いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

<第22話>サンダーボール作戦! / ガンダム外伝

2007-11-27 05:13:05 | [小説]ガンダム外伝
<ここまでの話>
<第1話> から <第18話>までのリンク
<第19話>10バンチコロニー・・
<第20-1話>暇つぶし?(1)
<第20-2話>暇つぶし?(2)
<第21話>作戦名は?
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「サンダーボール作戦!・・ 開始します!」

「イエス! マム!!」

艦長の発動でグリフィンクルー達が一斉に作業に入る・・

「コントロール! 聞こえるか? ワサビィだ!
 レーザー通信でヒロ中尉とユカ少尉に作戦開始を伝えてくれ!」

「・・・ 大尉! 了解です!」

「オーリン・・ グリフィンと211号機を頼むぞ!」

「はいな! 行ってらっしゃい ♪」

「チコ伍長! 気楽に行こうぜ! 私に任せておけ!」

「は・・ はい!・・」

「誰でも、最初はちょっぴり怖いのさ♪
 でも・・ 怖いのは最初だけ・・ な?」

「おい! ワサビィ! 貴様! 若い娘に違った事を教えてないかぁ?」

「あっ・・ いや・・ マスミン大尉! 今回の作戦のポイントは、私とチコ伍長が
 一体となる事が成功の秘訣であり・・」

「何が一体だ! 貴様、成功の文字が、違った文字になってないかぁ? ああん?」

「おかしい!♪ プッ・・!」

チコ伍長が隣で笑っている・・ 私はマスミン大尉にウインクした
(サンキュー、マスミン♪)
伍長の初陣に対し、緊張を和らげてくれた好意に対し・・ 感謝だ!!

私とチコ伍長は、カーゴデッキに流れて行った・・
既にボールは整備済み・・さすがグリフィンの整備班は優秀である・・ 
私のボール2号機に、ビジー軍曹が取り付いて、起動をかけていてくれた・・
整備を手伝ってくれているようだ・・ ありがたい!

「大尉・・ 私の主観ですが・・ やはりザクなどのモビルスーツが配置されている
 可能性が高いと思います・・ 注意してください!」

「ああ・・ ビジー軍曹・・ ありがとう・・
 そのときは、全性能をフルに活用して、全速力で逃げるさ!♪・・」

「では! ご武運を!」

「ラジャ! ハッチ閉めるぞ!」

ハッチを閉めながら、私は通信回線を開いた・・

「チコ伍長! 聞こえるか?」

「・・・ 大尉! 感度良好です!」

「発進プロセスの進捗を報告しろ!」

「・・・ ジョブ5まで、オールグリーンです・・」

「了解! サンダーボール作戦だ、今からチコ伍長はキャサリンだ! いいな!♪」

「・・・ ええっ・・ キャサリンですかぁ・・ 私的には、あけみとかぁ・・」

「おいおい・・ それじゃぁ飲み屋の子みたいじゃないか・・」

「・・・ あっ、今、全国のあけみさんを敵に回しましたよ♪
     でも・・ キャサリンかぁ・・ まぁいっか!」

「良し! 良い子だ! 回線はオールレンジで開放しておけ!
 コントロール! 聞こえるか! カーゴデッキのハッチを開けてくれ!」

「・・・ 大尉! 了解です!」

カーゴデッキにサイレンが鳴り響き、パトランプが点滅を開始した・・、
カーゴ内の空気が抜けていく・・音がスピーカからの音だけに変化し、
カーゴデッキのハッチが開き始めた・・ 

「・・・ ベリーワンボール2号機、ボール3号機チコ伍長・・
     進路、オールグリーンです。 発進願います!」

「ありがとう! ベリーワン、ボール2 ワサビィ 出る!」

「・・・ チコ・・ あっ・・ えっとぉ・・ キャサリンでますわよ~♪」

「やるなぁ・・ チコ伍長!その調子だ!」

私とチコ伍長は軽くロケットを噴射させ、艦の外に出た・・

「行くぞ!」

「・・・ ハイ!」

私はボールのロケットに対しフルスロットルをくれてやった!
チコ伍長もついて来る! いい感じだ・・
何秒かの不定期な間隔で、バーニアを吹かし、軌道を不規則にチェンジする・・
直線的な動きでは、狙って下さいと言わんばかりの、単なる的になってしまうからだ・・
チコ伍長の動きが定期的だ・・

「キャサリンちゃん♪ 軌道変更が定期的だぞ!、リズムを取るな・・
 お尻で感じろ! むずむずしたら軌道を変えるんだ! 常に見られていると思え!」

「・・・ キャサリン了解ですぅ!」

「良し、前に出ろ!」

「・・・ 了解!」

私はチコ伍長を先行させ、前面スクリーンのスイッチを入れた・・
ボールの前面ハッチが透明になる・・ チコ伍長の排気炎が綺麗だ・・

数分フルスロットルを吹かし、29バンチコロニーの残骸に近づいた・・
見ると、ジムコマンドが3機見える・・
真ん中で手を振っているのは・・ ヒロ中尉だろう・・
ジムコマンドのスタンバイ位置を確認し、座標を登録した・・

2機のボールは慣性飛行に移るが、バーニアによるジグザク航行は継続する・・
10バンチコロニーを、視点の中心に定めた!
予測したようにミノフスキー粒子は散布されていない・・ いけるぞ!
(さて・・ そろそろ始めようか・・)

「キャサリンちゃ~ん♪ こんな偵察なんか、さっさと終らせて 早く帰ろうよぉ!」

「・・・ えっ・・ 何・・」

「ばか! 合わせろ!」

「・・・ なに言ってるんですかぁ・・ また叱られますよ・・」

「だってぇ・・ 退屈じゃん! こんな所にジオンなんていないさ!」

「・・・ だから居るか居ないか、探すから偵察任務なんでしょ?」

「ちぇ・・ じゃあさっさと終らせちゃって、てきとぉに報告しちゃおうよ」

「・・・ もう・・ いつもそうなんだからぁ・・」

「でね・・ また、今晩もキャサリンちゃんのお部屋に行ってもいい?」

「・・・ えっ・・ 」

「ねぇ・・ 昨日の夜のように、あんな事やこんな事を! ね!♪」

「・・・ そ・・ 」

「じゃあ・・ 追いかけるから、ぼくがロックオンして、つかまったら
 ぼくの勝ちね! じゃあ、捕まえちゃうぞぉ~♪」

「・・・ そんな・・ ・・ 解ったわ・・ じゃ、捕まえて御覧なさいよ!」

「よおし! 子猫ちゃん、待ってなさいよぉ~ 捕まえちゃうからねぇ~♪」

「・・・ そんな鈍足には、捕まらないわよぉ~・・
     捕まえたら、ご褒美は、わ・た・し・♪ 」

うっ・・ チコ伍長・・ やるなぁ・・ 私のいきなりの仕掛けについて来た・・

「よぉし! サンダーボール作戦だぁ!!」

と、ボールをジグザグに機動させ、チコ伍長のボール3号機の背後に付く!
チコ伍長は、正に稲妻のような軌跡でボールを操作する!(サンダーボールってこれ?)

「ロックオ~! んん・・くそぉ! 逃げたか!」

「・・・ はい!残念でした! そうは行かないわよ!」

チコ伍長の軌道変更は、今までに見たことが無いほど、鋭い軌道変更だった・・
瞬間的に視界から消える・・
センサーで場所を確認し、有視界から慣れたパネル表示に切り替え、3号機を探す・・

(下か・・)

バーニアでボールを回転させ、チコ伍長を視界に捉えた・・ が・・ 

「・・・ ロックオ~ン! はい! おしまい!」

「うっ・・ やられたのか?・・ 」

「・・・ そうですよ、1回死にました♪ 5発は撃ちこんでますよ♪」

面白い! このボールという奴!、機動力が素晴らしい事は気が付いていたが・・
専門の訓練を受けているパイロットと、そうでないパイロットの違いがこれほど
出るとは・・ 素晴らしい情報を手に入れた・・ これも戦果だ!
しかし・・ 今は作戦中・・ 継続しないと・・

「でもね・・ ゾンビだぞぉ 3回まで生き返るのさ!」

「・・・ そんなぁ! ずるいですよ!」

「言った事は覚えているだろうな! ご褒美は? 何だって?」

「・・・ うそぉ・・ 本気ですか?・・」

「誰がモンキーやねん!」

「・・・ もう・・ 冗談でしょう? 大尉はエエとこの子でしょう?」

「だれがエテ公の子やねん!」

( どうも・・ お約束、ありがとう ♪ )

「いくぞぉ~ キャサリンちゃんは、俺のものぉ~」

「・・・ 何度やってもおなじですよぉ~ だ!!  べぇ~!」

「何がべぇ~だ! 怒ったぞ! 本当に捕まえて、ご褒美もらっちゃうぞぉ♪・・」

2機のボールはジャレ合うように、10バンチコロニーの前まで移動してきた・・
私とチコ伍長の通信は、オールレンジで発信されている・・ ジオンの偵察小隊も
通信は傍受しているはずだ! (引っかかって来い!)
私は、チコ伍長と絡みながらも、10バンチコロニーの宇宙港ハッチを注視していた・・
チコ伍長も同じであろう・・
馬鹿な会話を継続しながらだが、手にはじっとりと汗が噴出している・・

(早く、餌に食いつけ!)

時間の経過が、異様に長く感じた・・

(ん? 動いた?・・ ハッチが開くぞ!・・
 まだだ・・ まだ気付いた動きは駄目だ!  何が出てくる・・)

動きを継続しながら、ハッチを見る・・
(出た! 1つ、2つ、3つ・・ 遅れて4つ・・ 5つか!)
ガトル型宇宙戦闘機が4機にジッコ型突撃艇が1機・・
(モビルスーツは? ザクはまだか?)

ジオンの戦闘機群が編隊も組まずに、こちらに向かってくる・・
ロックオンのアラームが鳴る!

「チコ! 回避だ!」

2機のボールは回避行動に入る・・
その時、突然通信に割り込みが入ってきた!

「・・・ このエロがっぱの連邦さんよぉ!
     キャサリンちゃんの面倒は我らジオンに任せて、地獄に落ちな!」

なんとお下品な声だろう・・ 私は回避運動に入り、最初の初撃を回避した・・
ザクなどのモビルスーツとは異なり、宇宙戦闘機の類は、動きが直線的だ・・
ただ、バーニアは装備されているので、軌道変更は行う・・

回避と同時に反転し、スコープに捉え! 180ミリで応戦する!
しかし、敵は5機だ! 分は悪い・・
通信からはジオンパイロットの下品な笑い声が響く!・・

「・・・ おい! こっちのエロ連邦野郎を先に退治だ!
     そっちのキャサリンちゃんは捕獲するぞ!・・」

(ちっ・・ お前らも、単なるスケベオヤジじゃないか!!
 で・・お前らの通信もオールレンジかよぉ・・ 全く・・)

チコ伍長には2機が掛かっている、こちらは3機・・
(でもね・・ もうちょっと真剣になってもらわないと!)

機銃での攻撃に対し、回避しつつ、しんがりの一機に狙いをつけた・・
1機、2機と私をかすめる・・ 3機目が横をする抜ける瞬間にボールを反転させ
180ミリのトリガーを引いた! 連射!3発!!
その内の1発がガトルを捉え爆散した! やっぱり・・無血は難しいか・・

「・・・ このぉ!簡易ポッドのクセに! やりやがったな!
     勘弁なんねぇ! やるぞ!」

チコ伍長に掛かっていた2機が、矛先をこちらに向けてきた、また、今まで
バラバラであった体制に変化がでる・・ 編隊をくみ出した・・ 厄介だ!・・
チコ伍長が援護位置に入ってくれる・・ こちらは回避運動が忙しくなる・・

(そろそろ、潮時だな・・)

そんな時・・ また無線が割り込んできた・・

「・・・ 何、やってんだ!、てめえら! そんな、おもちゃ相手にぃ!」

10バンチコロニーの宇宙港から何かが出てきた・・ 間違いない・・
モビルスーツだ! やはり居た! 
 
「チコ! 逃げるぞ! 全速だ!!」

2機のボールはロケットを全開にし、29バンチコロニーを目指して逃げに入った!

「・・・ このエロガッパ野郎! 逃げれると思うのかぁ!」

速度はガトル型宇宙戦闘機の方が速い・・ 追いつかれる!
何度も回避を繰り返しながらも、全速で逃げる! モビルスーツも追ってくる・・
機体を照合した・・ MS05・・ 旧型じゃないか・・・
しかし、相手をするにはガトルなどが邪魔だ!

2機のボールは不規則なジグザグの軌道を取り、29バンチコロニーの横を通過した・・
外から見たらロケットの噴射炎で稲妻のように見えるだろう・・
実は、これがサンダーボールの正体なのだが・・ 

ジオンの戦闘機4機と旧ザク1機も、29バンチコロニーの横を通過する!

「ヒロっ! 今だ!」

「・・・ はいな! おまっとぉさん! 正義の味方!ただ今参上!
     リンは左舷! ミィは右舷を押さえろ!」

ジオンの編隊の後ろ位置を背後から3機のジムコマンドが押さえた!
3機のジムから一斉にビームが撃ちこまれる・・
しんがりを飛行していたジッコ突撃艇を、ヒロ中尉のビームが貫いた!
ジオンの残りのガトル3機はバラバラに回避行動に入る・・
ジムコマンドの3機は、それぞれの獲物に取り付く・・

一方、旧ザクは、チコ伍長に狙いを定め・・ 間を詰めて来た!
私は反転させ、旧ザクの軌道方向に180ミリを放つ!
しかし、旧ザクのパイロットも手慣れなのだろう・・
無駄の無い、小さな動きでそれを回避する・・
続けて3点射撃を放つが・・ 既に軸線を外してやがる・・
また、私のボールに対し、ザクマシンガンで的確な威嚇射撃を行ってくる・・
ボールの優れた回避能力で回避は出来るのだが、チコ伍長機の援護位置に付けない!

(ちぃ! ベテランか?・・)

旧ザクだとは、思えないような鋭い動きで挙動を変化させ間合いを詰めてきた・・
オレンジ色に輝くヒートホークでチコ伍長のボール3号機に襲い掛かる

(やばい!)

「チコぉ! 左だ! 左に回避だぁ!!」


<第23話>作戦終了!新たな問題?」に続く・・・
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