魚鳥木☆

百年後にも多種多様な動植物を伝えたい!!その為にも、生物多様性の保全について勉強していきます

神去なあなあ日常

2013-11-28 20:09:48 | Weblog
三浦しをん さんの
神去(かむさり)なあなあ日常
を読みました。

進学も就職も決まっていなかった主人公が、高校卒業後に教師や親の策略で、勝手に林業の実習生にされてしまうが、山での一年を通して林業の面白さ、山の生活に楽しさを見いだしていくお話でした。

この話では、山村部における過疎化の現状や衰退し続けてる林業の現状等も鮮明にかかれると同時に、昔から日本人が信仰している山の神様の存在にも触れていました。
日本各地で催されてるお祭りも、大半は神様に豊作を祈願したり豊作の御礼が始まりなので、日本人の心には信仰心も残っているのではないでしょうか。
また、昔から言い伝えられている山での決まりも、人間の生活を持続的に行っていくための知恵でもあることを思い出させてくれました。

私は、都会で育ち都会で暮らしていて、山での生活、山地ですむ方々の山への思いを理解できていないので、この小説が何処まで克明に記載されているのかは、わかりません。
日本の豊かな山林を守るためには、山林に人の手が入る必要があります。そのためには、そこで経済活動が営われることが必要です。

どうすれば日本の林業が持ち直すのかは、私は答えを持ち合わせていませんが、今後も見守っていき、自分にできることを考えていきたいです。

ジビエを食べれば害獣は減るのか

2013-11-12 12:47:25 | Weblog
ジビエを食べれば「害獣」は減るのか 和田一雄氏 を読みました。
図書館の新刊コーナーにあり、思わず手に取りました。

サルやアザラシ等の野生動物の研究をされてる方による野生動物の現状が記されており、勉強になりました。
なかでも、人間の倫理ではなく自然の倫理を当てはめることが自然保護との記述が心にのこりました。(確か、このような記載でしたが、読んだあと時間がたっているので、正確ではない可能性があります。)

野生動物を商業利用すると、歪みが出てきてしまい自然保護の観点からの利用でも結果として大きな自然破壊になってしまうことがあるのです。
それを、野猿公園の実績から説明されてました。

日本ではシカやサルが天敵がいないことや人間による森林の利用方法が原因で増えすぎて大きな農作物被害が出ています。
有害駆除で、頭数調整しようとしていますが、狩猟者の高齢化、減少問題もあり、さらに根本的な解決策ではないことなど、なかなか上手くいっていません。
この本の著者は、シカの天敵であるオオカミ導入に意欲的ですが、モニタリング体制や、その事にかんする社会的同意がとれていない現状で導入することは、沖縄のマングースの例があるので、私は反対です。


市場原理ではなく自然の原理が働き、かつ継続的な対策のためには、市町村が絡んで、経済活動に使えるようなシステムがいいのでは漠然ながら考えます。
例えば、学校給食や市町村の食堂など、シカ肉が取れるときのみ、使う等。

また、外来種の駆除に市場の原理を持ち込むのは、大変危険と考えてます。完全根絶を目的としているのに、目的を達した途端に職を失ってしまうからです。

市場原理、人間の都合ではないものを動かすのは、今の社会構造では難しいですが、人間には必要である、公共性のあるものなので、上手い対策法を早急に見つけていかないといけないですね。

ニッチを探して

2013-11-08 09:53:05 | Weblog
"ニッチを探して" 島田雅彦さん著書を読みました。

生物が食べ物や適応できる住環境の違いで住み分けをしてるように、銀行に勤め、幸せな家庭を築いていた中年男性が、ある日、新しいニッチを求めて、今までの生活から飛び出していくというお話でした。

生物も、好環境で生活がしやすい場所に多くの種が集まり、過酷な生存競争が繰り広げられ、過酷な環境には、多種との生存競争が厳しくない分、それに適応させることが必要です。
人間社会もそれと同じなんだなぁと改めて気づかされました。
よりよい生活を求めて、他者と競争するか、新天地を求めるか。
生きていくということは、そういうことなんだろうなぁ。
よりよい生活、理想とする生活をどのように思い描くかは、その人それぞれかと思いますが、戦後、資本主義社会の流行の物を持ち、より便利に生活でき、見た目が美しく、清潔であることが追い求められてましたが、最近は、物欲より精神的な欲求との考えをもつ人も増え、
精神的な欲求を満たすために、自然を求める方が増え始めていると思います。
本当の意味での自然と共存できる社会になるためには、どのような考えの浸透や社会構造が必要なんでしょうか。

この話の主人公のように、現在の生活に何か疑問を抱いて日々を送ってる人は多々居ると思います。
その人々が行き着く先の選択肢のひとつに、“自然の中での生活”等、自然を求める生活があるかと思います。
今まで人工物の中で生活していた人も、上手く自然と共に生活できるようなシステムがあるといいなぁと思いました。