今日の一貫

TPPは民主党のお家の事情か?

先週21日、民主党内に「TPPを慎重に考える会」が立ち上がったそうな。
すわ、民主党にも農林族か?と思いきや、どうも事情は違うようだ。

「菅政権による鳩山・小沢路線の修復vs小沢・鳩山派の求心力回復」
といった民主党のお家の事情,、内紛の感がある。

管政権、鳩山・小沢政権の後遺症に悩んでいる。
どう治療するかに腐心している感がある。
前政権が残した汚点は、日米関係と経済成長の二点。

菅内閣でのTPP締結は、日米関係重視と日米関係修復の意味でも重要。
APEC議長国としての責任もある。

また、経済無策で、デフレに陥った前政権の尻ぬぐいはもっと重要。
韓国に後れをとり、中国にGDPで抜かれ、てしまった。
それを民主党座視している状況。
この不況、民主党不況とさえ言われ始めている。
ここは国を開放して、自由貿易の恩恵を最大限確保する政策が常道。

こんな菅政権の施策に対し、民主党反主流派が異を唱えたといった構図だろう。
TPPと農業が、民主党内紛のだしに使われてる感がある。
けっして農林族が立ちあがったわけでもなさそうだ。
小沢起訴、鳩山政界引退表明で求心力を失ったこのグループの焦りもわからなくはない。

ただ、この人達、どれだけ農業の再生を考えているか疑問。
山田正彦前農相が代表になったと言うから、それなりに農業の明日を考えているのだろうが、そもそも、戸別所得補償は、自由化に対する補償として位置づけられてる政策。
小沢さん、09年総選挙では、FTA推進への農協の批判に対しては、萎縮するな、堂々と自由貿易を言うべき、と檄を飛ばしていた。

ところが、この小沢グループ、反主流に回ったとたん、逆のことを言い出した。

この動き、米価維持要求をしている人たちと連動する可能性もなくはない。
いまのところ可能性は低そうだが、もしそうなったら、農業の成長産業化も水泡に帰してしまう。
そうなったら、民主党分裂した方がいい。

米価維持運動をしてる人たち、日本の農業を守れとは言ってるが、実は既得権にあぐらをかき、農業を衰退させようとしてる人たち。
これまでも農業衰退に寄与してきた。

実は自由貿易に反対して農業が守られた試しはないのだ。
逆に自由貿易に踏み出した方が、農業は守れる可能性が高いと言うことだ。

今回も、自由貿易に反対を唱え、慎重に考え、いつものようにやむを得ず参加となる様では、農業を守るスタンスさえとれないことは、明白、かつてのWTO交渉などでも明らか。

たとえば、その時点で犯したのが、、MA米の輸入。
彼らの反対主張ためにMA米を輸入させられたのは未だに大きな禍根。
彼らの責任は大きいはず。
反対を唱えて禍根を残した責任をこの人達、未だにとっていない。

ここは、粛々と自由貿易体制に参加し、むしろリーダーシップをとる方が、交渉はしやすいし、農業も守れる。
日本農業を成長させるためにも、また農家の所得を増加させるためにも、自由貿易に前向きになるべき。
農水省マクロ経済計算で、4兆円の農産物産出額の減少と言ってるが、今のままの農業構造を維持するという前提。
この前提が問題なのだ。
2015年まで構造改革して、42万戸の農業経営者を育成するといった農水省、それを実現すれば、自由貿易になったとしても、現状維持の8兆円の産出額の維持は可能なはず。

国会のことだけを考えるなら、菅政権、農業に関しては、09年4月17日に出した、関係閣僚会合答申、通称「石破プラン」を丸呑みも考えてみてはどうか。




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