ヒデ系の瞳

平和憲法尊守

テレビがおかしいぞ!首相と癒着 会食・懇談が止まらない・・・。

2013-05-24 | メディア
BOW!


テレビがおかしいぞ!

首相と癒着 異常な持ち上げ

会食・懇談が止まらない…



テレビによる異常な安倍政権持ち上げ番組が相次ぐなか、安倍首相と大手メディア幹部の会食・懇談が止まりません(別表参照)。テレビ関係者は会長、社長のトップに続いて、キャスターや番組コメンテーターとして登場する解説委員も加わっています。

 首相から“ごちそう”になった通信社解説委員のA氏。さっそく番組の中で、ほかの出演者に「安倍さんにお会いになったそうで」と水を向けられ、満足そうな笑みを返しました。キャスターのB氏は自分が進行する番組で、首相公邸に迎えられたことを得意げに告白しました。

 会長や社長らトップが会食したテレビ局は、安倍首相の生出演番組を組んで、首相に言いたい放題の場を提供しています。

 日本テレビの朝のワイド情報番組「スッキリ!!」は、4月に生出演と編集版の2回連続で放送しました。日本テレビは5月には長嶋茂雄、松井秀喜両氏への国民栄誉賞表彰式も独占生中継して、首相の姿をアピールしました。日本テレビをかかえる読売新聞グループ本社会長の渡辺恒雄氏、日本テレビの大久保好男社長は会食メンバーです。

 日枝久会長が食事をしたフジテレビは、夕方の「スーパーニュース」(5月10日)に首相が生出演。放送時間は46分にも及び、官邸広報室の“秘蔵映像”なるものを付けました。といっても連休中に外遊した首相が、ロシアで散歩する様子などを撮った素人映像にすぎないものでした。

 2005年、テレビは当時の小泉純一郎内閣を持ち上げる「小泉劇場」と化して、国民から批判を浴びました。最近はテレビを番組ごと安倍内閣に明け渡して、一緒になって踊るかのようです。

 NHK、民放をも律する放送法は、「政治的公平」「不偏不党」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」ことを求めています。この精神を踏みにじるテレビの異様さに厳しい批判の声が寄せられています。

テレビ 安倍首相の拡声器か

一方的な主張を無批判に

首相側から出演売り込み


(写真)安倍首相のテレビ出演番組表
 安倍晋三首相の民放テレビ生出演が相次ぎます。経緯は「首相ご本人からオファー(売り込み)があった」(日本テレビ「スッキリ!!」)とあからさまです。

 朝の情報・ワイド番組や夕方のニュース番組という気軽に見られるものを選んで出演していることがわかります。イメージアップをねらい、それと抱き合わせで政策浸透をすりこもうとする、首相サイドの宣伝戦略が見てとれます。記者が「憲法96条の改定を任期中にやるという決意でよろしいんでしょうか」(フジテレビ「スーパーニュース」)と、あおる発言まで飛び出し、テレビが安倍政権の拡声器ともなっています。

 一方、最近のNHKテレビの場合は、「ニュース7」で首相の動向、演説、発言をそのまま流し、「ニュースウオッチ9」で、さらに詳しく説明を加えるパターンとなっています。

 2001年、日本軍「慰安婦」問題を取り上げたNHKのETV番組が改変された事件がありました。当時、官房副長官だった安倍氏がNHK幹部に注文をつけたことが明らかになっています。また、菅義偉官房長官は第1次安倍内閣のときの総務相で、NHKに国際放送で拉致問題を重点的に扱うようにと求めたことがあります。そんな経緯を踏まえて現在、NHK幹部の間で安倍政権にシフトした動きが出ているとも伝えられています。

 7月の参院選を控えて、経済、雇用、くらし、原発、憲法と大きな選択を前に、ジャーナリズムとしてのテレビの役割が問われます。国民の厳しい目が必要です。

安倍首相と在京テレビ局幹部・キャスターなどとの会食・面会(日時/相手/場所)

 ▽3月15日/フジテレビ・日枝久会長/芝公園のフランス料理店「レストラン クレッセント」

 ▽同22日/テレビ朝日・早河洋社長(他に幻冬舎社長)/首相公邸

 ▽4月4日/ジャーナリスト・田原総一朗氏/首相公邸

 ▽同5日/日本テレビ・大久保好男社長/帝国ホテル内の宴会場「楠」

 ▽5月8日/読売新聞・渡辺恒雄グループ本社会長、日本テレビ・大久保好男社長(他に長嶋茂雄氏、松井秀喜氏)/首相公邸

 ▽5月10日/司会者・みのもんた氏/首相公邸

 ▽5月16日/ジャーナリスト・田原総一朗氏/首相公邸


かつてない危機的状況 テレビジャーナリズム

 元NHKディレクター 戸崎賢二さん

 報道機関としてのテレビは戦後かつてない危機的状況に入ったのではないか。最近、安倍首相の生出演の例をこれだけ見せられると、そう思わずにはいられない。
 一概に首相のテレビ出演がいけない、というわけではない。しかしスタジオに呼ぶ場合、権力者に対する距離と批判的精神が絶対に必要である。
 記憶に残る映像がある。筑紫哲也がTBS「NEWS23」で2007年に当時の福田首相に厳しく迫ったインタビューだ。「消えた年金問題」の自民党の方針を、筑紫は「お言葉ですが」と切り返し、「ウソっぽい公約」と批判した。福田首相は憮然とし、メーク落しも拒否して帰ったという。
 今年1月、TBSで放送された筑紫を振り返るドキュメンタリーで、福田元首相はこのときの筑紫の態度を回顧して、「ジャーナリストの矜持でしょう。権力に取り込まれたジャーナリズムなど見ていられないじゃないですか」と述べた。最近の一連の首相登場番組は、「権力側」でさえ言えるこうした批判に耐えられそうもない。
 
 安倍首相がスタジオにきてくれた、と大はしゃぎの日本テレビ「スッキリ!!」は論外として、フジの「スーパーニュース」も、自民党の政策が何の反論もなくストレートに宣伝され、安倍首相の「人柄の善さ」が印象付けられる放送となっていた。
 今回の首相のテレビ連続出演は、官邸側の系統的な工作による疑いがある。07年の参院選前にも、安倍首相のテレビ出演が連続したが、これは官邸サイドから各テレビ局への強い働きかけによるものだったと、同年7月23日号の『AERA』誌が暴露している。
 繰り返し言われることだが、ジャーナリズムに期待されるのは「権力に対するウォッチドッグ」(権力を見張る監視人)の役割である。
 報道に携わる者にとって当然のこの常識、教養が、首相出演を安易に受け入れる現場ではもはや死語となり、自覚さえないとみえるところに、現在のテレビの危機の深さを見る思いがする。
(しんぶん赤旗2013年5月21日)

「ウォッチドッグ」なら「しんぶん赤旗」でしょ
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