無事バス停まで送り、ひと息ついた。

 ふたりは、3時過ぎに満面の笑顔で戻ってきた。

 魚籠にはカニがびっしりと詰まり、持つとずっしりと重い。

 大きな鍋にあけてみると、大小数百匹のカニがうごめいている。

 ネットチェックから戻ってきた藤間さんも、「へえ、こんなに獲れるもんですかあ」と驚いている。

 事実、番頭さんもびっくりの大猟である。

     *

 すぐさま、保存調味料のナンプー(カニ味噌)作りが始まった。

 まずは調理用の小臼に生きたカニを放り込み、すりこぎに似た搗き棒でひたすら搗きまくる。

 そして、その搗いたものを漉し布に包んで、絞り汁をとる。

 最後に、これを焚火で煮詰めて黒いペースト状に仕上げる。

 純子さんもあれこれと手伝ってくれたのだが、番頭さん、迂闊にもその作業風景を撮るのを忘れてしまった。

 ごめんなさいねえ。

     *

 3時間近くかけて出来上がったのは、小さな瓶に収まってしまうほどの少量だ。

「わあ、あれだけ手間暇をかけたのに、これだけしかできないんですねえ。カレン族の人たちの“生活”を感じます。延泊したおかげで、いい体験ができました」

 そう喜んでくれる純子さんの言葉に、番頭さん、思わず鼻の下を伸ば・・・、もとい、思い切り目尻を下げたのだった。

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