Romarin フランスの草の根となって

住み始めた時は腹がたち、住み慣れると離れがたいフランスにすみ、45年の年月がたちました。日々のことなど綴ります。

新聞の案内広告

2006年02月25日 | 生活
アパート探し、いらなくなった物の売り買いの広告などの専門の新聞があります。
その中で面白いのは、男女が相手を探す広告です。
相手を探している人が自分を紹介する記事を書いて、その新聞に返事を書いてもらうか、自分の連絡先を書くかします。

例えば女性が男性を求める広告

若き48歳の女性、魅力的で美しい。45歳から55歳の男性との出会い望む。
高学歴でやさしく、気持ちの細やかな人。余暇に外出}

ダイナミックな63歳の女性。。骨董品、庭仕事、旅行が好きです。誠実で長く交際でき、楽しく人生を送れる男性求む。}

60歳の女性。頭も体もしっかりしています。独立心がある。。60から70才の男性、。ほどほどの理性を持った人、お酒、タバコをのまない人、やさしく、機知に富み、家族づきあい、友達づきあいの好きな人。}  などなど。

大変美しい61歳の女性。(10歳は若く見えます)、離婚者。身長1m60.美容師。細く、エレガント。女性的で、やさしい。マリーズ(という名の女性)は大変興味深い人柄で、ダンスが好きです。まじめで結婚を前提とした交際を望む。}

男性側からの広告

{退職した会社社長。活動続け、いい地位にいます。離婚。身長1m70.こげ茶の髪。スポーツ好き。生き生きと生活。よい教育をうけている。新しい人生の出発のためのまじめな交際望む。}

40過ぎの若い男です。40~60歳の熟年女性求む。外出、音楽が好きです。}

美男な46歳の男です。安定した地位、鷹揚な人間。若く美しくほっそりした女性求む。最大46歳まで。}

などなど。

ふざけた記事もありますが、まじめな切実なものが結構多いです。
一人になってしまった人間は寂しさをなくすために、また人生を分かち合う相手を求めてこのような手段まで選ぶようです。

お掃除のおばさん

2006年02月24日 | 生活
うちではお掃除のおばさんに週一回、2時間来てもらっています。
共稼ぎですので、子供が出来てから、お掃除のおばさんが我が家には欠かせない人となっていす。いまの人は4人目ですが、もう10年くらい来てくれています。

ちょっと力があまり、乱暴になることが気になるときもありますが、よく仕事はするし、気も付くし、献身的なので、頼りにしているんです。

夏の間、1ヶ月くらい留守するときに、おばさんに時々来てもらって風通ししてもらっています。そのときのおばさんの活躍ぶりです。

●冷蔵庫を空にしていくのを忘れたとき、中にあるものをおばさんが出してくれて、私たちが戻ってくる直前に同じ物を買って入れておいてくれた。

●庭に黒イチゴの実がなっているので,とって食べてくれるように言ったら、ジャムにして10瓶ほど台所においておいてくれた。

●豪雨が来たとき、家を見回ってくれて、地下に水が入ったので、部屋に使っている、床に敷いてあった水に浸ったモケット(25㎡)を持ち上げ外に出し干してくれた!

このおばさんはご主人と7,8年前から別居しています。一時期ごたごたがあって、とてもつらい思いをしていました。子供は3人います。一番下が17歳で、もう働いています。

「今日は寒いですね。」「悪い天気が続きますね」などと言う時、「Il faut faire avec」(どうしようもないですね、この環境の中でやっていくしかないです)(---これはこの場合の意訳です)という返事。この言葉は実にあっけらかんとしていて、限られた所で自分の出来ることをして生きていくしかない、という、彼女の人生観であると思います。
彼女は一週間目いっぱいいろいろな家の掃除をしていますが、頼りにされ、信用され、とても充実した生活を営んでいるように見えます。

「身の丈を知る」ことに関連しているのではないかと、ここに彼女のことを書いてみました。

こんな夫婦の例があります

2006年02月18日 | 生活
バレンタインデーの記事でいろいろなコメントをいただきました。
それに関してもう少し話を拡大してみようかなって思ってある御夫婦の例を引いてみたいと思います。
もしかしたらこのブログで話したことがあるかもしれないのですが、もし重複していたらごめんなさい。

友人が、「私の友達の息子さんが日本女性と結婚して日本に住んでいるけれど、なんだか問題があるみたいなので相談に乗ってくれませんか」

その友人御夫婦がうちにいらっしゃいました。りっぱな老夫婦です。

『わたしたちの息子はお菓子作りとして日本に行き、働いています。日本人女性と恋に落ちて結婚しました。本当に仲のいい夫婦でしたが、子供がなかなか出来ませんでした。
7年後にやっと子供が出来、その喜びはいかなるものか、わたしたちも日本まで行き孫の顔を見ました。
ところが、子供が出来てから、彼女が全くだんな様のことを考えなくなりました。夫婦生活もなく、彼のことが目にも入ってないようなのです。こうなった以上離婚せざるを得ないのだが、孫の顔をもう見ることが出来ないと思うと身を切るようにつらいのです。
日本人女性の事を教えてほしい。そして出来たらなんらかの解決方法を見つけたいのです。』
という赤裸々な本当に苦しい御相談でした。

このようなことを全くの赤の他人の私に打ち明け、相談を求めるというのはよほどのことなのだと思いました。

私はこのように答えたのですが、

『日本人女性は子供が出来たらまず子供が第一となります。御主人は仕事がありますから、子供の教育はおのずと、奥様の仕事となるのが常識となっています。ですからそのために夢中になってしまい、ご主人のことはおろそかになってしまうことが多いかもしれません。でも子供が成長していくうちにまた目が御主人の方に向いていくのではないでしょうか』

納得したようなしないような感じでした。

その後、やはりどうしても気持ちの折り合いが付かず、離婚したということを聞きました。

今、若者の間で日本ブームが起こっていて、日本に関心のある人がものすごく増えています。そしてその人たちの間でも、日本女性は子供が出来ると御主人のことをかまわなくなる、ということが言われているようです。

でも最近は男性もかなり子供の教育に積極的に関与していますから、変わってきているようです。
私の日本の友人は奥様思いの方々が多くて感心すること、しきりです。

ここに例として出したフランス人の彼はやはりフランス人としての夫婦のあり方を考えていたので理解が出来なかったと思います。もし彼女がフランスに住んでいたら、大分違ったものになったのではないでしょうか。




サン・ヴァランタン

2006年02月14日 | 生活
今日はヴァレンタインデーですね。
日本では昔からこの日は特別で女の子はこの日が近づくとそわそわしていましたっけ。
フランスに来て見たら、ちっとも話にも出ないし、祝いもしないので不思議に思っていました。でも最近はハローウィン同様商業活発化(?)のためか、さかんに広告を出しています。
赤いバラ、宝石,レストラン、チョコレート、香水などが筆頭に上げられます。

なんでも10%の女性がこの日を待って結婚申し込みをするそうです。

愛するための10か条

新聞に載っている記事を紹介します。フランス人の愛に対する考え方が少しでも分かるかもしれません。

①会話をすること:
愛が長続きすることを願うだけではだめで、お互いに話し合わないことによって、傷つくことが非常に多い。うまくいっていることもうまく行かないことも話し合うことです、とブリジット・ラエさんが言っております。

②自分自身を愛すること:
ソフィー・ルービエさん曰く、自分自身に自信がなく、愛が長続きしないと考えている人は愛を得ることが出来ません。

③慣れから逃れること
愛されることを常に保つこと。サン・ヴァランタンはこの日だけではない。誕生日でなくてもプレゼントをする。《自然に愛を維持することはできない。努力をしなければならない》

④幻滅させない
男性:ぽんぽんのついたモカサン(革靴の一種)・前が短く後ろが長い髪型・鎖のブレスレット
女性:はげたマニュキア・すべての指に指輪をしている人・首に付いたファンデーション
すべての精神学者が断言していること-男を愛する女性は男を賛美することが必要だ
反対に、自己讃美の強い男性は自分が安心させられることが必要。
趣向の食い違いは関係を破綻させる。

⑤レオとジュリアは愛を持続させるためにお互いはなれ、一人はパリ、一人はマルセイユに行った。そして再会するために、二人はその中間地点であるリヨンまで歩いていく。
《歩くことは努力することである。彼らはそれを決行した。》

⑥沈黙は金なり-多くを語るな。
人には秘密の庭がある。それをそっとしておくのがよい。
《接吻は何も言わずにすべてを語る最高の手段である》(ギ・デゥ・モーパッサン)

⑦甘い言葉に気をつけよ
愛を保つには甘い言葉をかけるのがいいということになっているが、それは気をつけよ。とラジオ番組でブリジットさんがいっています。「それを言うことによって愛を保つことは決していい方法ではない。大事なことは彼無しでは生きられないということを示すことだ。」

⑧自分が親であることを忘れよ
カップルに子供が出来ると動転する人が多い。時々子供を預けて二人だけに時間を作ることが大事。

⑨夫婦によっては一人でいることがまったく必要でない場合がある。反対に、息をつきたい夫婦もいる。ちょっとした息抜きは悪い方法ではない。

⑩性的本能
人は性なしに生きることは出来るが感性なしに生きることは出来ない。
軽く触れたり、なでたり、見つめたりすることがいかに重要か、を言っています。

いかがでしょう?日本人との考え方にいろいろな違いが見られると思います。
こちらのカップルは結構大変ですよ。お互いの愛情を確かめ合いながら生活をいしないといけないんです。でも結局日本人だって同じだと思うのですが。

いろいろな考えを聞かせてください。

昨日の出来事

2006年02月11日 | 音楽
大変なことが起こりました。
昨日はいつものコンサート会場を離れて、大きなイベント会場でのコンサート。
「指輪物語シンフォニー」でした。映画「指輪物語」の音楽のモチーフを使った6楽章のシンフォニーです。
大々的宣伝をしていわゆる年度の大イベント的なコンサートなのでした。

音楽は映画と見ながら耳に入る分には素敵なのでしょうが、いつも同じトーンで
こんなのでお客さんは満足するだろうか?
と、われわれオーケストラマンの間では危惧していました。

まあ、それでもコンサートはがんばろう、と気を取り直してⅠ楽章を引き終わりました。
指揮者がゲネプロのときに、一楽章のあとで、きっと拍手が出るので少し待つことになります、といっていましたが、まったく出ず、第二楽章を弾き始めたら・・・・

昔バスケットのチャンピオン選手だったという巨人のような指揮者の体がくずおれ頭から倒れたのです。

茫然自失

とはまさにこのこと。

皆総立ちになり、一瞬事態が飲み込めませんでした。
「Pompiers!」(消防夫のことですが、病気、事故などの救急のときによびます。)と叫び、ひかえていたPompiers (イベントの時には必ず来ています)がすぐ駆けつけ、会場に来ていた医者も来て、心臓マッサージ。
来ている人たちに見えないように、われわれオーケストラマンが舞台のふちに立って人垣を作りました。

救急車もすぐ来ましたが動かさない方がいいのか、マッサージを続けました。

もちろん、コンサートはお流れ。会場に来ていた人も、言葉もなく出て行きました。恐ろしさで、気を失った女性もいて、こちらの介抱もしなければなりませんでしたが、彼女の場合は心臓とは関係なかったようです。

皆心配なのと驚愕とで1時間くらいは立ち去れませんでした。
でも、いてもどうしようもないのでまだ鼓動が戻ってきていない、という言葉を聴きながら会場を後にしたわけです。

今日も二回目のコンサートがあるのですが、今連絡待ちの状態です。

いつもユーモアを交えながら楽しく練習をしていった指揮者なのですが、コーラスがアマチュアでまったくさえなかったし、われわれもあまりの音楽の稚拙さに、言葉もなく「こんなのでいいの?」という雰囲気がむんむんと漂っていました。

もしかしてそんな雰囲気を敏感に察知していて、ユーモアたっぷりの態度とは裏腹にかなりのストレスがあったのかも、とか、私なりに勝手に解釈してしまっていますが、実際は病気を持っていたのかもしれません。

指揮者の蘇生を心より祈っています。

子供のオーケストラ

2006年02月07日 | 生活
これは、うちのオーケストラのプロジェクトのひとつで、
毎年、11月から練習を始めます。

いろいろな音楽教室、音楽学校から生徒を募集し、
最初に、一応能力を見るためにひとつの曲を皆で演奏します。
あまりに無理そうな子供には引き取ってもらいますが、
基本的には皆採用します。

練習は学校の授業のない、土、日に行います。
3時間の練習のうち、半分はわれわれプロの音楽家が
それぞれのセクションごとに、指導をして、残り半分で
指揮者が全員の合奏を行います。
毎回の練習がそのリズムで行われます。

とにかくレベルがそれぞれ違うので難しいですが、子供の可能性って
すごいです。
こんな曲が弾けるのだろうか、と思う難しい曲に限ってすごいエネルギーを発し、弾いてしまうんです。

この日曜日にコンサートをしました。
本当によいコンサートでした。

2300人のコンサートホールでの本番でしたが、満席。
緊張しながら一生懸命弾く子供に胸が熱くなりました。
毎年のことなんですけれどね。
教えるときにはたらたらして、聞いているのかいないのか、
時に腹の立つこともあるのですが、最後に懇親の力を発揮するので、
またやりたい、と思いを新たにします。

ゼネストと音楽会

2006年02月02日 | 生活
今日は全国規模のストライキです。

●公務員の給料値上げ要求
●消費力アップの要求
●職業削減反対
●教育の場での安全対策

これらが労働組合が示したストの内容です。

今朝は今晩のコンサートのゲネプロでしたが、音楽家以外は全員ストをしていましたので、照明もなく、キャンセルになりました。
今夜の演奏会もキャンセルとなり、しばらくの間議論が続きました。
われわれ音楽家がストをするわけではないことを明示すること、
何とかコンサートが出来ないものか、たとえばオペラで使う電気の付いた譜面台は使えないものか、
などの提案もありましたが、とにかくホール案内の人も、切符を売る人も、電気関係の技術者もいないのでキャンセルせざるを得ません。

今週はポーランドの指揮者、スクロヴァチェフスキーによる、ブルックナーの第二番交響曲、スクロヴァチェフスキー作曲、左手のためのピアノコンチェルト。
ピアノは作曲家が彼のために書いたゲリー・グラフマン。

今年83歳になるこの指揮者+作曲家の淡々とした非常につぼを心得た練習と音楽性に魅力を感じていたわれわれにとって今日の演奏会は是非やりたかった所でした。

土曜日にも同じプログラムで演奏会がありますので、土曜の朝にゲネプロをしてコンサートの運びとなります。
一度でおしまいにするのは残念でした。