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アスペルガー症候群の被告 求刑超え判決で控訴 「障害理由は不当」

2012-08-14 | 憲法
求刑超え判決で控訴 障害理由は不当

 引きこもり生活の末に、支援を続けた姉を刺殺したとして殺人罪に問われ、大阪地裁の裁判員裁判で求刑を4年上回る懲役20年の判決を受けた無職の被告(42)が、判決を不服として13日までに大阪高裁に控訴しました。控訴は11日付。

7月の地裁判決は、被告が発達障害の一種であるアスペルガー症候群と認定。「母親らが(社会復帰後の)同居を断るなど、社会的受け皿が用意されておらず、再犯が強く心配される」などと指摘しました。
 患者や支援者でつくる「日本発達障害ネットワーク」の市川宏伸理事長らは13日、厚生労働省で記者会見し、「障害を理由に刑を重くすることは、同じ境遇の人を精神的に追い込む」と批判。「治療と刑罰は別。控訴審では正しく理解した審判に期待する」と訴えました。

発達障害への理解に問題点 日弁連が会長談話

 日本弁護士連合会の山岸憲司会長は10日、大阪地裁が7月30日、発達障害のある被告に、求刑を上回る懲役20年の判決を出したことについて、発達障害への理解に問題点があるとする談話を発表しました。
 談話は、被告が精神障害であることで「再犯の可能性がある」とした判決は、責任能力のない者に刑罰を科してはならないという「責任主義の大原則に反する」としたうえ、「社会防衛」のために長期間の刑務所収容を行うという考え方は「現行法上容認されない保安処分を刑罰に導入することにほかならない」と批判しています。
 判決が、被告の障害について十分な医学的検討をしていないことについて、「発達障害への無理解と偏見の存在を指摘せざるを得ない」としています。
 さらに、裁判員裁判では、量刑判断に必要な医学的・社会福祉的情報が提供され、裁判長から適切に法令の説明や解釈が行われるよう求めるとしています。
(しんぶん赤旗2012・8・14)

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