<ここまでの話>
【第1部】
「(第1話) から (第9話)までのリンク」
【第2部】
「(第10話)存在・・」
「(第11話)期待・・」
「(第12話)不倫温泉・・」
------------------------------------------------------------------------------
小さな料理屋だが、席の8割ほどが客で埋まっていて繁盛していた
店の主が勧める料理を注文し、まずはビールで乾杯はするが
ビールは舐めるだけで、すぐに旨い地酒にスイッチする・・
やはり出張はこうでなくっちゃ♪
店では、てきぱきと動く陽気で元気な娘さんが、お酒や料理を運んでいた・・
先ほど言っていた娘さんなんだろう・・ なかなか可愛い娘だ・・
また、高校生とは思えないほど、上手く酔っ払いの客をも扱っていた
一度来ただけの店なので、私の事を覚えているはずもないが、
まぁ、オッサンのお約束というか・・ 娘さんを捕まえて会話する・・
「前に来た事があるんだけど・・ 覚えている?」
「えっ? お客さん、前にも来られたんですか? ありがとうございま~す♪」
「うん・・ まぁ2回目だけどね、君に会いたくてさ♪ また来ちゃった・・」
「そんなぁ♪ お世辞を言っても、何も出ませんよ♪」
「ええっ? サービスはないの?」
「ちゅうかぁ♪・・ お客さん、ほんとに2回目なんですか?
怪しいなぁ♪ 私は覚えてないんだけど・・」
「ああ・・ まだランドセルをしょってたけどね♪」
「なんだぁ♪・・ ずっと前じゃないですかぁ! お客さんたらぁ!
私に会いたいなんて、嘘ばっかり♪」
「いや・・ 本当に覚えていたんだよ 赤いランドセルに
キティちゃんの手提げを持ってたよね・・」
「うわぁ!感激!! キティちゃんの手提げバック、私、使ってました♪
本当だったんだ!!」
「だから、インディアン嘘つかないって♪」
「おとうさ~ん! このお客さん、前に来た事があるんだって!
私の事を覚えてくれたんだよ 超うれしい♪
じゃ、お客さん・・ 再会を記念して、私が漬けたお新香でも、いかがですか?」
「おう! お新香か・・ いいなぁ1つもらおうか・・」
「ありがとうございま~す♪ お新香一丁追加ぁ・・」
「ん? サービスじゃないのか?」
「ハイ! サービスは私のスマイルちゅう事で♪」
娘さんと他愛の無い会話をするのだが、笑いながら主は見ているだけだ
これもご主人の人柄が伺える・・ 互いに信頼している仲の良い親娘なんだろう・・
気持ちが良い時間が過ぎていく(なんか良い感じだ・・ )
このような公共の場所・・というかお酒の場所では、やってはいけない事がある
それは意外とも思われるが、顧客に関する仕事の話だ
特に顧客の地場などでは、絶対に顧客名も出さないし仕事の話はしないものだ
どこで誰が聞いているか、わからない・・
コンプライアンスとして徹底している事項でもあるのだ
まぁ後輩などに仕事の進め方や相談に乗ることはあるが、
そのような場合でも社章を外し、ビジネスに絡む部分の話はご法度としている
そのため、話し相手の課長も仕事の話は切り出さない・・
「というか、さすがですね・・ 若い女性の扱いがお上手です
私にそのような話術があれば、もう少し楽しい人生も送れたのでしょうが・・」
「そうなのか? 君は中々弁が立つと思うぞ・・
さきほどの論理的な解説など、説得力もあるしな・・」
「それは、相手が男性だからです・・ 女性の前に出るとダメですね・・
まぁ、仕事でのお話なら全く問題は無いのですが・・」
「そうは見えんが・・ 意外だな・・」
「まぁ・・ 堅物では無いって事だけは、お伝えしておきたくって♪」
「それは、先ほどの話でなんとなく分かったから問題はない♪」
「で・・ 到着されたら、ひとつ聞きたい事があったんです・・」
「ほう?それは何だ? 仕事以外だよな?」
「実はですね・・ 浮気でもされているのでは?って疑惑が出ているんですが?」
「それはない! 浮気は・・」
と即答したのだが・・(ん? 浮気?)心拍数が急激に増加する・・
もしこの言葉が『不倫』だったら、即答できただろうか?
この時点では『不倫』という言葉には無意識に反応するようになっていたが
『浮気』という言葉には反応しない自分を自覚していた・・
そもそも、浮気と不倫は異なるのだろうか? 新たな疑問が私の脳内を駆け巡る・・
まさか・・ 不倫はOKで浮気はNGと考えているのだろうか・・
「というか、そんな戯言・・、一体、誰が言っているんだ?」
「言った相手が気になりますか?」
「ああ・・」と言いながらお猪口に入った地酒をグイっとあおる・・
「今回のプロジェクトに紅一点のメンバーが居るのですが・・
その彼女がね、『怪しいですね~』って言っていましたよ♪
彼女とはお知り合いだそうで・・ 」
(な!!・・ なんだって!!!)
という言葉を飲み込んだ瞬間に、
まさに飲み干そうとしていた地酒が気管に飛び込みパニックになってしまった・・
「ゴホッゴホッ・・」
「だ・・ 大丈夫ですか?」
「すまん・・ゴホッゴホッ・・ 酒が気管に飛び込んだ・・」
「申し訳ありません・・ 冗談です♪
まぁ、彼女が言った事は事実なんですが・・
昔、同じ部署だったそうですね・・ 昨日聞きました・・」
「いや・・ そうだが・・
同じ仕事をした事は無いのだが、同じ部署だった・・」
(一体・・ この課長は・・ 何を聞いているのだ・・
うかつな事をしゃべると墓穴を掘りそうだ! 話題を変えよう!)
「ところで・・ さっきの話だが、ここは混浴だったっけ?
混浴はさすがにまずいだろ?」
「そうですか? 最近は流行っているんですよ♪
まぁ、残念ではありますが、女性は混浴用のアンダーウェアを付けています・・
旅館で売っていますから・・」
「なんだ・・ そうなのか、ちょっと興ざめだな♪」
「まぁ、各地でも昔のような自然な混浴はめっきり少なくなりましたね
今では、逆に女性も安心して入れる混浴を武器として前面に打ち出している
旅館などが多くなりました・・ 温泉も戦略がないと勝ち残れない時代です」
「まぁ、家族連れには良いだろうが・・ ロマンが無くなったな・・」
「ですね、勝手な男のロマンですがね♪」
「そう言うな・・ でも一度でも経験したら、いい思い出になるぞ・・」
「経験されたのですか?」
「ああ・・ 露天でな、月明かりにボヤ~と浮かび上がる真っ白な姿をな・・」
「それはすごい! 正に男のロマンですね! しっかりとご記憶に?」
「まぁ・・ ぼやけてな・・ 風呂に入るときってメガネは外すだろ?
だから余計にロマンチックな記憶だ・・ まるで白い妖精だった♪」
「それって、良いですね~ はっきり見えないのが、逆に萌えますね♪」
「だろ?♪」
「じゃ! 男のロマンに乾杯です♪」
と調子に乗って、乾杯する・・
「他に何か無いのか?」
「他にですか?・・ う~ん・・
そうそう!良くある家族風呂ってのがありますよね・・
ここの温泉では、部屋に温泉を引いて個室の家族風呂にしている旅館が多いらしく、
それが先ほどの方々の目的にもなっているそうです・・」
「そういう実態を言われると、健全だったこの温泉地も穿った目で見ちゃうな・・」
「いや・・ 健全ですよ!
他の温泉地みたいにコンパニオンの艶物宴会などを武器にしている訳ではないし
風俗もありません、あっても場末のストリップ小屋ぐらいで、温泉地としての風情も
保持されています・・ 例の素人のマッサージさんも居ないそうです♪」
酒が入っている事もあるのか、課長は饒舌になりあらぬ方向に話が行く
これも男同士の会話としては、特に逸脱したことではない・・
「素人のマッサージさんって・・ 上手い表現だな♪ 頼んだのか?」
「そんな・・ 頼みませんよ♪
言いたい事は・・ そんな不埒な輩は来ないって事です・・ ねっ健全でしょ?」
「しかし・・ どのように言っても、結果『不倫温泉』なんだろ?」
「それは裏の話・・ 見た目は
仲の良い夫婦が安心して旅の疲れを落とせ、癒される旅情豊かな街なんです♪」
「貴様・・ ここの温泉大使なのか?♪」
「いえいえ・・ これも、さっき言った旅館の仲居さんの受け売りですって♪」
「怪しいな? その仲居さんと・・ 怪しいぞ?
というか、女性と話が出来なかったんではないのか? ん?」
「そんなぁ! 私の母親と同い年ぐらいですよ~ 普通に話はできます」
「おいおい! 女性に年齢差別はダメだぞ♪
しかし、世は熟女ブームと聞く・・ 熟女だったら君の課題も克服できるかもな
どうだ、その仲居さんを口説いてみたら?」
「えっ!! そんな事を考えた瞬間から、話が出来なくなっちゃいますよ~」
「そういうものなのか?」
「そういうものです、純真無垢な好青年と言う事にしておいてください♪」
「よく言う♪ それが女性の前で言えたらな♪」
「さて・・ お腹もいい感じになりましたし・・ 時間も・・ こんな時間です・・
そろそろホテルにチェックインしましょうか?」
「都合が悪くなると、話題を変えるんだな♪ いいだろホテルに行くか!」
都合が悪くなって話題を変えたのは、私が先なのだが
そんな事は棚に上げ、郷土料理屋を出た、ほてった身体に夜風が適度に気持ち良い・・
ふと見ると、課長は駅の方向と逆の方向に歩いていく・・
「おい・・ 駅に行くのではないのか?」
「いえ・・ ホテルはすぐそこです・・」
(何ぃ? 電車で異動ではないのか? 彼女が言った『もう駅に着くので』の意味は?)
「(第14話)浮気?不倫?・・」に続く・・・
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「(第11話)期待・・」
「(第12話)不倫温泉・・」
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小さな料理屋だが、席の8割ほどが客で埋まっていて繁盛していた
店の主が勧める料理を注文し、まずはビールで乾杯はするが
ビールは舐めるだけで、すぐに旨い地酒にスイッチする・・
やはり出張はこうでなくっちゃ♪
店では、てきぱきと動く陽気で元気な娘さんが、お酒や料理を運んでいた・・
先ほど言っていた娘さんなんだろう・・ なかなか可愛い娘だ・・
また、高校生とは思えないほど、上手く酔っ払いの客をも扱っていた
一度来ただけの店なので、私の事を覚えているはずもないが、
まぁ、オッサンのお約束というか・・ 娘さんを捕まえて会話する・・
「前に来た事があるんだけど・・ 覚えている?」
「えっ? お客さん、前にも来られたんですか? ありがとうございま~す♪」
「うん・・ まぁ2回目だけどね、君に会いたくてさ♪ また来ちゃった・・」
「そんなぁ♪ お世辞を言っても、何も出ませんよ♪」
「ええっ? サービスはないの?」
「ちゅうかぁ♪・・ お客さん、ほんとに2回目なんですか?
怪しいなぁ♪ 私は覚えてないんだけど・・」
「ああ・・ まだランドセルをしょってたけどね♪」
「なんだぁ♪・・ ずっと前じゃないですかぁ! お客さんたらぁ!
私に会いたいなんて、嘘ばっかり♪」
「いや・・ 本当に覚えていたんだよ 赤いランドセルに
キティちゃんの手提げを持ってたよね・・」
「うわぁ!感激!! キティちゃんの手提げバック、私、使ってました♪
本当だったんだ!!」
「だから、インディアン嘘つかないって♪」
「おとうさ~ん! このお客さん、前に来た事があるんだって!
私の事を覚えてくれたんだよ 超うれしい♪
じゃ、お客さん・・ 再会を記念して、私が漬けたお新香でも、いかがですか?」
「おう! お新香か・・ いいなぁ1つもらおうか・・」
「ありがとうございま~す♪ お新香一丁追加ぁ・・」
「ん? サービスじゃないのか?」
「ハイ! サービスは私のスマイルちゅう事で♪」
娘さんと他愛の無い会話をするのだが、笑いながら主は見ているだけだ
これもご主人の人柄が伺える・・ 互いに信頼している仲の良い親娘なんだろう・・
気持ちが良い時間が過ぎていく(なんか良い感じだ・・ )
このような公共の場所・・というかお酒の場所では、やってはいけない事がある
それは意外とも思われるが、顧客に関する仕事の話だ
特に顧客の地場などでは、絶対に顧客名も出さないし仕事の話はしないものだ
どこで誰が聞いているか、わからない・・
コンプライアンスとして徹底している事項でもあるのだ
まぁ後輩などに仕事の進め方や相談に乗ることはあるが、
そのような場合でも社章を外し、ビジネスに絡む部分の話はご法度としている
そのため、話し相手の課長も仕事の話は切り出さない・・
「というか、さすがですね・・ 若い女性の扱いがお上手です
私にそのような話術があれば、もう少し楽しい人生も送れたのでしょうが・・」
「そうなのか? 君は中々弁が立つと思うぞ・・
さきほどの論理的な解説など、説得力もあるしな・・」
「それは、相手が男性だからです・・ 女性の前に出るとダメですね・・
まぁ、仕事でのお話なら全く問題は無いのですが・・」
「そうは見えんが・・ 意外だな・・」
「まぁ・・ 堅物では無いって事だけは、お伝えしておきたくって♪」
「それは、先ほどの話でなんとなく分かったから問題はない♪」
「で・・ 到着されたら、ひとつ聞きたい事があったんです・・」
「ほう?それは何だ? 仕事以外だよな?」
「実はですね・・ 浮気でもされているのでは?って疑惑が出ているんですが?」
「それはない! 浮気は・・」
と即答したのだが・・(ん? 浮気?)心拍数が急激に増加する・・
もしこの言葉が『不倫』だったら、即答できただろうか?
この時点では『不倫』という言葉には無意識に反応するようになっていたが
『浮気』という言葉には反応しない自分を自覚していた・・
そもそも、浮気と不倫は異なるのだろうか? 新たな疑問が私の脳内を駆け巡る・・
まさか・・ 不倫はOKで浮気はNGと考えているのだろうか・・
「というか、そんな戯言・・、一体、誰が言っているんだ?」
「言った相手が気になりますか?」
「ああ・・」と言いながらお猪口に入った地酒をグイっとあおる・・
「今回のプロジェクトに紅一点のメンバーが居るのですが・・
その彼女がね、『怪しいですね~』って言っていましたよ♪
彼女とはお知り合いだそうで・・ 」
(な!!・・ なんだって!!!)
という言葉を飲み込んだ瞬間に、
まさに飲み干そうとしていた地酒が気管に飛び込みパニックになってしまった・・
「ゴホッゴホッ・・」
「だ・・ 大丈夫ですか?」
「すまん・・ゴホッゴホッ・・ 酒が気管に飛び込んだ・・」
「申し訳ありません・・ 冗談です♪
まぁ、彼女が言った事は事実なんですが・・
昔、同じ部署だったそうですね・・ 昨日聞きました・・」
「いや・・ そうだが・・
同じ仕事をした事は無いのだが、同じ部署だった・・」
(一体・・ この課長は・・ 何を聞いているのだ・・
うかつな事をしゃべると墓穴を掘りそうだ! 話題を変えよう!)
「ところで・・ さっきの話だが、ここは混浴だったっけ?
混浴はさすがにまずいだろ?」
「そうですか? 最近は流行っているんですよ♪
まぁ、残念ではありますが、女性は混浴用のアンダーウェアを付けています・・
旅館で売っていますから・・」
「なんだ・・ そうなのか、ちょっと興ざめだな♪」
「まぁ、各地でも昔のような自然な混浴はめっきり少なくなりましたね
今では、逆に女性も安心して入れる混浴を武器として前面に打ち出している
旅館などが多くなりました・・ 温泉も戦略がないと勝ち残れない時代です」
「まぁ、家族連れには良いだろうが・・ ロマンが無くなったな・・」
「ですね、勝手な男のロマンですがね♪」
「そう言うな・・ でも一度でも経験したら、いい思い出になるぞ・・」
「経験されたのですか?」
「ああ・・ 露天でな、月明かりにボヤ~と浮かび上がる真っ白な姿をな・・」
「それはすごい! 正に男のロマンですね! しっかりとご記憶に?」
「まぁ・・ ぼやけてな・・ 風呂に入るときってメガネは外すだろ?
だから余計にロマンチックな記憶だ・・ まるで白い妖精だった♪」
「それって、良いですね~ はっきり見えないのが、逆に萌えますね♪」
「だろ?♪」
「じゃ! 男のロマンに乾杯です♪」
と調子に乗って、乾杯する・・
「他に何か無いのか?」
「他にですか?・・ う~ん・・
そうそう!良くある家族風呂ってのがありますよね・・
ここの温泉では、部屋に温泉を引いて個室の家族風呂にしている旅館が多いらしく、
それが先ほどの方々の目的にもなっているそうです・・」
「そういう実態を言われると、健全だったこの温泉地も穿った目で見ちゃうな・・」
「いや・・ 健全ですよ!
他の温泉地みたいにコンパニオンの艶物宴会などを武器にしている訳ではないし
風俗もありません、あっても場末のストリップ小屋ぐらいで、温泉地としての風情も
保持されています・・ 例の素人のマッサージさんも居ないそうです♪」
酒が入っている事もあるのか、課長は饒舌になりあらぬ方向に話が行く
これも男同士の会話としては、特に逸脱したことではない・・
「素人のマッサージさんって・・ 上手い表現だな♪ 頼んだのか?」
「そんな・・ 頼みませんよ♪
言いたい事は・・ そんな不埒な輩は来ないって事です・・ ねっ健全でしょ?」
「しかし・・ どのように言っても、結果『不倫温泉』なんだろ?」
「それは裏の話・・ 見た目は
仲の良い夫婦が安心して旅の疲れを落とせ、癒される旅情豊かな街なんです♪」
「貴様・・ ここの温泉大使なのか?♪」
「いえいえ・・ これも、さっき言った旅館の仲居さんの受け売りですって♪」
「怪しいな? その仲居さんと・・ 怪しいぞ?
というか、女性と話が出来なかったんではないのか? ん?」
「そんなぁ! 私の母親と同い年ぐらいですよ~ 普通に話はできます」
「おいおい! 女性に年齢差別はダメだぞ♪
しかし、世は熟女ブームと聞く・・ 熟女だったら君の課題も克服できるかもな
どうだ、その仲居さんを口説いてみたら?」
「えっ!! そんな事を考えた瞬間から、話が出来なくなっちゃいますよ~」
「そういうものなのか?」
「そういうものです、純真無垢な好青年と言う事にしておいてください♪」
「よく言う♪ それが女性の前で言えたらな♪」
「さて・・ お腹もいい感じになりましたし・・ 時間も・・ こんな時間です・・
そろそろホテルにチェックインしましょうか?」
「都合が悪くなると、話題を変えるんだな♪ いいだろホテルに行くか!」
都合が悪くなって話題を変えたのは、私が先なのだが
そんな事は棚に上げ、郷土料理屋を出た、ほてった身体に夜風が適度に気持ち良い・・
ふと見ると、課長は駅の方向と逆の方向に歩いていく・・
「おい・・ 駅に行くのではないのか?」
「いえ・・ ホテルはすぐそこです・・」
(何ぃ? 電車で異動ではないのか? 彼女が言った『もう駅に着くので』の意味は?)
「(第14話)浮気?不倫?・・」に続く・・・
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