ヒデ系の瞳

平和憲法尊守

ペルー大統領選  勝敗分けた女性票

2011-06-19 | 歴史史観
 フジモリ政権は貧困削減をめざす人口抑制策の一環として山岳地帯の貧しい先住民女性にたいして、不妊手術を実施しました。被害女性の多くは十分な説明を受けず、強制されたものでした。この政策は月間1万2500件の手術など数値目標まで決めて推進され、その後の政府の調査で被害者総数は31万4000人に上ったと記録されています。


 政権断罪なし

 人権団体は、フジモリ政権下の人権じゅうりんとして改めてこの問題を取り上げ、父親とともに政権の中枢にあったケイコ・フジモリ氏を批判しました。ケイコ氏の選対幹部には、かつて不妊手術を推進した2人の元保険相が名を連ねていることにも批判が高まりました。
 候補者によるテレビ討論でもこの話題が取り上げられましたが、ケイコ候補は、問題はすでに終わったと表明。確かに、被害者の一部については裁判が行われました。判決は実施面だ行き過ぎたやり方があったとして、現場の医師らの責任を問いましたが、不妊手術そのものは断罪せず政権幹部は処罰されていません。
 

 『大統領命令』

 世間の関心が高まる中、多くの新聞が次のような被害者の証言を載せ始めました。
― クスコ州の農民デメトリア・モリナさん。25歳で第4子の出産から3日後、手当てを受ける必要があるといわれ病院に。「看護婦がこれはフジモリ大統領の命令によるものだといって、麻酔をかけられた」。その不妊手術から3ヵ月後、吐き気や下腹部の痛みが。モリナさんは「フジモリは私の人生をめちゃくちゃにした」と述べています。
 追求の先頭に立ってきた全国人権調査委員会(CNDH)のロシオ・シルバ・サンティバン会長はいいます。
 「不妊手術の強制は、女性たちにとって心を痛める問題です。多くの人々が選挙中で、この問題に注目し、恐怖の記憶が呼び覚まされました。」
 それが有権者、とりわけ女性の投票行動に影響を与えたことは間違いないといいます。同氏は「ケイコ氏が敗北し、あらゆる人権侵害を見逃さないと主張するウマラ氏が勝利したことに大いに満足しています」と語りました。

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