どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

今年も酒買地蔵尊

2015-07-25 21:12:57 | 日記

 

23日から天気が悪い。特に24日の夕方から25日の昼過ぎまで猛烈に雨が降った。写真は23日のものだ。晴れ間はこの後ほとんどなかった。

おかげで家に引きこもって仕事をしていたので、随分と早く仕事が終わった。ただそれを納品する形態が問題だ。DVDに焼くのだがその時間が半端ない。半日それだけで潰れてしまった。

 

 

午後は作っていたコーヒーゼリーの試食をする。コーヒーゼリーには少し問題がある。ゼラチンの味をコーヒーはごまかせない、というところにある。コロンビア産の深煎りの豆でテストしたがどうも後味にわずかに獣臭さというか、ゼラチンの味が残る。いい加減なものを使ったわけではない。ものすごく純度の高く、水にふやかすことが必要のないという顆粒状のものを使った。板ゼラチンよりははるかに匂いのないものだ。

それでは寒天を使うという方法もある。だが寒天は100度の加熱が必要でコーヒーの匂いが飛んでしまう。その上寒天は熱で溶けなくなる。舌触りと、舌の上で溶けて香りや味が広がるところがゼラチンの良さだ。寒天の良さは歯ざわりと喉越しだ。寒天の濃縮液を作ってコーヒーを入れてゼラチンとのハイブリットというレシピも考えられる。このレシピはゼラチンと寒天のいいとこ取りができるのだが、通常のドリップではコーヒーが薄まってしまう。

それでは濃いコーヒーを入れればいいのだろうと思うと実はそうもいかない。ゼリーは冷たいから、味がさらに濃くないといけない。アイスコーヒー用の豆を使ってデミタスで立てるという方法が一番手っ取り早い。だがそれでは面白くないし、濃縮コーヒー液を使ったほうがさらに早い。

それではゼラチンの味をごまかす方法は、砂糖を多く入れることだ。だがそれはコーヒーゼリーである意味がない。すると必然的に近い味のものを足すというのが答えになる。つまり甘いクリームをたっぷり入れることだ。獣臭はこれで消える。次にクリームの匂いを緩和するためにラム酒を一滴加える。ゼリーと合わせるためクリームは柔らかくホイップする。

それでは肝心要のコーヒーをどうするかだ。

マンデリンの酸味を残したギリギリの深煎り。これを60gで300ccのコーヒーを作る。そうなるとコストと味で盛岡の大矢珈琲店・焙煎坊になる。ところがだ、ロースターのモーターが壊れて。開店休業状態。マンデリンは手に入れたが、誰かこの店を救ってほしい。たかだかモーター一つなのだが、どうもうまく行かないようだ。

 

 

 

 

マンデリンはあまり好きじゃないので20年近く買ったことがない豆だった。まあそもそもこの10年間まともなコーヒー豆は買ったことがないのだが、豆ツラをみながら深遠な流通の世界を感じていた。ブラジルはお客の希望通りの味をブレンドして渡す、生豆のブレンダーがいる。ある地域を指定してもある農園を指定してもブレンダーが関わってくる。味の責任者という立場だ。だからお値段と味が確実になるのだが、豆だけを見ているといろんな豆が混じっているのがわかる。

コロンビアのように国営集荷となると均一に見えるのだが、誰も味に関して責任を取らない。ただ最終責任は政府というのがわかっているだけありがたい。

マンデリンは、どうもアジアそのもののようだ。小規模農家が豆の脱肉と乾燥までして、それを小規模業者が1次集荷→2次集荷→3次集荷ときて工場に運ばれてゆくという。そのせいか品質は集荷する人によるようだ。品質を重視して農場に顔が聞く集荷人だったらそれなりのものが集まり、とにかく量を集めるのが得意な集荷人だとそれなりのものしか集まらない。しかもそれが多段階に渡って集荷されて行けばいいものだけを集めるのはさらに困難になるという。

おまけに農家が小規模すぎて、品種が統一できない。その上農家が生豆の状態まで仕上げて比重選別までして出荷した上で、多段階集荷だから時間が掛かる。結果品質劣化が起きやすい。買った豆も小さいものは5ミリ、大きいものは15ミリとサイズのバラツキが凄まじかった。匂いもマンデリン臭かった。

 

 

酒買地蔵尊の「岩手酒めぐり」は4時50分から始まった。手前には鷲の尾さんがいるが、かなりの行列ができている。今年は残念ながら盛岡市の蔵が3つとも出していなかった。沿岸の蔵と比較するためには必要な桜顔さんがいないのが特に寂しい。300円で吟醸酒味わいほうだいなのだが、人数が多い。釜石の浜千鳥などの人気銘柄は開始30分後に無くなった。

酒の短距離走とでもいいましょうか、最後は少し気持ち悪くなった。1銘柄残して全部飲んだが、かなりきつかった。6時前には全部無くなったので、正味一時間勝負でした。

 

 

私の好みというか美味しかったのは、南部美人・八重桜・鷲の尾・吾妻峯・月輪・千両男山・浜千鳥・あと二つくらいいい蔵があった。ただ不思議なことにそれ以外の蔵では少し匂いが強かった。この理由はわからない。暖冬とか、特に岩手県の酒造好適米の吟ぎんがが少し難しい米なのでそのせいもあったかもしれない。もしかすると主催者の材木丁商店会が保管場所を間違えて、この前の35度の日に倉庫にほおりっぱなしにしたのではないのかとも考えられた。昨年がキレが良すぎて似通った酒ばかりになったのと対照的なのは間違いがない。

大槌から盛岡に引越ししてきた浜娘だが、自社工場になってからの大吟醸はなかなかのものだった。久慈の福来とは紫波の廣喜だが、もともと癖が強い蔵だ。本当は燗とかにすべき酒だが、こういった勝負では少しかわいそうだった。

 

 

利き酒大会の方は参加しなかったが、かなり難しかったようだ。知り合いが決勝に出るというのでいくつ当てたか聞いたところ、4問中2問だった。確かに岩手川が倒産してしばらく4問のうち1問は岩手県内のどこかの蔵ということでかなり難しかったが、今年は鷲の尾ということで難易度は低いはずなのだが。決勝前に「一番匂いのきつく味乗りの強いのが朝開、芳醇なのが桜顔、それよりやや辛口が菊の司で、味が濃くてやや麹臭が残るのが鷲の尾。桜顔と菊の司の区別は難しいけど菊の司の方がやや薄いはずだし2択だと思えばなんとかなります」と言っておいたのだが、岩手酒めぐりと利き酒をチャンポンでやって、決勝戦出場を逃したのであった。

ただ昔は盛岡4銘柄は飲んでいたが、最近は日本酒は鷲の尾くらいしか飲んでいない。その上この20年間で酒倉の技術がかなり上がってきた。昨年の味なんてその結果似通ってしまった。だから利き酒も難しくなったのだろう。

2問正解で決勝戦とは、難しくなった以上に誰もが日本酒を飲まなくなった結果だとすれば寂しい。

 

 

千両男山が最初に4合瓶しか出さなくてあっという間になくなって、最後に一升瓶を出してきたのはなんだったのだろうか。運営は材木町商店街だったから彼らの仕業なのだろうが、少しズルイ気がした。

なお岩手酒めぐりですが、千両男山・浜千鳥を最初に飲んでしまわないとかなりの確率で飲み逸れます。次点で南部美人・八重桜・堀の井・月輪・鷲の尾でしょうか。県南のお酒は盛岡では知られていないので開始30分後でもかなり残っています。ただ40分後だと怪しいです。ただ今年は運営が一升瓶につける注ぎ口を用意し忘れてかなりこぼしました。酒の一滴血の一滴なのですが、かなりもったいないことになっていました。


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