徒然幸せ日記

作者が日常の生活で見たこと、感じたこと、感動したこと!を書いています。
特に、「幸せ」とは何かについて考えています。

『愛に似たもの』という唯川恵さんの短編集はオチがついていて面白い

2021-03-20 17:04:12 | 本と雑誌

マイブログ2021.3.5付けで唯川恵さんの本『肩ごしの恋人』を初めて読みましたという記事を書いたが、面白かったので、2冊目の短編集も読んでみた。タイトルの本である。

この短編集は2007年に刊行されたものだが、8つの短編からなっていて、短編にはそれぞれ題名がついている。

題名を書くと、

『真珠の雫』『つまずく』『ロールモデル』『選択』

『教訓』『約束』『ライムがしみる』『帰郷』であり、『愛に似たもの』というタイトルのものはない。

これらの短編は1話が約30ページで非常に読みやすいうえに、最後に話のオチがついている。

どういうオチかは言えないが、なんだか切ない。

話はほとんど30代の女性が主人公で、独身か結婚して離婚しているか、結婚してもうまくいっていないかである。

どう面白いかというと、それぞれの女性が「幸せ」を追求している。それも、平凡な幸せである。

ところが、それが、なかなか手に入らないという話である。

どこで、どう間違えたのか考えさせられるものばかりである。

 

特に最後の『帰郷』という話は奥が深い。

母親のような弱い女性になりたくなくて、故郷を飛び出し、整形までして生き方を変えて、お金持ちになったふりをして母親の危篤時に帰郷した。(実はある人に出資してもらっている)

病院で、看護師さんに「あなたの母親は幸せだ」と言われる。

なぜって聞くと、「入院してからずっと付き添ってくれる人がいるから」と。

母親のようになりたくないと思って生きてきたのに?!

幸せと思っていた生活を手に入れたのに、時々幸せからどんどん遠ざかってしまうような気がする。

というこの矛盾。

 

「幸せ」は他人から援助を受けるのではなく、自分の力で手に入れないといけないのだろうと考える。

また、他人との比較ばかり考えていてはいけないと思わされた。

 


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