新潟県阿賀野市の五頭連峰に登山に出かけた親子の行方は、今もわかっていません。同じ時期に、新潟市西区の小学2年大桃珠生さんが殺害された事件がありました。新潟市は、私の故郷でもありますし、五頭山を含む周辺の山に登ったことがあるので、双方の事件は気が気でありませんでした。
親子が向かったと見られる松平山のどこにいるのでしょう。山の上には残雪もあり、この時期は雨でも降れば、気温も低下します。今回の遭難事件に対するネット上の意見は、登山自体を否定的に考えている人もいます。また。子供を連れた登山に対して、批判的な意見もあります。私自身は、趣味として50年程度、山歩きをしています。また、子どもを連れて山歩きもします。
遭難者の個人的な問題を、登山全体に投影してしまっているといった印象を受けます。登山に出掛けた同日、午後4時ごろ「道に迷ったのでビバークする」という連絡が家族に届いたそうです。この人は、ツエルトを持参したのだろうか?考え辛い・・・私が最初に感じたことです。子連れで、ツエルトを持参するほどの山へ出かけることは、ちょっと考え辛いと私は感じました。おまけに、ビバークの決定がちょっと早いという印象があります。
私が子どもを連れて山登りをするときは、何かあったら負ぶってでも下りてくる覚悟はしています。そうした意味で、体力的にも精神的にも、いかなる状況にも耐えることを前提としています。そうした点で、今回の遭難者の父親は、ちょっと判断を誤ったのではと思わざるを得ません。
北アルプスや南アルプスを登っているときに、子連れの登山者と出会うことがあります。危険な箇所もある登山路の場合は、子どもの注意力と親の勇気に感動することがあります。私自身は、子どもを小屋泊まりで白馬岳・奥穂高岳・富士山・尾瀬などに連れて行きましたが、私自身が繰り返し登っている山や、登山路が比較的安全な山を選んでいます。日本アルプスのような山でなくとも、身近な里山の山あるきでさえ、子どもに得難い経験をさせることでしょう。
今回の親子に対しては、私は毎日気が気ではありません。ただ、もう二週間が過ぎたので、生存も難しい状況になってきました。それでも、奇跡的にサバイバルしていることを願っています。