【タイ山岳民族の村に暮らす】

チェンマイ南西200キロ。オムコイの地でカレン族の嫁と綴る“泣き笑い異文化体験記”

【通夜の花火に朝靄晴れて】

2014年11月27日 | オムコイ便り

 ちとドタバタして、更新を怠ってしまった。

 さて、このところのオムコイ、相変わらず朝靄に包まれる朝景色。

 だが、今朝はなぜか靄の晴れが早く、8時前には裏山の方で急速に青空が覗き始めた。

 そのスピードに追いつけぬように、山の手前にはまだ靄の塊が漂い、湧きだした水蒸気が青空に吸い込まれてゆく。





 写真ではちょっと見えにくいが、じっと眺めているとその幻想的な姿に思わず時間を忘れてしまうほどだ。

 そして、そして9時過ぎにはまったく雲ひとつないオムコイ晴れ。




 
       *

 ところで、昨夜は村はずれで老女が亡くなり、その通夜があった。

 僧侶による読経、棺のまわりをゆっくりとぐるぐると回りながら村の男衆が歌う古謡、そして今夜ばかりはお咎めなしの公然たる賭けゲーム。

 いつもと変わらぬ通夜風景なのだが、驚いたのは古謡が一区切りついたあと、やや離れた場所でいきなり轟音が轟いたことである。

 正体は、打ち上げ花火だった。

 市販のものとはいえ、若い衆が次々に点火する打ち上げ花火は通夜の空を鮮やかに彩ってゆく。

 通夜の席で花火が打ち上げられたのは、むろん初めての体験である(残念ながらカメラを持参しなかった)。

 訊けば大往生で、遺族が盛大に賑やかなことが好きだった老女の霊を天に送り出そうと考えついたらしい。

 通夜に花火かあ。

 景気がよくて、これもいいなあ。

 そうだ、私ももしや大往生かなえば、絶対にこれをやってもらうことにしよう。

     *

 間もなく、今朝方に靄が盛大に空に昇って行った裏山の方面にある雑木林の野焼き場で火葬が行われる。

 通夜の花火、火葬当日の靄の急上昇、そしてオムコイ晴れ。

 あの婆さん、さぞやさっぱりした気分で天に昇ってゆくに違いない。

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