ある日のこと。
ある男は、その日の朝が急に寒くて足元も冷えたので、出社前に夏用の靴下を急に冬用の靴下に履き替えた。
そして、出勤して、自分の足元を見ると、なんと、左足の親指が突き出ている。
おまけに、右足の左側面にも2cm大の穴があいている。
どうしよう?!
左右履き替えても、別の部分が露出してしまう。
どうしよう?!
近くには靴下を売っているようなところもなく、買いに行く時間的余裕もない。
かといって、出てきたばかりで休暇を出すのもいかがなものか?
ということで、なんとか、打開策を思いめぐらす。
そして、左足の親指に下した決断は靴下を裏返して足先をホッチキスで留めるということ。
では、右足は?
そして、思いついたのが、黒い紙を探して穴のあいた所に裏側からガムテープで張るということ。
では、どこで実行する?
もちろん、人に見られないように、トイレの中。
道具をそろえて、いざ実行。
他の人がトイレに入ってこないようなタイミングを見計った。
無事終了。
その後、左足の先は少しチクチクしたが、なんとか大丈夫。
右足も少しゴワついたが、なんとかなった。
人生にはいろいろなことがある。
でも、その場しのぎで生きて行くしかない。
ない知恵を絞りながら。
恥をかきながら。
ところで、ある男って?
それは、言うまでもないだろう。