Romarin フランスの草の根となって

住み始めた時は腹がたち、住み慣れると離れがたいフランスにすみ、45年の年月がたちました。日々のことなど綴ります。

ビュッシュ・ドゥ・ノエル

2005年12月26日 | 生活
昨日の記事で、デザートの「ビュッシュ・ドゥ・ノエル」(木の枝と名づけられたケーキ)の話をしました。
このケーキは伝統的にクリスマスに食べます。
チョコレートムースとスポンジの生地でできたまきの形をしたケーキです。

なぜまきの形?・・・
一家の主人がクリスマスイヴにまきを家族が過ごす部屋の暖炉に入れることによって、光と暖を得ようとする大切な儀式があったそうです。
油と、塩とヴァン・キュイ(果物のシロップを基にしたアルコール)を振りかけてお祈りをしたそうです。
これはヨーロッパ全体にあった習慣だったとか。

●火の粉がたくさん散れば散るほどよい夏が来る。
●まきの灰は落雷と悪魔ののろいから家を守る。
●暖炉の火は太陽の象徴である。

ヨーロッパの冬は灰色でとても気分が陰鬱になるので、太陽を求めて暖炉が人々の心の灯火となったのかもしれません。

今はこのような習慣はないらしいですが(14世紀後半ころからなくなったらしい)この習慣から、クリスマスイヴのお菓子が作られたことのようです。


クリスマスイヴ

2005年12月25日 | 生活
昨日のクリスマスイヴは家族で過ごしました。
子供は大きくなったのにやはりクリスマスを家族で過ごすのが楽しいらしく、大いに盛り上がりました。

食事が始まるときに撮った写真です。

前菜はフォアグラとマッシュのサラダ。
つぎに、鴨をマデール(お酒の一種)をさっと振りかけてオーブンで焼き、カルドン(見かけはセロリのような、味は蕗のような野菜)、にんじん、たまねぎの付けあわせ。
おなかがいっぱいになったのでチーズは省略してビュッシュ・デゥ・ノエル(クリスマスのお菓子)。

プレゼントを交換し合いました。
娘たちから私たちにフランス各地で使えるホテル一泊券をプレゼントされました。
このホテル券はいろいろなカテゴリーがあります。
ホテルとグルメ、とか、風景のきれいな所とか、趣向を凝らしたホテル(たとえば石造り、船のホテルなど)など。
私たちがもらったのはこの最後のものです。

思いがけないプレゼントに大喜びしています。


クリスマス前最後の買い物

2005年12月23日 | 生活
明日はクリスマスイヴですが、今年は気持ちが乗らず贈り物もきちんと買っていませんでした。
と言うのも、ひとつには、上の娘は素敵なオーバー、下の子はニューヨーク行きの航空券、と言う前もってのプレゼント志望があったので、びっくりプレゼントを買う必要がないわけです。

主人にはこっそり買っておいてあります。あと、娘の彼氏に買ったものがほとんど同じものを持っているのに気づき、今日急遽取替えに行きました。そのついでに、やはりプレゼントの包みがツリーの下にないのは寂しいので、娘たちにひとつずつプレゼント。私はイヤリングを自分に買いました。

10時にお店が開くので開店と同時に行ったら割りにすいていてラッキー。
さっさと済ませ、余計なものもちょっと見たりして、明日のクリスマスの食事の素材の下見。鴨にするか、シャポン(去勢された若鶏)かで迷いましたが鴨に決定。
フォアグラも二種類買いました。
これでちょっと気持ちも盛り上がり、ようやくクリスマス気分です。

あとはシャンパンを冷やしておけば完了。

宇野千代さん

2005年12月16日 | 読書
また本の話です。

宇野千代さんの「生きて行く私」を再読。
とにかく自分の思ったことをすぐ行動に起こす女性です。
その行動力たるやすばらしいものがあります。

さらに注目したいのは、決して人を縛りつけようとしない、運命の流れに身を任せている、でもその中で自分のしたいことを体を張ってしていく・・・・という読んでいてあっけにとられっぱなしの人生を送ってらっしゃる。
百歳を目前にして天寿を全うされたようです。

すばらしいフレーズをひとつ。

●人が聞いたら吹き出して笑ってしまうようなことでも、その中に、ひとかけらの幸福でも含まれているとしたら、そのひとかけらの幸福を自分の体のぐるりに張りめぐらして、私は生きていく。(中略) 幸福も不幸も、ひょっとしたら、その人自身が作るものではないのか。そして、その上に、人の心にたちまち伝染するものではないのか。とすると、自分にも他人にも、幸福だけを伝染させて、生きて行こう、とわたしは思う。

このように生きることはとっても難しいです。
でも自分が本当に幸福に思うときは他人にもその光みたいなものを発することが出来るな、と最近思います。
そういうときに人々がそれに答えるような笑顔を向けたりするときに、その幸福感が倍化します。

●人間同士のつき合いは、この心の伝染、心の反射が全部である。何を好んで、不幸な気持ちの伝染、不幸な気持ちの反射を願うものがあるか。幸福は幸福を呼ぶ。幸福は自分の心にも反射するが、また、多くの人々の心にも反射する。

パピヨット

2005年12月09日 | 生活
クリスマス近くなると、パピヨットと言って、きらきらと光る紙に包んだチョコレートが出回ります。いろいろな種類のチョコレートがあります。
このチョコレートはひとつずつ包まれていて、中に気の利いた一言を書いた紙が織り込まれています。

●有名でない人が有名になるには「わたしはとても有名です。」と言えばよい。
●何人も法律を知らなければならない・・・・二十万もの法律がある(ジュール・ ルナール)

などなど、ですが、日本語に訳すと面白くないかもしれません。
言葉の遊びだったり、文化の違いもあったり。
ここに書こうと思って無理やりパピヨットを食べていますが、あまりいいのがありません。
ご紹介と言うことで、またなにかの折に面白い言葉があれば書いてみたいと思います。

このパピヨットはこの時期と復活祭のときに出回るだけで、あとの季節には手に入らないのです。それだけ季節感をかもし出すものといえましょう。
いいことかもしれません。

クリスマスが近づいて・・・

2005年12月07日 | 生活
12月に入ると、町はクリスマスの雰囲気でいっぱいになります。
中心街の通りにはいろいろな工夫を凝らした光の飾りが暖かい雰囲気を盛り上げます。

クリスマスプレゼントの買い物客が多く、町はにぎわうものの、
車では混雑して動きが取れなくなってしまいます。

昨日はバスでとろとろと町に出て行きました。
時間はかかるけれど、交通渋滞、はないし、とめる所を探すこともないし、で気分的には楽でした。

子供が小さいときには早くからプレゼントを買い始めていました。
24日間近になると気の狂ったような人ごみに没入する羽目になるから。

子供が大きくなったいま、もうそんなことをすることもなく気楽に構えています。