<ここまでの話>
【第1部】
「<第1話> から <第24話>までのリンク」
【第2部】
「<第25話> から <第35話>までのリンク」
「<第36話>敵艦接近!」
「<第37話>被弾!そして・・」
「<第38話>MIA・・」
「<第39話>信頼!」
「<第40話>絹のスカーフ?」
「<第41話>ノーマルスーツは9号?」
「<第42話>ソドン型巡航船」
【ガンダム外伝を楽しむための補講】
「補講(4)MS運用艦ヒポグリフ」
------------------------------------------------------------------------------
「・・・ こちら連邦宇宙軍高軌道艦隊、司令部コントロールだ!
所属不明のコスモファイターに告ぐ! 所属と官姓名を名乗れ!」
(おっと・・ 気付いたか・・ 軍識別信号はOKだったようだな・・)
「高軌道艦隊司令部コントロール・・ 感度良好だ・・
第21独立戦隊MS中隊ワサビィ大尉、所属は第3艦隊だ
認識番号 8111925415579・・
当機体は、第21独立戦隊旗艦グリフィン搭載機YUKIKAZE、
コードFF-S3-Bst-P0・・ まぁプロトタイプ(試作機)だ・・」
「・・・ 照合を行う、暫く待て!」
「了解!」
「・・・ ワサビィ大尉! ご苦労さまです! 大尉の照合が終わりましたが
その機体の識別子がデータに登録されていません・・
機体の緒元データを登録させて頂いてよろしいでしょうか?」
「ああ・・ かまわんよ・・
ちなみに・・ レイテはどこにいる? 解るか?・・」
「・・・ ハイ・・ 座標を送ります・・ そちらに向かってください
補給艦コスタリカが横付けしています・・
連絡を入れておきますので、コスタリカに着艦ください!」
「おう! 座標を確認した・・ 感謝だ! コスタリカに向かうが・・
この機体は他の戦闘機よりかなり大きいが・・ 入れるのか?」
「・・・ 問い合わせます・・ 機体長をお知らせください」
「すまん、2380だ・・」
「・・・ 了解です・・ 少々お待ちください・・」
戦闘機としては大型の量産コアブースターでも約1380・・つまり14メートルほどだ
しかし、こいつはもっと巨大なブースターを背負っている・・
荷物が搭載されているカーゴブースでは、荷物が邪魔になり
着艦が出来ないケースが想定されるのだ・・
「・・・ コスタリカから返答です、右舷上部デッキに着艦ください・・
右舷は通常の70メートルは確保できているとの事ですが
1本目のアレスティングペンダントのワイヤーが
ダブル(2本)で20メートル地点です・・
2本目が35メートル地点だと言う事なので、
確実に着艦フックを1本目にかけてください・・
との要望です。OKでしょうか?」
「なんだ、私の腕を疑っているのか?
まぁ良い・・ 20メートルだな? 了解だ! 着艦する旨を伝えておいてくれ!」
「・・・ イエス! キャップ(大尉)!」
軽くバーニアを吹かしコスタリカに向かう・・
(しかしなぁ・・ 20メートルかぁ・・)
この数値を聞いた時、グリフィンは、MS運用を考慮した事から
宇宙戦闘機にも有効な改装がなされていた事に気が付く
カタパルトデッキの着艦路はギリギリまで長く実装されているし、
最終的に艦に突っ込んでも、アレスティングペンダントのワイヤーだけでなく
その後ろに2重の防御ネットが設置されていて安全に機体を包み込むのだ
これだと速度さえ落としていれば、新米でも安心して突っ込める。
まぁ、MSは着艦路には着艦せず、発進時に使用するカタパルトの
リニアモーター発進用プレートに着地するような形で着艦し
発進用プレートがスライドしつつリニアモータでブレーキがかかり停止する構造だ
まぁ、その後の防御ネットは同じだが、ワイヤーに着艦フックをかけて
停止する戦闘機の場合とは若干異なる事はあるが・・
そういえば、セイバーフィッシュを搭載し運用するために、
コロンブスクラスを改修した艦に、アンティータム級補助空母があるが、
こいつは宇宙戦闘機の専用艦であったことから、110メートル程のフライトデッキが
確保され、アレスティングペンダントのワイヤーも着艦には十分な位置に
配置されていた・・ そう考えると、やはり70メートルのデッキは短い・・
余談であるが、実はこのアンティータム級は、パイロットには不人気であった・・
専用艦に改修されていると言えども、重力圏での発想と言うか、強度の問題なのか
コロンブス級補給艦の構造をそのまま活用し(2階建て構造のカーゴデッキ)、
戦闘機用甲板(フライトデッキ)を片方に2段(左右のカーゴデッキで合計4本)
作ってしまった・・(まぁ、それで搭載機数が多くなる事は事実だが)
そのため、着艦時の天井の高さが低く、着艦時の衝撃などでバウンドした場合
天井に接触するなどの事故も発生した・・
このようにパイロットの錬度を必要とし、新米パイロットには不人気の艦になっていた
(ルウム戦役での敗北で、ベテランパイロットが激減し、経験の少ないパイロットが
増えたた事も不人気の原因になっているのだろう・・
もちろん、グリフィンとヒポグリフはMS運用を考慮したため、デッキは
2階建ての構造では無い、そのため前部ハッチはコロンブス級とは異なり
上下ヒンジの観音開きで開閉する新設計のハッチを採用している・・)
話を戻すが、このように不人気だった艦でも、着艦距離が20メートルなどと短くなく
ワイヤー位置は40、60、80メートルと3本用意されていた・・
しかし、補給艦として運用されている艦は、そのような改修はされていない・・
(ワイヤーさえあれば、誰でも着艦できると勘違いしてやがる)
本当に地球連邦の船は、戦闘機やMSなどの運用をもっと真面目に考えるべきだ。
まぁ、思い出すと良い艦もあった事はあったが・・
この戦争前に、宇宙補助空母として改修された数隻のコロンブスクラスの中では
発進&着艦用の戦闘機用甲板がトンネルのような管状になっていて、
その管を船体の中央に1本設置した構造の艦があったのだが・・
(ルウム戦役で私が所属した艦の構造がそうだった・・)
常に前部も後部も開放している事から、艦の後部から進入し、着艦に失敗しても
管状のなので前方から脱出できるのだ、新米パイロットには好評の艦でもあった。
しかし、管状甲板の強度の問題や格納庫になる左右のカーゴスペースとの
エレベータ装備など改修コストの面、そして戦闘機進入時に船のメインエンジンを
切らないといけない安全面などから、数隻のみが改修され在籍していたが・・
宇宙戦闘機運用の要として前線に配置されたことから、あのルウム戦役で
全ての艦が撃沈されてしまった・・
同様に開放型の全通フライトデッキを設けた艦は他にもあった
マゼラン級の戦艦を改修し、開放型の全通フライトデッキを設けた
トラファルガーとガルバルディの2艦だ
マゼランクラスは全長が327メートルもあるため、十分な甲板の長さを確保でき
パイロットには好評であったものの、連邦軍の大砲大艦主義から戦艦重視の傾向があり
2艦以外の改修が施される事は無かったと聞いている・・
ちなみに、コロンブスクラスの全長は145メートルでカーゴの長さは110メートル・・
もちろん見ての通り非貫通デッキで、万が一に奥の壁面にぶつかった場合は、
コロンブスのエンジンを直撃し大惨事になってしまう・・
そのような構造である補給艦に着艦する事は、非常にリスクを伴うため
ほとんど宇宙戦闘機類の着艦は行われなかったのだが・・
この1年戦争が始まってから、ジオン軍のザクに対抗できる武器が宇宙戦闘機しか
無かったことから、補助空母の必要性が急務となり、全補給艦対し着艦用のワイヤーを
緊急装備し、頻繁に着艦が繰り返されるようになった事実があるのだ・・
まぁ、その技量の高さを、当のパイロット達は誇りに感じていた節もあるのだが・・
事故は何度も発生した・・
しかし、その原因を、すべてパイロットの錬度に押し付け、
なんの改善も実施されない体質が、地球連邦の体質でもあると言える・・
誤解が無いように追記しておくが
アンティータム級は天井の高さがネックであり
カタパルトデッキの着艦路の長さはネックではない・・
コロンブス級のカーゴデッキは、50メートル級のカーゴを2つ縦に繋いでいるが
アンティータム級は4つ繋ぎ、格納庫とカタパルトデッキを2つづつで分けている
そのため110メートルの着艦路を確保できるようになっているのだ
また、グリフィンやヒポグリフはMS運用を考えてだろう、
50メートル級カーゴを3つ縦に繋いでいる、そのためコロンブス級より全長が長く、
全長200メートル程になっている・・
「さて・・ 沢山居るなぁ・・ どれがコスタリカだ?・・」
などと独り言をつぶやきながら、コンテナを曳航し艦艇間を行き来する
ランチや小型曳航艇に注意しながら微速で進む・・
中にはこのYUKIKAZEに興味があるのか、すれ違った後、反転し
しばらく並行して進むランチも現れた・・
なんだか、緊張感が無い・・
(数日前までの私達と同じだなぁ・・)
数分進むと、コスタリカからのビーコンをキャッチした・・
「おいおい!・・ ビーコンって・・ 大丈夫かよぉ・・」
周りに敵が居ない状態では、着艦する側にとってはビーコンはありがたい物だが
幾ら制宙権を持つ楕円軌道上の高軌道艦隊集結地点であっても、
戦時中には変わりない!
ビーコンの発信は、艦の所在を敵に知らせてしまう意味が含まれる・・
先ほどのランチといい、あんちょこにビーコンを発するコスタリカといい、
高軌道艦隊の考え方や雰囲気に少々不安を感じつつもビーコンに同調させた・・
暫くすると、左舷デッキに艦橋が破壊された見慣れたサラミス級を停泊させている
補給艦を視認する・・ コスタリカだ!
ビーコン誘導のままに着艦コースに軌道をのせ、コスタリカを前面に捉えた時、
スピーカーが鳴った
「・・・ こちらコスタリカコントロール・・
ワサビィ大尉! お疲れ様です!」
「おう! 感度良好だ! コスタリカコントロール・・ 着艦用意はOKか?」
「・・・ OK!オールグリーンですキャップ!
コスモファイター軸線良し! バンク良し! ビーコングリーンです」
後進用のアポジモータを吹かし、大きく減速する
ギア(車輪)と着艦フックを出し、バンクを数度調整する・・
ギアと着艦フックが完全に出ている事を確認しギアをロックした!
一気にコスタリカ右舷の上部デッキが迫って来る
アポジモータで速度を微調整しながら、右舷デッキに滑り込むと同時に
前につんのめり、カーゴデッキの奥の壁が一気に目の前に迫り停止する
無事、1本目の着艦フックに引っかかったようだ・・
「ふぅ・・ やっぱきついな・・」
「・・・ 着艦確認! オールグリーン! 機体ロックせよ! 防護策解除!
キャップ! コスタリカにようこそ!
さすがですね、ドンピシャです! お噂通りですね♪」
今度はデッキクルーからの通信だ
「ああ・・ ありがとう・・ (って、いったい何の噂だ?)
機体整備は不要だ、というか・・ 訳の解らん機体だろ?
だから、燃料の補給だけは頼む! 時にアポジモータには満タンでな!」
「・・・ はい! 了解です
というか、すごい機体ですね・・
こんなの見たことがありません!
プロペラントタンクの威圧感もそうですが
連装のメガ粒子砲ですかぁ?・・
ほんと、すごいや!!」
「ああ・・ 軍機だぞ・・ サラミス主砲クラスだ・・」
「・・・ ヒュー♪」
「そろそろ、量産型も配備されつつあると聞くが・・」
「・・・ そっ!そうなんですか?・・ さすが前線配置ですね
まぁ、このような区域ではボールさんと旧式小型戦闘機が主で
ジムなどの花形機種はほとんど見かけません・・
やっぱ良いなぁ・・」
「そう言うな、乗る側としては、言うほど良いものでもないぞ・・
で・・ レイテは左舷だな?」
「・・・ はい、左舷上部デッキに停留中です・・
レイテ接続部損傷のため、接続デッキにはエアーの充填はありません
そのままノーマルスーツでお願いします。」
「解った・・ じゃ・・頼むぞ!」
と、機体から出ようとするとパイロットノーマルスーツの一団がYUKIKAZEの
周りに群がって来た・・
やはりパイロットと言う輩は、機体オタクの要素も持つ、珍しいのだろう・・
着艦した右舷デッキには、小型戦闘機「FF-4 トリアーエズ」の
一個小隊(5機)が並んでいた・・
(彼らはトリアーエズのパイロット達だな・・
あっ・・ そうか!
機体長が短いトリアーエズなら、着艦フック地点も20メートルあれば十分か・・)
そんな事を考えながら、私は左舷デッキに体を流していった・・
・・・
レイテの第2艦橋にあるサブコントロールルームに入ると
聞きなれた?波長の声が耳に飛び込んできた・・
「だから今、修正しただろ! どうしてダメなのだ!!」
「ええ・・ 言いましたように、私どもは貴部隊の部隊長サインが無いと
受理できないのですよ・・ 修正部分に対し承認がありません」
「バカ者! だから何度も言っただろ、私が戦隊長の代行者だ!」
「と言われましても・・ その場合は
代行者を証明する委任状が無いと受理した私が怒られちゃいます・・」
「きぃっさまぁ!! なんだその口の利き方は!!」
「ですから、私も何度も言っていますように、正しい書類さえご提示頂けたら・・」
「どうしたんだ? いつものようにキャンキャン吼えて・・」
興奮状態のマスミン大尉の後ろから声をかけた・・
というか、かけてしまった・・
「あ~ああ!! また変な奴がぁ・・ どうして貴様がここに居る!!」
振り向きざまにマスミン大尉が更に1段キーを上げて叫ぶ・・
どうやら、声をかけるタイミングを間違えたようだが・・
もう遅い・・
「キャンキャン吼えるなよ・・ 可愛い顔が台無しだ・・
戦隊長からの命令だ・・
お迎えの予定だったオーリンが、あの戦闘でMIAだ・・」
「・・なに? MIA?・・・・」
「ああ・・ 他にもリンちゃんとチコちゃんも行方が知れない
捜索中だが、時間的にも既にエアーが切れている・・」
「そうか・・ ここに来て大きな戦力ダウンだな・・」
「ああ・・ 戦争だからな・・ しかしな、根拠もクソも無いが
奴らは消えてない・・ そんな変な感覚が今回はあるんだ・・」
「ほう? 不思議だな・・」
「ああ・・ 何度も部下を失ってきたが、ちょっといつもと違う感じだ・・」
「だったら良いな・・」
と、ニコリと笑顔を覗かせる・・ (その顔・・ 卑怯だぞマスミン・・)
「ところで、何を揉めているんだ?」
「ああ・・ 負傷者リストに記載ミスがあったので変更したのだが
それが、戦隊長承認後の改竄だとぬかしやがる・・
まるでジャブローの奴らと同んなじだ! 話にならん!!」
「特務大尉殿・・ それはお言葉が過ぎます反逆罪にも・・」
背後から先ほどから口論していた、主計の中尉が口を挟んだ・・
「うるさいな! きさまぁ・・ 貴様こそ上官侮辱罪だと言っている!
というか、主計の分際で現場に負荷をかけるな!
貴様らの仕事は現場で頑張る兵士のスタッフ業務だろ!
最前線では命を懸けてジオンと戦っているのだ!
わかるか? この瞬間にも何人もの若者が命の灯火を消しているんだぞ!!
お役所仕事などは現場に対する冒涜だ! 改善しろ!!
グダグダ言わずに受理し、文句が出たら後で私に言え!! 解ったか!!」
「そうは言いましても・・
規則は規則ですので、例外を作ると軍律の乱れに繋がり・・」
(パチパチパチパチ!)
「すばらしい!! さすが連邦軍士官の鏡だな!
高圧的な上官に対しても、軍規を守るその姿・・ 中尉は優秀だな♪」
「おい・・ ワサビィ・・ 何を・・」
話に割って入ろうとしたマスミンの口に、軽く人差し指を触れ蓋をする・・
「なぁ中尉・・ 私は21独立戦隊MS中隊のワサビィだが・・
うちの要員がなぁ・・ 今日の戦闘でも優秀なパイロットが3名もMIAで
減っちゃってなぁ、更に艦も損傷を受け、要員の士気も下がっている・・
まぁ艦といっても、このコスタリカと同じコロンブス改修艦でペラペラだ・・
そこで提案だ! 有能な君の名前を、私の上官であるワッケイン司令に伝え
配置転換したいのだが・・
どうだ? 私の所に来ないか?
楽しいぞ! 毎日ジオンとの戦闘だし、次の大きな作戦の前でもある!
ここの仕事も本当に大変だろうが、是非!中尉をスカウトしたい
えっとぉ・・ 中尉の名前は?・・」
「あっ・・ いえ! スカウト頂き、本当に感謝でありますが・・
ここの仕事もバックアップが居ませんので抜けるとなると・・
というか・・
そうそう!! 急ぎですよね、この書類!
こいつの処理を行わないといけません、負傷兵も沢山いますし
改竄にならないよう、内部稟議で処理できるかもしれません・・
そんなこんなで、なにかと忙しく・・
本当に、ありがとうございます。しかし、このような状況でもあり
この話はまた後日に・・と言う事で・・」
「そうなのか・・ 非常に残念だなぁ・・
君のような優秀な士官が我が21戦隊に加入したら、ジオンも尻尾を振って
退散するのになぁ・・ 残念だ・・
いや、ちょっと仕事を増やしてしまったようだな・・
すまんが、このわがまま娘の不出来な書類は、優秀な中尉でなければ
処理も出来ないだろう、忙しいところ非常に申し訳ないが宜しく頼む!」
「はっ! 了解しました大尉! 大尉もご無事で!!
特務大尉殿! 諸般の事情は理解いたしました!
完了までは少々時間をいただきますが、書類は受理いたします。
ではっ!」
「ああ・・ ありがとう♪ 後は頼んだぞ!」
ポカンとした顔のマスミンにウインクし、主計の中尉に背を向け
その場を離れる・・ 後ろからマスミン大尉が着いてきた・・
「おいワサビィ・・ いったいどんな魔法を使ったんだ?」
「ん・・ 見て解らんか? あの青二才中尉、実戦経験無しと見た・・
アースノイドだろ? 多分ジャブロー高官の息子か何かだ・・
というか、あの腰周りではMSのコックピットはキツイだろうな・・
パイロット記章も飾りだろ・・ 記章を付けて主計って ありえんだろ?」
「なるほど・・ そう言う事か・・」
「ああ・・ 自分から率先してまで、危険な最前線には来ないよ・・
ああゆう輩がジャブローに戻り、出世していくんだろうな・・」
「しかし・・ 口の上手さはさすがだな♪」
「おう 惚れ直したか?」
「無礼者! 何を言うか! 根性無しのくせに♪」
「またそれを言う・・
そうだ!! ここだと戦隊長など、邪魔者は居ない・・
レイテには空室も沢山あるし・・
どうだ・・? 根性無しかどうか・・ 一度試してみるか?」
「・・・ えっ・・ 」
<第44話>ひよっこパイロットに続く・・・
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Copyright ichigowasabi
【第1部】
「<第1話> から <第24話>までのリンク」
【第2部】
「<第25話> から <第35話>までのリンク」
「<第36話>敵艦接近!」
「<第37話>被弾!そして・・」
「<第38話>MIA・・」
「<第39話>信頼!」
「<第40話>絹のスカーフ?」
「<第41話>ノーマルスーツは9号?」
「<第42話>ソドン型巡航船」
【ガンダム外伝を楽しむための補講】
「補講(4)MS運用艦ヒポグリフ」
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「・・・ こちら連邦宇宙軍高軌道艦隊、司令部コントロールだ!
所属不明のコスモファイターに告ぐ! 所属と官姓名を名乗れ!」
(おっと・・ 気付いたか・・ 軍識別信号はOKだったようだな・・)
「高軌道艦隊司令部コントロール・・ 感度良好だ・・
第21独立戦隊MS中隊ワサビィ大尉、所属は第3艦隊だ
認識番号 8111925415579・・
当機体は、第21独立戦隊旗艦グリフィン搭載機YUKIKAZE、
コードFF-S3-Bst-P0・・ まぁプロトタイプ(試作機)だ・・」
「・・・ 照合を行う、暫く待て!」
「了解!」
「・・・ ワサビィ大尉! ご苦労さまです! 大尉の照合が終わりましたが
その機体の識別子がデータに登録されていません・・
機体の緒元データを登録させて頂いてよろしいでしょうか?」
「ああ・・ かまわんよ・・
ちなみに・・ レイテはどこにいる? 解るか?・・」
「・・・ ハイ・・ 座標を送ります・・ そちらに向かってください
補給艦コスタリカが横付けしています・・
連絡を入れておきますので、コスタリカに着艦ください!」
「おう! 座標を確認した・・ 感謝だ! コスタリカに向かうが・・
この機体は他の戦闘機よりかなり大きいが・・ 入れるのか?」
「・・・ 問い合わせます・・ 機体長をお知らせください」
「すまん、2380だ・・」
「・・・ 了解です・・ 少々お待ちください・・」
戦闘機としては大型の量産コアブースターでも約1380・・つまり14メートルほどだ
しかし、こいつはもっと巨大なブースターを背負っている・・
荷物が搭載されているカーゴブースでは、荷物が邪魔になり
着艦が出来ないケースが想定されるのだ・・
「・・・ コスタリカから返答です、右舷上部デッキに着艦ください・・
右舷は通常の70メートルは確保できているとの事ですが
1本目のアレスティングペンダントのワイヤーが
ダブル(2本)で20メートル地点です・・
2本目が35メートル地点だと言う事なので、
確実に着艦フックを1本目にかけてください・・
との要望です。OKでしょうか?」
「なんだ、私の腕を疑っているのか?
まぁ良い・・ 20メートルだな? 了解だ! 着艦する旨を伝えておいてくれ!」
「・・・ イエス! キャップ(大尉)!」
軽くバーニアを吹かしコスタリカに向かう・・
(しかしなぁ・・ 20メートルかぁ・・)
この数値を聞いた時、グリフィンは、MS運用を考慮した事から
宇宙戦闘機にも有効な改装がなされていた事に気が付く
カタパルトデッキの着艦路はギリギリまで長く実装されているし、
最終的に艦に突っ込んでも、アレスティングペンダントのワイヤーだけでなく
その後ろに2重の防御ネットが設置されていて安全に機体を包み込むのだ
これだと速度さえ落としていれば、新米でも安心して突っ込める。
まぁ、MSは着艦路には着艦せず、発進時に使用するカタパルトの
リニアモーター発進用プレートに着地するような形で着艦し
発進用プレートがスライドしつつリニアモータでブレーキがかかり停止する構造だ
まぁ、その後の防御ネットは同じだが、ワイヤーに着艦フックをかけて
停止する戦闘機の場合とは若干異なる事はあるが・・
そういえば、セイバーフィッシュを搭載し運用するために、
コロンブスクラスを改修した艦に、アンティータム級補助空母があるが、
こいつは宇宙戦闘機の専用艦であったことから、110メートル程のフライトデッキが
確保され、アレスティングペンダントのワイヤーも着艦には十分な位置に
配置されていた・・ そう考えると、やはり70メートルのデッキは短い・・
余談であるが、実はこのアンティータム級は、パイロットには不人気であった・・
専用艦に改修されていると言えども、重力圏での発想と言うか、強度の問題なのか
コロンブス級補給艦の構造をそのまま活用し(2階建て構造のカーゴデッキ)、
戦闘機用甲板(フライトデッキ)を片方に2段(左右のカーゴデッキで合計4本)
作ってしまった・・(まぁ、それで搭載機数が多くなる事は事実だが)
そのため、着艦時の天井の高さが低く、着艦時の衝撃などでバウンドした場合
天井に接触するなどの事故も発生した・・
このようにパイロットの錬度を必要とし、新米パイロットには不人気の艦になっていた
(ルウム戦役での敗北で、ベテランパイロットが激減し、経験の少ないパイロットが
増えたた事も不人気の原因になっているのだろう・・
もちろん、グリフィンとヒポグリフはMS運用を考慮したため、デッキは
2階建ての構造では無い、そのため前部ハッチはコロンブス級とは異なり
上下ヒンジの観音開きで開閉する新設計のハッチを採用している・・)
話を戻すが、このように不人気だった艦でも、着艦距離が20メートルなどと短くなく
ワイヤー位置は40、60、80メートルと3本用意されていた・・
しかし、補給艦として運用されている艦は、そのような改修はされていない・・
(ワイヤーさえあれば、誰でも着艦できると勘違いしてやがる)
本当に地球連邦の船は、戦闘機やMSなどの運用をもっと真面目に考えるべきだ。
まぁ、思い出すと良い艦もあった事はあったが・・
この戦争前に、宇宙補助空母として改修された数隻のコロンブスクラスの中では
発進&着艦用の戦闘機用甲板がトンネルのような管状になっていて、
その管を船体の中央に1本設置した構造の艦があったのだが・・
(ルウム戦役で私が所属した艦の構造がそうだった・・)
常に前部も後部も開放している事から、艦の後部から進入し、着艦に失敗しても
管状のなので前方から脱出できるのだ、新米パイロットには好評の艦でもあった。
しかし、管状甲板の強度の問題や格納庫になる左右のカーゴスペースとの
エレベータ装備など改修コストの面、そして戦闘機進入時に船のメインエンジンを
切らないといけない安全面などから、数隻のみが改修され在籍していたが・・
宇宙戦闘機運用の要として前線に配置されたことから、あのルウム戦役で
全ての艦が撃沈されてしまった・・
同様に開放型の全通フライトデッキを設けた艦は他にもあった
マゼラン級の戦艦を改修し、開放型の全通フライトデッキを設けた
トラファルガーとガルバルディの2艦だ
マゼランクラスは全長が327メートルもあるため、十分な甲板の長さを確保でき
パイロットには好評であったものの、連邦軍の大砲大艦主義から戦艦重視の傾向があり
2艦以外の改修が施される事は無かったと聞いている・・
ちなみに、コロンブスクラスの全長は145メートルでカーゴの長さは110メートル・・
もちろん見ての通り非貫通デッキで、万が一に奥の壁面にぶつかった場合は、
コロンブスのエンジンを直撃し大惨事になってしまう・・
そのような構造である補給艦に着艦する事は、非常にリスクを伴うため
ほとんど宇宙戦闘機類の着艦は行われなかったのだが・・
この1年戦争が始まってから、ジオン軍のザクに対抗できる武器が宇宙戦闘機しか
無かったことから、補助空母の必要性が急務となり、全補給艦対し着艦用のワイヤーを
緊急装備し、頻繁に着艦が繰り返されるようになった事実があるのだ・・
まぁ、その技量の高さを、当のパイロット達は誇りに感じていた節もあるのだが・・
事故は何度も発生した・・
しかし、その原因を、すべてパイロットの錬度に押し付け、
なんの改善も実施されない体質が、地球連邦の体質でもあると言える・・
誤解が無いように追記しておくが
アンティータム級は天井の高さがネックであり
カタパルトデッキの着艦路の長さはネックではない・・
コロンブス級のカーゴデッキは、50メートル級のカーゴを2つ縦に繋いでいるが
アンティータム級は4つ繋ぎ、格納庫とカタパルトデッキを2つづつで分けている
そのため110メートルの着艦路を確保できるようになっているのだ
また、グリフィンやヒポグリフはMS運用を考えてだろう、
50メートル級カーゴを3つ縦に繋いでいる、そのためコロンブス級より全長が長く、
全長200メートル程になっている・・
「さて・・ 沢山居るなぁ・・ どれがコスタリカだ?・・」
などと独り言をつぶやきながら、コンテナを曳航し艦艇間を行き来する
ランチや小型曳航艇に注意しながら微速で進む・・
中にはこのYUKIKAZEに興味があるのか、すれ違った後、反転し
しばらく並行して進むランチも現れた・・
なんだか、緊張感が無い・・
(数日前までの私達と同じだなぁ・・)
数分進むと、コスタリカからのビーコンをキャッチした・・
「おいおい!・・ ビーコンって・・ 大丈夫かよぉ・・」
周りに敵が居ない状態では、着艦する側にとってはビーコンはありがたい物だが
幾ら制宙権を持つ楕円軌道上の高軌道艦隊集結地点であっても、
戦時中には変わりない!
ビーコンの発信は、艦の所在を敵に知らせてしまう意味が含まれる・・
先ほどのランチといい、あんちょこにビーコンを発するコスタリカといい、
高軌道艦隊の考え方や雰囲気に少々不安を感じつつもビーコンに同調させた・・
暫くすると、左舷デッキに艦橋が破壊された見慣れたサラミス級を停泊させている
補給艦を視認する・・ コスタリカだ!
ビーコン誘導のままに着艦コースに軌道をのせ、コスタリカを前面に捉えた時、
スピーカーが鳴った
「・・・ こちらコスタリカコントロール・・
ワサビィ大尉! お疲れ様です!」
「おう! 感度良好だ! コスタリカコントロール・・ 着艦用意はOKか?」
「・・・ OK!オールグリーンですキャップ!
コスモファイター軸線良し! バンク良し! ビーコングリーンです」
後進用のアポジモータを吹かし、大きく減速する
ギア(車輪)と着艦フックを出し、バンクを数度調整する・・
ギアと着艦フックが完全に出ている事を確認しギアをロックした!
一気にコスタリカ右舷の上部デッキが迫って来る
アポジモータで速度を微調整しながら、右舷デッキに滑り込むと同時に
前につんのめり、カーゴデッキの奥の壁が一気に目の前に迫り停止する
無事、1本目の着艦フックに引っかかったようだ・・
「ふぅ・・ やっぱきついな・・」
「・・・ 着艦確認! オールグリーン! 機体ロックせよ! 防護策解除!
キャップ! コスタリカにようこそ!
さすがですね、ドンピシャです! お噂通りですね♪」
今度はデッキクルーからの通信だ
「ああ・・ ありがとう・・ (って、いったい何の噂だ?)
機体整備は不要だ、というか・・ 訳の解らん機体だろ?
だから、燃料の補給だけは頼む! 時にアポジモータには満タンでな!」
「・・・ はい! 了解です
というか、すごい機体ですね・・
こんなの見たことがありません!
プロペラントタンクの威圧感もそうですが
連装のメガ粒子砲ですかぁ?・・
ほんと、すごいや!!」
「ああ・・ 軍機だぞ・・ サラミス主砲クラスだ・・」
「・・・ ヒュー♪」
「そろそろ、量産型も配備されつつあると聞くが・・」
「・・・ そっ!そうなんですか?・・ さすが前線配置ですね
まぁ、このような区域ではボールさんと旧式小型戦闘機が主で
ジムなどの花形機種はほとんど見かけません・・
やっぱ良いなぁ・・」
「そう言うな、乗る側としては、言うほど良いものでもないぞ・・
で・・ レイテは左舷だな?」
「・・・ はい、左舷上部デッキに停留中です・・
レイテ接続部損傷のため、接続デッキにはエアーの充填はありません
そのままノーマルスーツでお願いします。」
「解った・・ じゃ・・頼むぞ!」
と、機体から出ようとするとパイロットノーマルスーツの一団がYUKIKAZEの
周りに群がって来た・・
やはりパイロットと言う輩は、機体オタクの要素も持つ、珍しいのだろう・・
着艦した右舷デッキには、小型戦闘機「FF-4 トリアーエズ」の
一個小隊(5機)が並んでいた・・
(彼らはトリアーエズのパイロット達だな・・
あっ・・ そうか!
機体長が短いトリアーエズなら、着艦フック地点も20メートルあれば十分か・・)
そんな事を考えながら、私は左舷デッキに体を流していった・・
・・・
レイテの第2艦橋にあるサブコントロールルームに入ると
聞きなれた?波長の声が耳に飛び込んできた・・
「だから今、修正しただろ! どうしてダメなのだ!!」
「ええ・・ 言いましたように、私どもは貴部隊の部隊長サインが無いと
受理できないのですよ・・ 修正部分に対し承認がありません」
「バカ者! だから何度も言っただろ、私が戦隊長の代行者だ!」
「と言われましても・・ その場合は
代行者を証明する委任状が無いと受理した私が怒られちゃいます・・」
「きぃっさまぁ!! なんだその口の利き方は!!」
「ですから、私も何度も言っていますように、正しい書類さえご提示頂けたら・・」
「どうしたんだ? いつものようにキャンキャン吼えて・・」
興奮状態のマスミン大尉の後ろから声をかけた・・
というか、かけてしまった・・
「あ~ああ!! また変な奴がぁ・・ どうして貴様がここに居る!!」
振り向きざまにマスミン大尉が更に1段キーを上げて叫ぶ・・
どうやら、声をかけるタイミングを間違えたようだが・・
もう遅い・・
「キャンキャン吼えるなよ・・ 可愛い顔が台無しだ・・
戦隊長からの命令だ・・
お迎えの予定だったオーリンが、あの戦闘でMIAだ・・」
「・・なに? MIA?・・・・」
「ああ・・ 他にもリンちゃんとチコちゃんも行方が知れない
捜索中だが、時間的にも既にエアーが切れている・・」
「そうか・・ ここに来て大きな戦力ダウンだな・・」
「ああ・・ 戦争だからな・・ しかしな、根拠もクソも無いが
奴らは消えてない・・ そんな変な感覚が今回はあるんだ・・」
「ほう? 不思議だな・・」
「ああ・・ 何度も部下を失ってきたが、ちょっといつもと違う感じだ・・」
「だったら良いな・・」
と、ニコリと笑顔を覗かせる・・ (その顔・・ 卑怯だぞマスミン・・)
「ところで、何を揉めているんだ?」
「ああ・・ 負傷者リストに記載ミスがあったので変更したのだが
それが、戦隊長承認後の改竄だとぬかしやがる・・
まるでジャブローの奴らと同んなじだ! 話にならん!!」
「特務大尉殿・・ それはお言葉が過ぎます反逆罪にも・・」
背後から先ほどから口論していた、主計の中尉が口を挟んだ・・
「うるさいな! きさまぁ・・ 貴様こそ上官侮辱罪だと言っている!
というか、主計の分際で現場に負荷をかけるな!
貴様らの仕事は現場で頑張る兵士のスタッフ業務だろ!
最前線では命を懸けてジオンと戦っているのだ!
わかるか? この瞬間にも何人もの若者が命の灯火を消しているんだぞ!!
お役所仕事などは現場に対する冒涜だ! 改善しろ!!
グダグダ言わずに受理し、文句が出たら後で私に言え!! 解ったか!!」
「そうは言いましても・・
規則は規則ですので、例外を作ると軍律の乱れに繋がり・・」
(パチパチパチパチ!)
「すばらしい!! さすが連邦軍士官の鏡だな!
高圧的な上官に対しても、軍規を守るその姿・・ 中尉は優秀だな♪」
「おい・・ ワサビィ・・ 何を・・」
話に割って入ろうとしたマスミンの口に、軽く人差し指を触れ蓋をする・・
「なぁ中尉・・ 私は21独立戦隊MS中隊のワサビィだが・・
うちの要員がなぁ・・ 今日の戦闘でも優秀なパイロットが3名もMIAで
減っちゃってなぁ、更に艦も損傷を受け、要員の士気も下がっている・・
まぁ艦といっても、このコスタリカと同じコロンブス改修艦でペラペラだ・・
そこで提案だ! 有能な君の名前を、私の上官であるワッケイン司令に伝え
配置転換したいのだが・・
どうだ? 私の所に来ないか?
楽しいぞ! 毎日ジオンとの戦闘だし、次の大きな作戦の前でもある!
ここの仕事も本当に大変だろうが、是非!中尉をスカウトしたい
えっとぉ・・ 中尉の名前は?・・」
「あっ・・ いえ! スカウト頂き、本当に感謝でありますが・・
ここの仕事もバックアップが居ませんので抜けるとなると・・
というか・・
そうそう!! 急ぎですよね、この書類!
こいつの処理を行わないといけません、負傷兵も沢山いますし
改竄にならないよう、内部稟議で処理できるかもしれません・・
そんなこんなで、なにかと忙しく・・
本当に、ありがとうございます。しかし、このような状況でもあり
この話はまた後日に・・と言う事で・・」
「そうなのか・・ 非常に残念だなぁ・・
君のような優秀な士官が我が21戦隊に加入したら、ジオンも尻尾を振って
退散するのになぁ・・ 残念だ・・
いや、ちょっと仕事を増やしてしまったようだな・・
すまんが、このわがまま娘の不出来な書類は、優秀な中尉でなければ
処理も出来ないだろう、忙しいところ非常に申し訳ないが宜しく頼む!」
「はっ! 了解しました大尉! 大尉もご無事で!!
特務大尉殿! 諸般の事情は理解いたしました!
完了までは少々時間をいただきますが、書類は受理いたします。
ではっ!」
「ああ・・ ありがとう♪ 後は頼んだぞ!」
ポカンとした顔のマスミンにウインクし、主計の中尉に背を向け
その場を離れる・・ 後ろからマスミン大尉が着いてきた・・
「おいワサビィ・・ いったいどんな魔法を使ったんだ?」
「ん・・ 見て解らんか? あの青二才中尉、実戦経験無しと見た・・
アースノイドだろ? 多分ジャブロー高官の息子か何かだ・・
というか、あの腰周りではMSのコックピットはキツイだろうな・・
パイロット記章も飾りだろ・・ 記章を付けて主計って ありえんだろ?」
「なるほど・・ そう言う事か・・」
「ああ・・ 自分から率先してまで、危険な最前線には来ないよ・・
ああゆう輩がジャブローに戻り、出世していくんだろうな・・」
「しかし・・ 口の上手さはさすがだな♪」
「おう 惚れ直したか?」
「無礼者! 何を言うか! 根性無しのくせに♪」
「またそれを言う・・
そうだ!! ここだと戦隊長など、邪魔者は居ない・・
レイテには空室も沢山あるし・・
どうだ・・? 根性無しかどうか・・ 一度試してみるか?」
「・・・ えっ・・ 」
<第44話>ひよっこパイロットに続く・・・
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