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ロングステイヤーのSさんが、バイクでチェンマイからやってきた。
長年の当ブログ読者であるという。
実は、2年ほど前、つまり我々が宿を開く前に「オムコイを訪ねたい」という連絡をいただいたのだが、その時はちょうど本の原稿の追い込みの時期とかち合ってしまい、残念ながらその申し出を断らざるを得なかった。
その後、彼はまた暫くして今度はアポなしでぶらりとオムコイまで走ってきて、町の食堂などで「日本人(つまり私)の家はどこだ?」と尋ねてみたのだそうだが、誰も知らないというので結局そのままチェンマイに引き返したのだという。
おかしいなあ。
バイクで町をうろうろしている妙な日本人のことはたいていの人が知っていて、アポなしでやってきた人は何人もいるんだけどなあ。
とまあ、昼過ぎにチェンマイを出て午後4時過ぎにわが家に辿り着いた鹿間さんと立ち話をしながら、そんな古い記憶がよみがえり、また知らなかったそんな新事実を知ったというわけである。
*
話を聞いてみると、バイクで随分とあちこちを走り回っている様子だ。
そして、もうひとつの大仕事が「コンカツ」であるという。
これまでにもいろんな話があったそうなのだが、なかなか条件に適った人が見つからないらしい。
その苦労話を通じて、同じような思いでタイに滞在している人が少なからずいることを知った。
そして、そうした結婚仲介が「商売」として成り立っているらしいことも。
この「業界」には、結納金や贈り物などの「相場」というものがあるといい、その値段は馬鹿馬鹿しいほどに高い。
うーむ。
私なんぞは一銭、もとい一バーツも払っていないんだけどなあ。
トイレに立ったとき、新ビジネスを夢見て、揉み手をしつつ「ヘへへ、シャチョウさん。いい娘がいまっせ」というビジネス会話を何度か練習してみたのだが、ああ、いかん、いかん。
これじゃあ、すぐさま邪悪な下心を見抜かれてしまうわい。
*
晩飯は、豚骨を気の遠くなるような時間グツグツと煮込んだ野菜スープ。
野菜の方は、山奥から爺さんがふらりと売り込みにきた蔓草状の高原野菜(これは上空からの阿片栽培摘発を逃れるべく混植されるという)と近所の衆が畑からもいで売り込みにきた花野菜。
そして、箸休めにはラフ族が水曜市に出している無農薬トマトの塩揉み。
辛いのは苦手で食べられるタイ料理は限られるそうだが、初めて体験するカレンの味をおかずに盛りの多いご飯を平らげてくれたのでホッとした。
酒は一滴も飲まないSさん、長旅の疲れもあってか9時過ぎには小屋に戻っていった。
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翌日、朝食を済ませると川向こうの棚田と高台に案内した。
ひゃんひゃんと甘え声を出し体をくねくねさせて「早く行こうよ」と促す元気と居候犬の先で、いつの間にか雄太も花房のような尻尾を振りながら待ち構えている。
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おお、そうか、そうか。
とうとうお前も、一緒に散歩に行く力が湧いてきたのか。
父ちゃんの目頭が、思わず熱くなる。
川沿いの道には、伝統的カレン小屋の壁や床になる割り竹が干してあった。
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棚田では、収穫あとに畑に耕し直して植えた大唐辛子やトマトの苗が力強く育っている。
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360度の山並み展望を楽しんで橋下の川原で休んでいると、子供たちが水遊びにやってきた。
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暫くすると、5~6mもありそうな橋桁からさほど深くもない川に足から飛び込み始めた。
底は砂床とはいえ、大した勇気だ。
「恐くないかい?」
そう声をかけながら、Sさんがカメラを向けたが、彼らは無頓着にどんどん飛び込むので、私もこんな水飛沫と波紋の写真しか撮れなかった。
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*
午前10時になって。
身支度を整えた鹿間さんがバイクに乗り込んだ。
「やっぱり、今日戻りますか?」
「はい、いつも日本のテレビ番組やネットを見ているので、夜がどうも退屈で」
さもありなん。
自慢じゃないが、わが宿にはどちらの備えもない。
焼酎だけはたっぷりあるのだが、下戸にとっては寂しい環境かも知れない。
宴会をしていないと、呑み助の村の衆も集まって来ず。
新ビジネスのネタになる若い娘も、村にはほとんどいないことだし。
ああ、いかん、いかん。
*
ともあれ、いい出会いがありますように。
オーマーチョーパー(カレン語でグッドラック)!
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大分良くなっているようでホッとしました.
日本からでは何も出来ませんが,皆が健康でありますように祈念しています.
野山も走り回れるようになりました。元気な姿を見てもらえて、うれしいワンワンワン!