いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第40話>絹のスカーフ? / [小説]ガンダム外伝

2010-07-28 20:52:39 | [小説]ガンダム外伝
<ここまでの話>
【第1部】
<第1話> から <第24話>までのリンク

【第2部】
<第25話> から <第35話>までのリンク

<第36話>敵艦接近!
<第37話>被弾!そして・・
<第38話>MIA・・
<第39話>信頼!

【ガンダム外伝を楽しむための補講】
補講(4)MS運用艦ヒポグリフ
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「信頼・・(そうだ・・信頼! また忘れかけていた・・)
 了解であります戦隊長! 全力でアッシー君を遂行しますっ!」

「頼んだわよ♪
 あっそうそう・・ マスミン大尉からの報告なんだけど
 レイテ所属の海兵隊を、10バンチコロニーに2個班を残したそうよ・・
 指摘してくれたのは、ワサビィよね、
 ありがとう♪
 グリフィンとヒポグリフに1個班づつ常駐させる予定・・
 やっぱり統制面でも海兵は必要よね!
 というか、この先は白兵もありうるだろうし・・」

「やはり、噂の白兵があるんですか?」

「まぁね・・ 今回の作戦(チェンバロ作戦=ソロモン攻略戦)には無いけど
 その後の攻略ポイントによっては、白兵は必要だし、
 海兵の皆はそれを想定して訓練にも励んでいるって聞くわ・・」

「それは聞いています、いや・・今回の作戦にあるのかな?と・・」

「無いわ・・ 今回の作戦にはね・・あっ! これは禁則事項よ♪」

「では♪
 YUKIKAZEの修理状況と改修内容の詳細を確認したいのでデッキに向かいます」

「あっ・・ そうそう・・ 戦闘記録を滞納していない?」

「えっ・・ あれは小隊長が書くのでは?・・」

「そのように指示はしたの?」

「いや・・ それは・・」

「じゃあ、だめジャン♪ すぐに出してね」

「戦隊長!・・ そんなぁ・・」

「まぁ・・ 状況は理解しているけど、士官としての責務は確実に履行してね
 それだけです♪」

( くそぉ・・ 可愛い顔してサラッと言う・・ やっぱ鬼だ・・ )

「はいはい・・」

「返事は一回♪」

・・・

さて・・いつの戦闘報告から書けてないんだろ?・・
そんな事を考えながら、3階デッキから右舷カーゴデッキを覗き込むと
YUKIKAZEの周りの作業員の数も少なくなっている
どうやら、コックピットに人が入り最終稼動検査に入っているようだ・・
(ん?・・ あれは??)

「クマ軍曹! 身体は大丈夫なのか?」

と、3階デッキから飛び出し、身体をYUKIKAZEに流していった・・

「あっ! 大尉! 身体は大丈夫ですが、私のせいでリン少尉が・・」

YUKIKAZEのコックピットの前面に馬乗りになり、クマ軍曹と正対する・・

「何だとぉ? 貴様のせいでリンが、だとぉ?
 うぬぼれるんじゃない!」

「す・・ すみません! そのような意味ではなく・・」

「皆まで言うな、解っている、クマの責任ではないからな!
 で・・ ユカは?」

「少尉はメディカルチェック中です・・ 私が先に受けていましたので・・」

「そうか・・ で・・ ジムの損傷は?」

「ハイ! 自分のジムコマンド 214号機は左腕と左脚の交換が必要です。
 ジムコマンドのパーツはヒポグリフなので、グリフィンでは修理不可で。
 更に、シールドも紛失してしまい・・ シールド予備は無いので、
 サミー曹長がお怒りになるかと・・
 少尉のジム215号機は右腕が完全におしゃかになってます
 左腕でビームサーベルを使用されていましたので、
 シールドとビームスプレーガンの紛失になります・・」

「と言う事は・・ ジムの腕部はグリフィンに在庫があるから
 ユカのジムはこちらで修理可能だが、クマのコマンド214は
 ヒポグリフに送るしかないということか・・
 ここに来て、いきなりの稼働率ダウンだな
 そういえば・・ ヒロのコマンド212も脚部に異常が出ていたっけ・・」
(ヒロめ・・ 機体をだましだましで使っていやがる・・)
 
ジムの交換パーツは多めにあるが、
ジムコマンドの交換パーツは少ないのが現状だ
次の作戦までには 稼働率を 100%近くに戻さないとまずい・・

「また、敵に遭遇したら、情けないが全力で逃げるしかないな・・」

「はぁ・・ 本当に申し訳ありません・・」

「おいおい! クマが悪い訳ではないと言っただろ! 気にするな!」

「いえ・・ 私が悪いんです・・」

「ん? なぜそう思う?」

「大尉・・ それは・・
 僚機であるリン少尉とのコンビネーションで引きと詰めのタイミングがずれて
 距離が開き、その穴にザクに入り込まれ連携ラインが切れたのが原因なんです・・
 これは、完全に私のミスです・・」

「ああ・・ そんな事だとは思っていた・・
 しかしな、良く考えろ! そのような事は頻繁に起こっている事だろ?
 ザクがこちらの思うように動いてくれるか? 
 だからこちらにはチームがある・・ そして訓練もしている!
 2人ペアであっても、それ以外のメンバーが居るんだ!
 今回も、クマが助かったのは、ユカがカバーしてくれたからではないのか?」

「さすが大尉・・ 見ておられないのに、その通りです・・
 あの時、ユカ少尉が援護してくれなければ・・
 今、この身が在ったのか?などは解りませんが・・ 
 ただ、リン少尉が・・」

「もう、言うなと言っただろ!
 忘れろ!とは言わないが、引きづるなって事だ!
 引きづると、次は貴様の番になる・・ 解ったな!」

「はっ! 了解であります!」

(戦隊長には2機と約束したが、グリフィンとヒポグリフが別々に分かれる事を
 考えると・・ 2機はきつい・・ ユカのジム215の修理を急がせよう・・
 ここは1機をグリフィンに戻すしかないだろう・・)

「じゃ、ヒポグリフから、第2小隊の誰かを1機こちらに戻すぞ・・
 整備兵!すまんが、ヒポグリフに回線を繋いでくれ!」

「了解です大尉!」

「・・・ こちらヒポグリフ、マサップです!
     ワサビィ大尉・・ どうされました?」

「おう! マサップ! すまんが現在の待機は誰だ?」

「・・・ ハンドラーシステムにモニターを切り替えますので、
     少々お待ちください・・
     アンジー少尉が2番カタパルトで待機中ですね・・」

「そうか・・ 第2小隊のメンバーは?」

「・・・ そうですね・・ そろそろミィ少尉とドロシー軍曹が帰艦予定ですが・・」

「次の待機予定者は?」

「・・・ ヒロ中尉なのですが・・ 彼ったら言う事を聞かなくって・・」

「そんな事だと思った・・ 絶対に休ませろ!
 点滴などは使用せず水分を補給させ、簡易重力装置で30分の仮眠を取らせろ!
 その間にヒロのジムコマンドの整備を行ってくれ! ガタが来ているはずだ・・
 頼む・・
 で・・ドロシーには申し訳ないんだが・・
 報告がすんだら至急グリフィンに来るよう指示してくれ!」

「・・・ 了解です、ドロシー軍曹には別任務ですか?」

「ああ・・ すまん・・
 でな・・ 想像は付いているだろうが、グリフィンがその別任務だ
 そうなるとヒポグリフが単艦になり防衛力が低下する・・
 対策として探索隊からミィ少尉とウーミン伍長を外し、防衛分隊を設定する。
 分隊長にはミィ少尉を任命してくれ、
 そして、ヒポグリフの上方1500付近で待機し、ジオンが来たら先制狙撃で
 ジオンの進入を遮断して欲しいと伝えてくれ・・
 ジムスナイパーⅡとR-4型ビームライフルの性能、そしてミィのセンスに期待だ!
 あと、修理が必要だが、クマ軍曹のジムコマンドを
 そちらに搬送する・・ 悪いがウーミン伍長にボールで取りに来るよう
 伝えてくれ・・
 機体の稼働率が低下している・・ 整備班に伝えすぐに修理に入って欲しい・・」

「・・・ 了解です!
     というか、その整備班ですが、1つやりましたよ♪」

「ん? なにをしたんだ?」

「・・・ はい! まだ完全ではないですが、あの中破したジム218号機を
     稼動できるレベルまで改修できたとの報告です♪」

「おほ! すごいじゃないか! ヒポグリフの整備班も良い感じじゃないか!!」

「・・・ まぁ・・ いきなりの戦闘をこの短期間に2度も経験し、
     どちらも、MS隊に助けられた事から、MS隊のために何ができるかを
     彼らなりに考え行動しているようです・・
     というか、モチベーションが非常に高くなっていて、ほんと良い感じです♪」

「よし! その機体はヒロにも伝え、運用に入ってくれ♪
 一時的に、ヒロの第1小隊にヤークを編入し、探索を継続してくれ
 クマもそちらに向かわせる!
 ミィの分隊(防衛分隊)には、先ほども言ったようにウーミンを入れる・・
 1小隊+1分隊で運用を頼む! 以上だ!」

「・・・ 大尉!了解しました、では早速対応に入ります・・
     で・・ 大尉のご帰艦は?」

「ああ・・ 私は私で別任務だ・・ しばらく帰らん、だから頼んでいる」

「・・・ そうですか・・ 了解です、早いご帰艦をお持ちいたします では♪」


通信を終え、再度クマ軍曹と対面する・・

「で・・ YUKIKAZEのチェックは、どうだ?」

「はい! 一通りの機動チェックとパスチェック・・
 そして、ログの確認までは終了しましたが、アドオン機能に
 ついての確認作業の途中です・・」

「ああ・・ レーザー通信機の設置と操縦席でのビーム砲制御だよな
 ビーム砲の照準は仰角なしのゼロ掃射と聞いている・・
 というか、やっぱりアポジモータとの制御プログラムと
 連装同時発を単発への変更は間に合わないんだよな?」

と、後部座席の整備兵に問い掛けた

「そうですねぇ・・ 機体底部の損傷などがなければ
 時間もあったと思うのですが・・ なんせやる事が多くって・・」

「おい! 兵長!大尉殿に対して、なんと言う口の利き方を!」

「はっ! 大尉殿、申し訳ありませんっ! 口が過ぎました軍曹殿っ!!」

「いや・・ 整備兵を責めるな・・
 底部の損傷は私が原因だ・・ それはクマも知っているだろう?
 というか、クマのコマンドだって・・」

「た・・ 大尉!! そ、それは・・!!」

「なっ♪・・ というか、この数日の間の出来事を考えてみろ
 整備班は連日機体の修理だぞ・・ 私達が壊してばっかりだからな・・」

「でも、それが彼らの職務で責務でもあり・・」

「解っているさ・・ でも、彼らの頑張りがあるから、
 我々は安心して機体を操る事ができるんだろ?
 機体を壊さないのが一番だが、我らは彼らのためにも
 無事に機体を持ち帰ることが大事な責務でもある訳だ・・
 解っているよな?」

「それは良く理解しています・・ が、しかし・・」

「まぁ・・ 私が良いと言っている・・ それでいいだろ?」

「はぁ・・
 ということだ、兵長! 今後は注意するように! 良いな!」

「はっ! ありがとうございます! 軍曹殿!!」

「で・・ どうなんだ?」

「ハイ! アポジモータの同期はビジー班長殿しか出来ません・・
 ですので間に合わないのですが・・ う~ん・・
 そうですね♪・・ 単発仕様は何とかしましょう!
 発進まで、どれぐらい時間があるのでしょうか?」

「それは、修理完了後に速やかに発進なんだが・・ という事は・・」

「了解です大尉殿! 自分に30分ください!」

「ああ解った! 30分だな? 頼んだぞ!
 ところで・・ 貴様の担当はどの機体だ?」

「はっ! YUKIKAZEの担当ではありますが、チームはオーリン隊長機です」

「そうか・・ では1つ整備班に指示伝達を頼む
 先ほどの通信内容は理解したはずだ・・
 悪いが、こちらにはユカ少尉とドロシー軍曹のジム215と216の2機だけになる
 ミィ少尉のスナイパー219とヤーク軍曹のジム217・・ そしてウーミン伍長の
 ボール21B3の整備担当チームはヒポグリフに異動してくれ・・
 時間が無い・・ 移住ではなく身体だけの移動だ・・
 私が乗ってきたヒポグリフのランチを使ってくれ、頼む・・」

「了解であります!」

「おう・・ 頼んだぞ・・
 じゃ、クマ・・ あとの確認作業など、悪いがよろしく頼む
 そして、クマのコマンドだが・・ さっきも聞いていただろ?
 ウーミンが取りに来る、ヒポグリフに搬送するときに同乗し異動してくれ・・」

「了解です大尉
 というか、兵長・・ 貴様、30分でできるのか?」

「ハイ!
 ちょっと寝てなかったので、モチベーションが下がってました・・
 でも、出来ないことは言いません! 任せてください♪
 我らもヒポグリフの整備班には負けません! 見ていてください♪」

「よし♪ 頑張ってくれ!(こちらも良い感じじゃないか!相乗効果って奴だな♪)
 じゃ、ちょっくらユカの様子でも見てくるか・・ 30分後に戻るぞ!」

と、セイバーブースターを軽く蹴り、その反動で居住区のあるデッキに
飛び上がった・・

・・・

救護室に入ると、白衣を着たクロヒッツ少佐が1人で端末を操作していた

「あら? ワサビィ大尉・・ 何のご用? 今は若い看護兵はいないわよ♪」

「しょ・・ 少佐ぁ! 会えばこれですか?
 若い看護兵のウェーブなど目的ではないですよ・・ まぁ居れば良いですが・・
 でも、白衣の少佐殿って、なんか新鮮です♪
 少佐ほどの良い女は、何を着られてもお似合いで・・」

「あら? コスプレ趣味がおありでしたっけ?
 そういえば・・・、確かサミー曹長と趣味が一緒だとか・・」

「ちょ・・ ちょっと待ってください! どこでそんな情報を?」

「そんな事はいいじゃない♪
 というか、私も好きで着ているわけでは無いのね・・
 戦隊長から艦長の職務を委譲された時から、看護班は私の管轄になってね
 負傷兵の付き添いとかで、コンペット准尉がマスミン大尉と一緒に
 レイテに行っちゃったから・・ 仕方なくよ・・
 でも・・ 気に入ってもらえると嬉しいものね♪ このまま着てようかしら♪
 ところで・・ 御用はなぁに?」

「はぁ・・ ユカ少尉が検査中だと聞いたもので・・」

「あら? 若い部下の検査を、こっそり覗き見しに来たの?」

「少佐殿・・
 そりゃラッキー!って事もあるかもしれませんが、
 今回は純粋に部下の様子が気になって・・」

「そうよね・・ 冗談はこの辺にしておくわ・・
 リン少尉、オーリン准尉、チコ伍長・・ ほんとに心配ですものね・・
 で・・ ユカ少尉は大丈夫よ、検査の結果も異常なし・・
 簡易重力装置でしばらく仮眠を取らせているわ・・ だから安心して!
 でも、今は簡易重力装置に行っちゃダメよ、
 ユカちゃんが、一人で寝ているんだから♪  ねっ!」

「それって・・
 簡易重力装置に行け!と言っているように聞こえちゃいます・・」

「あら?そうかしら? 大変だわ♪ 耳の検査をしましょうか? ♪」

「ですね♪」

そんなバカ話をしながら、少佐の気遣いをありがたく感じていた・・
というか、皆、気遣ってくれている、そんな皆の気遣いが心地よく
3名ものMIAで気が立っていた私の心も、落ち着きを取り戻している事を
実感していた・・
そんなとき、ふと看護室のカーテンに目が行った・・

「そうだ!・・ 少佐! このカーテン・・ 予備がありますか?」

「なぁに? カーテン? 予備はあるとは思うけど・・
 実際にあるのかなどは、まだ戦隊長から引継ぎ中なので・・
 で・・ カーテンに一体何のご用なの?」

「はぁ・・ 実はまたYUKIKAZEに乗るのですが・・
 パイロットスカーフが無いのです・・ 丁度良いような布地かな?と・・」

「そう?」

と、クロヒッツ少佐がカーテンに向かい手に取った・・

「どうかしら? これは化学繊維よね・・ 硬くないかしら?」

「そうですか?」

クロヒッツ少佐に続き、自分でもカーテンの布地の感触を確かめてみる・・

「そうですね・・ ちょっと硬いかな・・」

「触っているうちに硬くなるのかしら?」

「いや・・ それは無いでしょう・・」

「冗談よ♪ というか、パイロットスカーフってシルクよね?」

「はい・・そう聞いています・・ 宇宙航空機などでは常にクビを回していますので、
 硬いと首が切れちゃうんです・・
 まだ調達していないので、代用品を探していたのですが・・
 無いときついなぁ・・ と・・ 」

「発進はいつ?」

「あと25分後には・・」

「そうなの・・ 時間が無いのね・・ 

「はい・・ なければ、無しで行こうかと・・
 地球衛星軌道までのルートは、現在連邦軍が掌握したとの連絡もありますので・・」

「ダメよ、無しって事はヘルメットを外して搭乗するつもりでしょ?
 まだ、ジオンが潜伏していると言う情報もあるわ・・ 絶対にダメ!!」

「いや、戦闘状態になったら、メットは着用しますから・・」

「絹製だったら良いのね?」

「まぁ、そうですが・・」

「ひょっとしたら、あるかもしれないわ・・」

「えっ♪ そ! そうなんですか!!」

「ちょっとついて来てくださる」

と、言いながらクロヒッツ少佐は白衣を脱ぎ、
看護室を出て士官居住区に流れて行く・・ 私は慌てて、後を追った・・

・・・

私はクロヒッツ少佐の部屋の前で少佐が部屋から出てくるのを
待っていた・・
しばらくすると少佐の部屋のドアが開き・・

「ごめんなさい・・ やっぱり無理だわ・・」

「ああ・・ そうですか、まぁ半分以上はあきらめていましたので」

「・・・ そ・・ そういう事じゃないの・・
 まぁ、無いわけではないんだけど・・」

「えっ? あったのですか?」

「いや・・ ごめんなさい・・ 」

「そうしたんですか? 少佐らしくない」

「そうね・・ 立ち話もなんだから、ちょっと入ってくれる・・」

と、少佐に促されるままに、クロヒッツ少佐の部屋に入った・・
女性の部屋に入るのは、この戦隊に移ってから2度目になるが
やはり、少々気まずい感は隠せない・・

入ると自動的に私の後ろでドアが閉まる・・
少佐の部屋は女性らしく、質素な中にもきちんと整理されていて
野郎の部屋には無い清潔感を感じさせた・・
ほのかに良い香りがするのは気のせいだろうか♪

というか、少佐の様子が少々変な事に気が付いた・・

「あのね・・ 無いわけでは無いのよ・・
 でも・・ 無かったら大尉の命にも関わる重要なアイテムなのよね・・
 だからね・・ 
 ああ! 私って何を言っているのかしら・・ ほんと、困ったわ・・
 どうしましょう・・」

初心(うぶ)な少女のように、少佐の顔がうっすらと赤みを帯びている
それを意識したと同時に、私の下半身に血液が凝縮するのを感じていた・・

(やばい・・♪ というか・・ か・・可愛い♪・・)

「変な事には、使わないわよねっ?
 もう・・ これは命令です! 黙ってこれを使いなさい!!」

と同時に、少佐が手の中に丸めた、白い布地の固まりを私に手渡した・・
手に取った感覚は柔らかく、それが絹製である事が瞬時に理解できた・・ が・・

「これは・・」

と布地を広げようとした瞬間に・・

「ダメっ!! 広げちゃダメ!!!」

と、クロヒッツ少佐が私の手の布地を取ろうとし、飛びかかってきた瞬間交錯し、
私の腕の中に入り込み、そのまま2人が倒れこんでしまった・・

目の前数センチに丹精に整った少佐の唇・・
鼻には、ほのかに香る心地よい香り・・
そして腕の中には、肢体の柔らかな感触・・

もう・・ もう・・ ダメだ・・

<第41話>ノーマルスーツは9号?」に続く・・・

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